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コデマリの花言葉は?特徴・基本情報や贈るのにおすすめのシーンを解説

コデマリは、桜と同じ早春に花を咲かせる花木です。寒さや暑さにも強く丈夫なので初心者でも育てやすく、江戸時代から現在まで長く親しまれてきました。

和風の庭園にも洋風のガーデンにもよく調和し、鉢植えや切り花でも楽しむことができるコデマリは、ギフトとしても最適です。贈りものとしてはどのようなシーンに向いているのかもご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

コデマリの花言葉

コデマリの花言葉は「優雅」「上品」です。細くしなやかな枝に純白の小さな花をいっぱいに付けた姿は、まさに優雅さと気品を感じさせます。コデマリの花が満開に咲く姿を見たことがある人なら、誰もがこの花言葉に共感できることでしょう。

また、「友情」「努力」という花言葉もあります。これは、1cm以下の小さな花が20個ほど集まって丸くなるコデマリの花姿が、仲良く集まり協力してひとつの形を作り上げる人を思わせるからだと言われています。

コデマリの花言葉には怖い意味はある?

コデマリの花言葉に怖いものはありませんが、「いくじなし」というちょっとネガティブな花言葉もあるようです。これは、小さな花が集まって集団を作っている様子を「一人では何もできない"いくじなし"」とネガティブに捉えた人がいたからなのではと推測できますが、はっきりとした由来は分かっていません。

このように少しネガティブな花言葉があるものの、一般的に広まっているコデマリの花言葉は素敵でポジティブなものなので安心してくださいね。

コデマリの基本情報

コデマリは中国から伝わり、日本の帰化植物となっています。春に純白の花を咲かせることで知られるコデマリですが、夏には爽やかな葉姿、秋には鮮やかな紅葉も見せてくれます。

原産地 中国
科・属 バラ科・シモツケ属
学名 Spiraea cantoniensis Lour.
英名 Reeves spirea
和名 コデマリ(小手毬)
別名 スズカケ(鈴懸)、テマリバナ(手毬花)
分類 落葉低木
樹高 1~1.5m
開花期 4月~5月
花色

コデマリの名前の由来

コデマリは漢字で「小手毬」と書きます。手毬(てまり)は日本に古くからある遊び道具で、綿などの芯に糸や革ひもを巻いて球状にした、今で言うボールのことです。

手毬唄(てまりうた)を歌いながら毬をつく遊びが、凧あげや羽根つきと同様にお正月の遊びとして行われていたことから、「手毬」は新年の季語にもなっています。

ちょうど毬遊びが広まった江戸時代に日本に入ってきたコデマリ。小さく丸い形をした花姿が「小さな手毬」を連想させることから、この名前が付けられたようです。

コデマリの特徴

コデマリは、しなやかに弧を描いた枝に、直径が3~5cmほどの丸い花の集まりをいくつも付け、爽やかで清らかな雰囲気が特徴です。

江戸時代には武士階級の間で人気になり、観賞用として盛んに栽培されるようになりました。現在でも清楚な雰囲気が好まれて、公園や庭などでもよく目にすることができます。

切り花としても栽培されていて、動きやボリュームを出してくれる枝ものとして花束や生け花にも重宝する花材になります。

コデマリと似た花との違い

コデマリにはよく似た花があります。名前が似ている「オオデマリ」と、見た目がよく似た「ユキヤナギ」です。素人目では区別がつきにくいこともありますが、見かけたときに違いが分かるとより花を見る喜びが増すので、それぞれの違いをご紹介しておきます。似た植物を見かけたら「コデマリかな?オオデマリかな?ユキヤナギかな?」とよく観察してみると面白いですよ。

オオデマリとの違い

オオデマリはレンプクソウ科ガマズミ属で、日本原産のヤブデマリの園芸品種とされています。コデマリと同様に落葉低木で、小さな花の集まりが毱のようになる花姿はコデマリとよく似ていますが、丸い花の集まりはコデマリより大きく、樹高も2〜6mほどに大きく成長します。

オオデマリの花は咲き始めがライムグリーンで、徐々に白へと変化していく点がコデマリとは異なる点です。

また、葉の大きさや形はどちらかというとアジサイに似ているという点でコデマリとは区別がつけられるでしょう。

ユキヤナギとの違い

ユキヤナギはコデマリと同じバラ科シモツケ属の落葉低木です。樹高も1〜1.5mほど、開花時期も4月で、しなった細い枝に小さな白い花をたくさん付けることからも、コデマリと混同しやすい植物です。

見分け方としては花の付き方に注目します。コデマリは枝の先端部分により多く花の集まりを付けるのに対して、ユキヤナギはその名のとおり柳に雪が降り積もっているかのように、枝全体に小さな花を満遍なく付けるという違いがあります。

コデマリはいつの誕生花?

コデマリは「4月24日」の誕生花となっています。4月はコデマリの花の最盛期なので、この季節の誕生花としてピッタリです。

また、4月24日生まれの人は優しい性格で協調性が高いとされています。人の心や空気を読む繊細さでさりげない気配りができ、高いコミュニケーション能力で周囲の人をサポートしていくことができるそうです。多くの仲間と一緒に努力して成長していけるこの日生まれの人は、小さな花が集まって丸い形をつくるコデマリの花姿と共通するものがありますね。

コデマリの種類・品種

コデマリには従来型の品種を含めた代表的な品種がいくつかあります。ここでご紹介する従来型の「コデマリ」と、改良種である「ピンクアイス」「ゴールドファウンテン」「ヤエコデマリ」は、市場にもよく出回っている人気の品種です。どの品種でも育てやすく、それぞれとても魅力的なので、選ぶのに迷ってしまうかもしれません。

それでは、具体的に特徴を見ていきましょう。

コデマリ

一般的に見られる「コデマリ」は、江戸時代から親しまれている従来型の品種です。一つひとつの小さな花はバラ科の特徴を示す5枚の花弁を持っており、それらが集まって直径数センチほどの半球状になるのが特徴です。

花色は白、花軸はややピンクがかった黄緑色で、葉は深い緑色をしています。

春になると細くしだれる枝に丸い花の列をつくり、最盛期の4月には枝や葉が隠れるほど花が鈴なりになる様子からスズカケとも呼ばれるのです。

コデマリはどの品種でも秋には紅葉し、冬には落葉して枝だけになります。

ピンクアイス

コデマリ「ピンクアイス」は、白い花とピンク色の花軸のコンビネーションが可愛らしく、日本では「桜でまり」、海外では「ブライダルリース」という商品名でも販売されています。

この品種はピンクと白の斑が入ったカラーリーフが特徴で、春に花が終わった6月以降も斑入りの葉をそのまま秋まで長く楽しむことができます。

従来のコデマリよりもコンパクトに仕立てることができ株姿が乱れにくいので、小さい間は鉢植えや寄せ植えで楽しみ、大きくなってきたら庭植えにするという楽しみ方もおすすめの品種です。

ゴールドファウンテン

コデマリ「ゴールドファウンテン」は明るい黄緑色の葉が特徴です。先端に向かってより黄色みを帯びていく葉をつけた枝が四方八方に伸びる姿は、その名のとおり金色の噴水を思わせます。

日本では黄金小手毬(オウゴンコデマリ)とも呼ばれ、春にはオレンジ色の葉が芽吹き、白い花と黄色い花軸の華やかさが素晴らしく、夏には枝のオレンジ色と爽やかなイエローグリーンの葉色を楽しむことができます。また、秋には優しいピンク色に紅葉する葉色も美しく、春から秋まで長く庭を彩ってくれる品種です。

ヤエコデマリ

「ヤエコデマリ」はコデマリの変種です。その名のとおり八重咲きの花をつけるのが特徴で、花姿はモッコウバラに似ています。花が八重である以外は従来のコデマリと同じで、花色は白、花軸は黄緑色、葉色は深い緑色です。

 

ヤエコデマリは、フリルが何重にも重なったような花姿がより華やか印象で、イングリッシュガーデンのような洋風の庭にもしっくりと馴染み、他の植物を引き立てながら庭全体を上品にまとめてくれる品種になります。

コデマリの育て方

ここからは、コデマリの育て方を解説していきます。コデマリは暑さにも寒さにも強く丈夫なので、初心者にも育てやすい植物です。育て方はそれほど難しくなく、いくつかのポイントを押さえて育てるだけで元気に花をさかせてくれます。

これから育ててみたい人はもちろんのこと、すでにコデマリを育てている人もぜひ参考にしてください。

苗の選び方

小さいポット苗のものよりも、少し育った4~5号鉢の苗木を選ぶのがおすすめです。植え付ける際に根の量が多いと失敗が少なく、ある程度成長している苗木のほうが早く成長してくれます。

買ってきた苗木は植えられている土が固く締まりすぎていることがほとんどなので、すぐに植え替えてあげてください。

花の付いた苗木が春先に出回ることが一般的ですが、植え付けに適した時期は2月~3月と10月~11月ですので、春先に買った苗木は一旦鉢に植え替えて、秋になってから庭に植え付けることをおすすめします。

用土・肥料

コデマリの用土としては、適度な保水性があり、且つ、水はけの良い土が適しています。

庭植えの場合は水はけの悪い場所を避け、庭土をよく耕して植え付けます。庭土に培養土や、赤玉土と腐葉土を6:4の割合で配合した土を混ぜるのもおすすめです。

鉢植えの場合は草花用の培養土だけでも大丈夫です。より通気性を意識するなら、赤玉土・鹿沼土・腐葉土を4:2:4の割合で配合した土を用いると良いでしょう。

コデマリは肥沃な土を好むので肥料が重要です。植え付け時には堆肥を少し混ぜておくと育ちが良くなります。また、花の準備期間である1月~2月に寒肥を、また花が終わった後にお礼肥として、有機肥料または緩効性化成肥料を適量与えてください。

置き場所

庭植えの場合は、東から南向きの日当たりの良い場所がおすすめです。日向を好む植物ですが、あまりにも西日がガンガン当たるような場所は避けたほうが無難です。半日陰でも育ちますが、日当たりが悪い場所に植えると花付きが悪くなります。

また、風通しの良い場所であることも重要です。低木なので庭の隅などに植えることが多いですが、塀と塀に囲まれた角は風通しが悪いので避けるようにしてください。鉢植えの場合も同様に、日当たりと風通しの良い場所に置いてあげましょう。

植え付け・植え替え

コデマリは成長すると樹高が1〜1.5mほどに、幅も1mほどに成長する樹木です。地植えの場合には適度なスペースを取り、十分に根が張れるように幅・深さともに少なくとも30cmくらいは庭土を耕して植え付けます。

鉢植えにする場合は買った時の鉢よりも一回り大きい鉢に植えつけると良いでしょう。庭植えの場合、基本的には植え替えの必要はありません。鉢植えの場合は、根鉢が窮屈になってきたようなら1回り大きい鉢に植え替えをします。

植え付けや植え替えの適期は10月後半〜11月、または2月後半〜3月です。花が付いている時期に根を傷つけると株が弱る原因になるので、花の咲く時期の植え付けや植え替えは避けてください。

水やり

地植えの場合は植え付け時にたっぷりと水を与え、根付いたあとは水やりの必要はありません。ただし、あまりにも雨が降らず乾燥が続いたときなどには、様子をみてたっぷりと水やりをします。

鉢植えにした場合も、植え付け時に鉢底から流れ出るまでたっぷりと水を与えます。根っこが多いほどよく乾きますし、特に花の時期は乾きやすいので、土の表面が乾いてきたらたっぷりと水をあげましょう。

ただし、冬の時期には落葉して水をあまり必要としません。庭植えでも鉢植えでも水やりをしすぎないように注意してください。

剪定

枝ものであるコデマリは剪定がとても大切です。剪定の目的は株の大きさを整えることや剪定によって日当たりや風通しをよくすることです。また、枝を選定することでその部分が分岐して株のボリュームを出したり、強く切り戻すことで株を若返らせたりすることもできます。

コデマリの選定時期は花が終わった後から梅雨に入るまでで、全体を半分くらいに切り戻すと良いでしょう。

内側の枝が混み合っているところは、古くなって花つきが悪くなった枝や育ちの悪そうな枝を間引き剪定します。枯れた枝は根元から切ってしまいましょう。

そして、2~3年に1回は根元からバッサリと切ることもおすすめです。そうすることで株が更新され、株が若々しさを取り戻すことができます。

夏の管理方法

コデマリは丈夫な植物です。特別な夏越しの管理をしなくても暑さや強い日差しに負けることなく元気に育ちます。少し注意が必要な点は、極端な乾燥に弱いことです。真夏に雨の降らない日が続いて土が極端に乾いているようなら、しっかりと水やりをしてください。

真夏の水やりは、気温の高い日中の時間帯を避け、早朝や夕方の涼しい時間帯に行いましょう。

冬の管理方法

コデマリは落葉樹なので、冬には葉がすべて落ちて枝だけになります。冬の注意点としては、この時期に剪定をしてはいけないということです。それは、コデマリは秋から花芽を付けて冬の間に花芽が育ち、その花芽が翌春に咲くからです。冬に剪定を行うとせっかく付いた花芽を切り取ってしまうことになるので、翌春の花数が少なくなってしまうということを覚えておいてください。

増やし方

コデマリは「挿し木」か「株分け」で増やすことができます。挿し木で増やす場合は3月上旬ごろが適期です。前年に伸びた枝を10cmほどに切り取って挿し穂にします。赤玉土(小粒)を用土にして挿し穂の下部を半分まで深く挿し、たっぷりと水やりをします。

置き場所は風の当たらない日陰で、土を乾かさないように水やりをして管理してください。1ヶ月ほどして発根し新芽が伸びてきたら鉢に植え付けます。

株分けをする場合は、2月中旬~3月下旬、または10月下旬から11月下旬に株を堀り上げます。枝4~5本を1株としてスコップやハサミで分けて、それぞれの植え付けを行ってください。

注意すべき病害虫

丈夫で育てやすいコデマリですが、管理の仕方や状況によっては病気や害虫が発生することがあります。どのような場合にどのようなものが発生するかを知っておくことで早めの対応ができるので、可能性のある病害虫についての予防法と対処法を併せてご紹介します。

害虫

風通しが悪いと「アブラムシ」や「カイガラムシ」「ハダニ」などが発生する可能性があります。害虫が発生すると葉や花色が悪くなったり、元気がなくなったりするなど体調を崩す原因になります。

予防策としては枝が密集しないように剪定をして、風通しをよくすることが大切です。発生した場合は、木酢液やこれらの害虫に対応した薬剤を散布することが有効です。

カイガラムシは成虫になると薬剤が効きづらくなりますし、アブラムシは排せつ物がすす病を誘発する恐れがあるので、見つけたら早めに駆除しましょう。

病気

病気としては「うどんこ病」にかかる可能性があります。うどんこ病は白いうどん粉を撒いたような斑点が現れ、植物を弱らせる病気です。気温が高く乾燥する時期に発生しやすいのが特徴になります。

うどんこ病は自然治癒する病気です。特にコデマリは冬には落葉するので、うどんこ病にかかった葉も落ちてしまいすし、うどんこ病で株が枯れることはまずありませんから放置しても構わないでしょう。

ただし、放置しておくと一緒に植えてある他の花に移ることも考えられるので、見つけたらうどんこ病に対応した薬剤を散布するなど早めに対処することをおすすめします。予防策としては、乾燥する時期には適度に葉水をしたり、あらかじめ木酢液を散布しておくこともうどんこ病の予防には有効です。

コデマリを贈るのにおすすめのシーン

花や姿の美しさはもちろんのこと、素敵な花言葉を持つコデマリは贈り物としても最適です。枝ものとして花束に用いると華やかさが増し、ボリュームを出すこともできます。最近ではコンパクトに仕立てることができる品種もあるので、寄せ植えにして贈るのも良いでしょう。

どなたに贈っても喜んでもらえるお花ですが、特におすすめのシーンを二つご紹介します。

誕生祝い

一つ目は「誕生祝いとして贈る」です。ご紹介したようにコデマリは4月24日の誕生花です。前述したようにこの誕生日の人は、その性格からきっと上手な気配りであなたをサポートしてくれているはずです。コデマリをプレゼントして日頃の感謝を伝えれば、とても喜んでもらえることでしょう。この日の誕生花であることや「優雅」「上品」という花言葉であることも伝えれば、気の利いた贈り物になりますよ。

入園・入学祝い

二つ目は「入園・入学祝いとして贈る」です。コデマリは4月に花の最盛期を迎えるので、季節的に入園や入学のお祝いとして贈るのに最適です。可憐で清々しい印象のコデマリは、新たな生活や出会いに胸ときめくシーンにこそ贈りたいお花といえます。「友情」「努力」という花言葉もピッタリです。この場合には植木として贈るよりも、花束に取り入れて贈るのがおすすめです。

まとめ

今回は、春を告げる花木『コデマリ』についてご紹介しました。和風庭園にも洋風ガーデンにも調和し、清楚な雰囲気が人気のコデマリ。低木なので地植えにするのが一般的ですが、若いうちは鉢植えで楽しむこともできます。また、剪定した枝を生け花にしたり、花瓶に挿したりして飾っても素敵ですよ。

そして、素敵な花言葉を持つコデマリはギフトにも最適。誕生祝いや入園・入学祝いをはじめ、さまざまなシーンでプレゼントしてみてくださいね。