豆知識

ラ・メールコラム > 豆知識 > 秋の七草の覚え方は?春の七草との違いも詳しく解説

秋の七草の覚え方は?春の七草との違いも詳しく解説

「秋の七草」は、秋を代表する植物をまとめたものです。

万葉集の時代から始まる歴史深いものですが、具体的にどのような植物を指すのか、どのようなシーンで用いられているのか、よくわからないという方も多いでしょう。

そこで本記事では、秋の七草についての基本知識を解説します。七草に挙げられる植物の覚え方や概要、春の七草との違いなどを見ていきましょう。

また、秋の七草を活かしたフラワーギフトなどについても紹介します。

秋の七草の覚え方4選

秋の七草は秋に愛でられる7種類の植物のことですが、「7種類もあるとなかなか覚えられない」という方もいるでしょう。

そんなときに便利なのが、語呂合わせやリズムに合わせて覚える方法。次に紹介する覚え方は覚えやすく、よく使われているものです。

  • 「ハスキーなお袋」で覚える
  • 「おすきな服は」で覚える
  • 「大きな袴はく」で覚える
  • 五・七・五調で覚える

自分にとってどの覚え方が最も覚えやすいか、確認してみてくださいね。

 

「ハスキーなお袋」で覚える

秋の七草を覚えるための語呂合わせで有名なのは「ハスキーなお袋」です。

  • 「は(ハギ)」
  • 「す(ススキ)」
  • 「きー(キキョウ)」
  • 「な(ナデシコ)」
  • 「お(オミナエシ)」
  • 「ふ(フジバカマ)」
  • 「く(クズ)」
  • 「ろ(語呂合わせのための文字)」

と植物の頭文字が並んでいます。キャッチーな言葉なので印象に残りやすいですね。

「おすきな服は」で覚える

「おすきな服は」という語呂合わせで覚える方法もあります。

  • 「お(オミナエシ)」
  • 「す(ススキ)」
  • 「き(キキョウ)」
  • 「な(ナデシコ)」
  • 「ふ(フジバカマ)」
  • 「く(クズ)」
  • 「は(ハギ)」

と、こちらも頭文字をアナグラムにした言葉です。七草と同じ7文字なので、人によってはこちらの方が覚えやすいかもしれません。

「大きな袴はく」で覚える

「大きな袴はく」という語呂合わせも存在します。

具体的には以下の通りです。

  • 「お(オミナエシ)」
  • 「お(オバナ※ススキの別称)」
  • 「き(キキョウ)」
  • 「な(ナデシコ)」
  • 「はかま(フジバカマ)」
  • 「は(ハギ)」
  • 「く(クズ)」

自然な文章で、語呂合わせのフレーズとしてはかなり覚えやすいでしょう。ただし、頭文字でない文字をあてはめている植物もあるので、語呂合わせの文字がどの植物を指すのかは、気を付けて覚える必要があります。

五・七・五調で覚える

秋の七草は、五・七・五調で覚える方法もポピュラーです。

例えば、万葉集には「萩の花 尾花 葛花 撫子の花 女郎花 また藤袴 朝貌の花」という、山上憶良が秋の七草を詠んだ首があります(朝貌は桔梗を意味します)。

また、「ハギ・キキョウ、クズ・フジバカマ、オミナエシ、オバナ・ナデシコ」と五・七・五のリズムで区切る方法も。日本ならではの文化で秋の七草を覚えられるなんて、とても風流ですよね。

秋の七草の由来

秋の七草の由来は、実は語呂合わせの項目で紹介した、万葉集における山上憶良の首だと言われています。

「秋の野に 咲きたる花を 指折り かき数ふれば 七種の花(秋の野原に咲いている花を指を折りながら数えてみると7種類ある)」という首で始まり、先ほどの植物の名前を並べた首につながります。

秋の七草が見られる時期

秋の七草が見られるのは、8月下旬頃から11月頃までです。

暦においては「立秋(毎年8月7日〜22日頃の間の2日間)」を境に秋が始まるとされています。秋の七草の姿を鑑賞できるようになるのは、まさに暦の秋がスタートしたあたりからということになります。

8月下旬頃から11月頃は、秋の七草を探しながらお散歩してみるのも素敵ですね。

秋の七草はどんな植物?まとめて紹介

それでは、秋の七草がどんな植物なのか、ひとつずつ見ていきましょう。

秋の七草の種類は非常に多様で、草・花・木とバリエーション豊かです。中には普段あまり慣れ親しみのない植物もあるかもしれませんが、秋の七草は元々、どれも日本全国に幅広く分布しているものです(一部は現在数が減少し、絶滅危惧種などに指定されています)。

秋の七草への興味をきっかけに、ぜひ身近な草花に秋の七草がまぎれていないかチェックしてみてください。

ハギ

ハギ(萩)は、紫や白の小さな花をつけるマメ科の落葉低木。七草に数えられていますが、樹木です。7〜9月頃に蝶に似た形の花が枝に密集して咲き、花の重みで垂れ下がります。

萩は日本で古くから親しまれてきた花であり、秋の七草についての首が収録されている万葉集には、100を超える萩関連の首があります。

なお、秋のお彼岸の際に作られる和菓子「おはぎ」は、この萩にちなんで名づけられたもの。餅を包むつぶあんの表面が、散った萩の花びらに似ていることからこの名になったとも言われています。「秋」の文字を名前に有する、まさに秋を代表する植物です。

ススキ

ススキ(薄)は、山・森・平野など幅広い場所で見られるイネ科の植物です。

9〜10月頃に見頃を迎えます。まるでホウキのような形の穂先が特徴的で、実際にススキを集めて束ね、ホウキとして使う例もあります。また先述している通り、尾花と呼ばれることもあります。これは、毛が生えたような穂先が、動物のしっぽに似ていることにちなんだものです。

ススキもまた日本における秋の植物の代表格。秋の野原と言えば、多くのススキが揺れる景色をイメージする人も多いでしょう。ススキは古くから神様の依代になる植物と考えられており、また切り口がするどいことから魔除けにも用いられてきました。

お月見の場面でお団子とともにススキがお供えされるのが定番ですが、これはススキによって災厄を払うためです。

ナデシコ

ナデシコ(撫子)は、6〜9月頃に山や野に咲く多年草です。ナデシコの中にはさまざまな種類があり、中国から伝わった「唐撫子」や日本に元々自生する「川原撫子」などの区別をしています。

秋の七草で挙げられるナデシコは、川原撫子のことです。

淡いピンク色の花は、花びらの先が羽根のように細かく分かれており、とても可憐な雰囲気です。日本では控えめで上品な女性を「大和撫子」と表現しますが、大和撫子は元々、日本で古くから生息する川原撫子の別名でした。なお、そのかわいらしい見た目や、「子」の文字を含む名前から、女性や子どもの例えとして使われることもあります。

クズ

クズ(葛)は、マメ科の蔓性多年草です。これも身近によく見られる植物で、8〜9月頃に藤に似た紫色の花が咲きます。日本古来の山の民であった「国栖人(くずびと)」が多用したことから、クズの名が付いたと言われています。

基本的に観賞用とされている秋の七草ですが、クズは根から作られる葛粉がさまざまな和菓子などに使用されています。

また、葉や花も食べられる他、つるは編んでカゴなどに加工することも可能です。丸ごと活用できる便利な植物としても長く親しまれてきました。

オミナエシ

オミナエシ(女郎花)は、7〜10月頃に山や草原に多く咲くスイカズラ科の植物です。小さな黄色い花をいくつもつける姿がとても美しく、「おみな(古語で女の意味)」を「えし(古語で圧倒する意味)」するほどの花として、この名が付けられたと言われています。

また、形がよく似た植物に「オトコエシ(男郎花)」というものがあり、こちらよりさらにやわらかな雰囲気があることから、対としてオミナエシと名づけられた説も。さらに、女性がよく食べた粟飯に花が似ていたため、「おんなめし」が転じて名前になったという説もあります。

さまざまな謂れを持つオミナエシは、日本の有名古典作品「源氏物語」でも、登場人物たちが気持ちを伝え合う場面でたびたび登場しています。

フジバカマ

フジバカマ(藤袴)は、8〜9月頃に花が咲くキク科の植物です。

花の形が袴に似ていることが名前の由来。茎の先端に小さな藤色の花が数多くつきます。中国原産で日本には奈良時代頃に伝わったと言われていましたが、現在は京都古来の自生種があると考えられています。

その歴史は非常に古く、日本書紀内には「蘭」という言葉でフジバカマの記載があります。なお、フジバカマは準絶滅危惧種に指定されており、現在は希少な植物です。1度は絶滅したと思われたものの、1998年に京都の大原野で野生種が発見され、保全・育成活動が行われているところです。

キキョウ

キキョウ(桔梗)は山野でよく見られるキキョウ科の植物です。花が咲くのは6〜10月頃。万葉集ではアサガオと書かれていますが、ヒルガオ科の朝顔のことではなく、キキョウを意味すると言われています(平安時代に中国から現代のアサガオが伝わった後、それまでアサガオと呼ばれていたものが区別されキキョウと名付けられたものです)。

美しい青紫色の花は、ぷっくりふくらんだつぼみの形や、開いたときの星型など、個性的な魅力にあふれており、その凛とした雰囲気が人気です。なお、キキョウも野生のものは現在絶滅危惧種に指定されており、道端で自然に生えている姿を見かけることはほとんどありません。

春の七草との違い

「春の七草」は多くの人が知っているでしょう。

秋の七草と対のような存在として扱われることもあります。似た言葉なので、同じようなものだろうかとイメージする人も多いかもしれません。

しかし、秋の七草と春の七草には明確な違いがあります。ここからは、秋の七草と春の七草の相違点を見ていきましょう。

秋の七草は食べない

秋の七草と春の七草の決定的な違い、それは「秋の七草は食べない」ことです。

春の七草は7種類の野草(セリ・ナズナ・ゴギョウ・ハコベラ・ホトケノザ・スズナ・スズシロ)をお粥に入れて食べる風習です。

中国は唐の時代、7種類の野菜(七種菜羹)入りの汁物を食べて無謀息災を願う人日(じんじつ)の節句の風習に由来するもので、日本でもお粥に入れて食べるとその1年健康でいられると言われています。

一方、秋の七草の場合は、その美しさを愛でることが主旨です。薬草として使用されることなどもありますが、基本的には食用ではなく鑑賞用の目的とされており、この点が秋の七草と春の七草で大きく異なります。

「秋の七草の日」はない

もう1つの違いは「秋の七草の日」はないことです。

春の七草は前項の由来でふれた「人日(じんじつ)の節句」が1月7日であることから、日本でも1月7日が「春の七草の日」とされています。

しかし、秋の七草の日は特別に設けられていません。秋の七草と春の七草、セットで存在しているかのように似た言葉ですが、7種類の植物を連ねていること以外は、多くの違いがあると言えます。

秋の七草の楽しみ方

改めてになりますが、秋の七草は食用ではなく観賞用です。

秋の訪れとともに、その美しく雅な姿を見て季節を感じましょう。

ここでは、秋の七草の楽しみ方の例をご紹介します。

十五夜・十三夜に飾って楽しむ

秋の七草の楽しみ方として一般的なのは、十五夜・十三夜に飾って楽しむものです。

十五夜は1年で最も美しい満月とされる「中秋の名月」を愛でながら、収穫への願いを込める行事。

中国の風習に由来し、旧歴の8月15日(現在の暦で9月中旬〜10月初旬)に行われます。十三夜は月の神様に豊作を感謝する行事です。日本で平安時代に行われた月見の宴に由来すると言われており、こちらは旧歴の9月13日(現在の暦で10〜11月頃)にあたります。

十五夜や十三夜に飾るものの定番がススキやお団子。秋の豊作を願う・感謝する行事なので、秋の自然や秋の味覚を飾り付けると行事の雰囲気とよく合います。美しい月と美しい秋の七草のコラボは季節の魅力にあふれた素敵な景色になるはずです。ぜひ写真に納めてみましょう。

秋生まれの方の誕生日に贈って楽しむ

自分の誕生日にまつわるプレゼントは、自分のことをよく考えてくれているように感じられ、嬉しいものです。秋生まれの方の誕生日に、秋の七草を贈るのも素敵でしょう。

例えば秋の七草を使ったフラワーギフトを贈るのも素敵です。

秋らしさと和の趣たっぷりの贈り物は、他にはあまりない個性もプラスできます。秋の誕生日を意識した秋の草花のギフトは、きっと相手にとても喜んでもらえるでしょう。

秋の七草で季節のお花の贈り物を

それでは、秋の七草を使ったお花の贈り物アイディアを見ていきましょう。

秋生まれの方への誕生日プレゼントの他、秋に記念日を向かえる方、秋にお祝い事がある方など、さまざまなシーンでのフラワーギフトにぴったりです。

中には普段あまり見かけない草花もあるため、会話が弾むきっかけにもなるかもしれません。

秋の花束

秋の七草を使ったフラワーギフトとして、まずおすすめなのが花束です。

花束は贈り物の定番のひとつ。使う花やテーマにする色などによって、さまざまな印象に仕上がります。

秋の七草を使えば、美しく上品な花束になるでしょう。また、花束は予算に合わせて用意しやすいこともポイントです。

秋のフラワーアレンジメント

秋の七草を使ったフラワーアレンジメントもおすすめ。フラワーアレンジメントはバスケットなどに花を活けたフラワーギフトです。受け取った相手が花瓶に花を移し替えることなくそのまま置いて飾れるので、手間がかからず便利であるというメリットがあります。

秋の七草を使ったアレンジメントであれば和の雰囲気があるので、和室などに飾っても映えるでしょう。

秋のプリザーブドフラワー

ずっと枯れないフラワーギフトを贈りたい場合は、プリザーブドフラワーがおすすめです。プリザーブドフラワーとは水分を抜き特殊な加工を行うことで、咲いている状態そのままの姿を保たせたもの。生花のような美しさをずっと楽しめることが最大の魅力です。

他のフラワーギフトと比較するとやや高額ですが、お世話の必要も枯れる心配もなく、きれいな花を鑑賞し続けられるのでコスパもよいと言えるでしょう。

秋のお花の贈り物は通販がおすすめ

秋のお花の贈り物を大切な人に届けたいときは、通販での手配がおすすめです。

お花の通販は、店頭まで足を運ばずとも商品を購入できることが大きな魅力。忙しくてなかなか時間がつくれない方でも、ネットからいつでも注文可能です。自宅でのちょっとした隙間時間などに、気軽にお花選びができますよ。

フラワーギフトラボはフラワーギフト専門のショップで、ウェブサイトから簡単にお花を購入することが可能です。

スタンド花やフラワーアレンジメント、花束などさまざまな種類のギフトを取り扱っています。豊富なラインナップの中から、きっと素敵な秋のお花の贈り物を選べるでしょう。

全国の幅広いエリアに配送可能で、多様な地域から利用できます。

まとめ

秋の七草は、秋ならではの草花の代表格を集めたものと言えます。美しさの中に、秋の風情や和の情緒をたたえた秋の七草を知ることで、秋をまた違う角度から楽しめるでしょう。

また、秋の七草はフラワーギフトにアレンジすることも可能です。季節感あふれるお花の贈り物は、受け取った相手をきっと喜ばせられるはず。

自分で鑑賞して楽しむのはもちろん、その美しさを大切な人へのプレゼントにもできる秋の七草。この記事を参考に、ぜひ秋の七草を探しながら歩いてみてください。