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カラーの花言葉は怖い?色別の花言葉や育て方まで徹底解説

カラーは南アフリカ原産のサトイモ科の花であり、仏炎苞というくるんと巻いた葉が花のように見える独特の形をしていることで知られています。

和名では、「オランダカイウ」と呼ばれており、基本の色は白で6月などの初夏の季節に花屋に並ぶことが多いです。

爽やかで凛としており、清純な白い色がウェディングシーンでもよく映えるため、長年人気の花です。

この記事では、カラーの花言葉や育て方、贈る際のおすすめなシーンなどを解説します。

カラーの色別の花言葉

カラー全般の花言葉は「華麗なる美」「乙女のしとやかさ」「清浄」です。

そのなかの「華麗なる美」は、カラーの語源がギリシャ語の「カロス(美)」から来ていることに由来しています。

また、英語による花言葉も、そのまま「magnificent beauty(華麗なる美)」です。

そのほかの「乙女のしとやかさ」という花言葉は、カラーが西洋ではキリスト教に結び付けられて考えられることが多く、聖母マリアとの関連からついたという説があります。

「清浄」という花言葉には、白いカラーが与える清らかなイメージそのものからついたと考えられています。

下記では、カラーの色別の花言葉をご紹介するので、プレゼントする際の参考にしてみてください。

 

白色のカラーの花言葉

白色のカラーの花言葉は「清純」「清浄」です。

その真っ白な花の色や先が少し丸まった形がドレスに似ていることから、ウェディングのシーンでよく利用されています。

この花言葉はカラーの花の色や形、佇まいが清純で清浄な花嫁の姿を連想させることからついたと考えられています。

また、白色のカラーの多くは湿地性という水辺に咲いているカラーの品種が多く、瑞々しく清らかな白いカラーによく似合う花言葉といえるでしょう。

 

オレンジ色のカラーの花言葉

オレンジ色のカラーの花言葉は「熱血」「歓喜」です。

オレンジは世界のさまざまな文化圏で喜びを表す色だとされています。

清楚な印象やモダンな印象が強いカラーですが、オレンジ色のカラーは一味違った明るさや活気を感じさせます。

オレンジ色のカラーはビビットなオレンジというよりは茶色寄りのものや、黄みがかったオレンジ色のものが多いです。

そのため、喜び溢れるお祝いのシーンの花束や、ビタミンカラーで揃えたアレンジなどにおすすめといえるでしょう。

 

ピンク色のカラーの花言葉

ピンク色のカラーの花言葉は「情熱」です。

一口にピンクといっても濃淡さまざまなものが存在し、淡いピンク色のカラーは非常に優雅でロマンティックな印象を与えられます。

一方、濃いピンク色のカラーは赤い薔薇などとも相性が良く、花束などで組み合わされます。

そうした花束に「情熱」という花言葉を添えて、熱愛中の恋人に贈るのがぴったりだといえるでしょう。

 

紫色のカラーの花言葉

紫色のカラーの花言葉は「夢見る美しさ」です。

艶のある紫色が少し縁が丸まった様子や美しい曲線を描くカラーの形と重なると妖艶な印象になります。

紫色のカラーは、海外では「魅力」や「情熱」という花言葉を持っており、こちらもうっとりするような美しさから連想される言葉です。

 

黄色カラーの花言葉

黄色のカラーの花言葉は「壮大な美」です。

純白の清楚なカラーに比べると力強く、伸びやかな印象があります。

黄色のカラーにも、レモン色のような色調の明るいものやパステルイエローに近いもの、グリーンがうっすらと混じったものなど、さまざまな色味が存在します。

そのなかでも、特にゴールドと名前がついているような深く鮮やかな黄色のカラーは、まさしく「壮大な美」にぴったりの印象があるでしょう。

たくさんの色があるカラーのなかでも、花束や花壇に華やかさを加えてくれる黄色のカラーは非常に人気です。

 

黒色カラーの花言葉

黒色のカラーの花言葉は「贅沢な美」です。

カラーは近年品種改良が進み、花色がとても豊富なカラーには珍しい黒色も存在します。

カラーの形や凛とした立ち姿の佇まいも相まって、黒色のカラーは非常に高貴でゴージャスな印象があります。

元々、黒色は豪華さや豊かさを連想させる色であり、特に海外ではVIPなどを表す際は黒色が用いられることが多いです。

そうしたイメージから黒色のカラーにはこうした花言葉がついていることが考えられます。

 

カラーの花言葉に怖い意味はある?

結論からいうと、カラーの花言葉には怖さを連想させるような言葉はついていません。

どの色のカラーの花言葉もポジティブな意味を持ち、プレゼントとして贈るのにも適しているものばかりです。

しかし、カラーの葉や茎、根っこには不溶性シュウ酸カルシウムという毒性があり、汁液が肌に触れてしまうとかぶれや痒みが引き起こされてしまう可能性があります。

また、誤って口に入れてしまうと嘔吐や炎症が引き起こされてしまうことがあるため、注意が必要です。

カラーはこのように毒性を持っているため、「怖い花言葉があるのではないか」と勘違いされてしまうのかもしれません。

 

カラーの基本情報

カラーの基本情報は以下の通りです。

科・属 サトイモ科・オランダカイウ属
和名 オランダカイウ属
英名 Calla
学名 Zantedeschia
開花時期 6月~7月
原産地 南アフリカ

 

下記では、カラーの名前の由来や特徴を具体的に解説します。

 

カラーの名前の由来

上述した通り、カラーはギリシャ語の「カロス(kallos)」という「美」や「美しい」を意味する言葉が名前の由来だといわれています。

また、白い仏炎苞が修道服の襟を意味する「カラー(Collar)」のように見えるため、この名前がつけられたという説もあります。

学名の「Zantedeschia」は、イタリアの植物学者である「ザンテデスキ」の名前からつきました。

カラーの原産地はオランダではありませんが、江戸時代にオランダ船から貿易によって持ち込まれたため、「オランダカイウ属」という名前がついています。

 

カラーの特徴

カラーは、サトイモ科オランダカイウ属(ザンテデスキア属)の球根植物であり、南アフリカに8種が分布し、その内1種が湿った土地で育つ湿地性と呼ばれている種です。

英語では花がユリのように白いため、「カラー・リリー(Calla lily)」とも呼ばれることがあります。

6~7月の初夏に花をつけ、草丈30cm~100cmにまで成長する多年草です。

カラーはラッパのようにくるりと巻いた形が印象的ですが、これは花びらではなく、草の一部で仏炎苞(ぶつえんほう)と呼ばれています。

冬に地上部が枯れても春になるとまた花をつけることから、西洋ではキリストの復活を連想させる花だともされています。

穢れのない白く清らかな佇まいも、宗教的な意味を託される所以になったのかもしれません。

 

カラーはいつの誕生花?

カラーの色別の誕生花は以下の通りです。

全体 4月2日、5月22日、5月31日、6月17日、6月27日、7月26日、11月2日、11月26日、12月5日、12月15日など
白色 2月19日、5月14日、5月23日、7月5日
黄色 5月5日、7月28日
ピンク色 6月19日、7月28日、10月31日
紫色 10月28日、11月21日

 

カラーには全体をはじめ、色別での誕生花が非常に多くあります。

そのため、誕生日の人へのプレゼントとして活用しやすいといえます。

贈る相手のイメージや特徴に合わせて、花言葉と花の色を選んで贈ることでより喜んでもらえることでしょう。

 

カラーの育て方

カラーには、主に「畑地性」と「湿地性」の2種類があります。

畑地性は近年、品種改良が盛んに行われており、豊富なカラーと退色しにくく長期間楽しめる種類が多く出回っています。

畑地性であればやや乾いた土壌でも育ちますが、高温多湿が苦手であり、冬の寒さに関しても注意が必要です。

一方、湿地性を育てる場合は湿った土地や環境が必要ですが、耐寒性が高いため、冬の寒さなどにも比較的耐えることができ、育てるのはそれほど難しくはありません。

下記では、畑地性と湿地性の両方の育て方について具体的にご紹介します。

 

用土・肥料

畑地性の場合は多湿を苦手としているため、水はけの良い土が適しています。

肥料はゆっくり効果が効いていくタイプのものを選び、追肥は4~6月の期間に月1回のペースで固形の肥料を与えます。

 

湿地性の場合は水もちの良い土を使います。

乾いた土だと上手く育たず、花が咲かないかもしれません。

庭植えで育てる場合は、あらかじめ植える場所を耕しておき、腐葉土や元肥をよく混ぜて土壌をつくります。

鉢植えの場合は、市販の草花用培養土で問題なく育ちます。

なお、湿地性の肥料の場合も畑地性同様に、ゆっくりと効いてくるタイプの肥料を使用しましょう。

 

置き場所

畑地性の場合は、日当たりの良い場所で育てます。

夏の場合は直射日光を避け、半日陰に移動します。

夏の場合でもある程度の日当たりは必要であり、ずっと日陰の場所に置くと花が咲かなくなる可能性があるため、半日陰の場所を確保しましょう。

 

湿地性の場合も同様に、日当たりの良い場所で育つため、十分にスペースを確保できる環境を整えましょう。

原種の育つ水辺や湿地などに近い環境・場所が最も適しています。

そのため、庭や花壇などで育てる場合も湿り気のある土地で育てることができます。

ただし、畑地性と同じく夏場の日差しは良くないため、直射日光を避けるように日除けネットなどで工夫することが大切です。

 

水やり

畑地性の場合、春~秋の生育期であれば土が乾いたら水をたっぷりあげます。

ただし、多湿に弱くあげすぎてしまうと球根が腐ってしまうため、注意してください。

秋以降になったら徐々に水やりの回数を減らし、冬は休眠期のため、水やりをしないようにします。

 

湿地性の場合は、少し湿っている土を好むため、土が乾いてきたらたっぷりと水をあげます。

その際、葉や花、茎に水がかかってしまうと傷んでしまう可能性があるため、水をあげるときは根元に水やりをします。

地植えの場合は湿った土地であるならそれほど水やりは必要ありません。

 

植え付け・植え替え

カラーは畑地性と湿地性に共通していえますが、同じ場所で育ててしまうと徐々に育ちが悪くなってしまう性質を持っています。

そのため、2~4年程度に1回、3~4月の暖かくなる時期に植え替えを行うと良いでしょう。

その際、球根の植え付けも行うことが可能ですが、球根は比較的病気にかかりやすいため、殺菌剤を球根にかけてから植え付けを行うことをおすすめします。

涼しい時期に十分に生育をさせることをあらかじめ目標や計画を立ててから行うようにしましょう。

 

剪定

剪定も畑地性と湿地性に共通で、枯れた葉はこまめに取り除き、風通しを良くして蒸れないようにします。

ただし、カラーは球根が葉から養分を吸収しているため、あまり早く葉を摘みすぎると球根に栄養が行かなくなってしまう可能性があります。

そのため、葉は切らずに自然に枯れるまで待ち、黄色くなったり完全に枯れたりしたら取り除くようにしましょう。

花が咲き終わったら花茎を元からカットします。

花を摘むことで球根へ栄養がいきやすくなり、球根を大きく成長させることができます。

 

夏の管理方法

畑地性の場合は多湿に弱いため、鉢植えであれば夏が来る前にある梅雨の雨を避けるよう、雨の当たらない場所へ移動させます。

夏場では風通しの良い涼しい場所、直射日光の当たらない場所へ移動させます。

地植えの場合は、夏に半日陰になる場所に植えるようにしましょう。

日陰にならない場合や日光が気になる場合は遮光ネットなどで日陰をつくるのも1つの手です。

 

湿地性の場合は、腰水栽培をしていると球根が腐りやすいため、涼しい場所へ移動させます。

温度があがりすぎてしまう場合は腰水栽培を止めて管理するようにしましょう。

 

冬の管理方法

畑地性の場合は、冬場の水やりを止めます。

鉢植えの場合で東京などの比較的暖かい地域なら外でも越冬も可能ですが、霜が降りるなどで球根が凍ってしまう場合は室内へ入れます。

寒くなってきたら室内へ鉢植えを入れることを意識すると良いでしょう。

庭植えの場合、暖かい地域であれば外で冬越しすることも可能ですが、それ以外の地域では、秋頃に葉が枯れたタイミングで掘りあげを行い、凍結の心配がない場所で球根を保管します。

 

湿地性で鉢植えの場合、腰水栽培をしていると凍結しやすいため、凍結の心配がある場合は室内に入れます。

庭植えの場合は土壌が凍ることがなければそのまま冬越しが可能です。

凍結が心配の場合は掘りあげて球根を保管し、春になったら再度植えます。

 

増やし方

畑地性の場合は分球で増やすことができます。

球根のくびれた部分をカットしますが、割れやすくなっていて簡単に割れるところで行うのがポイントです。

無理やり割ったり、小さく割りすぎたりすると育ちが悪くなるため、毎年行わないように注意してください。

 

湿地性の場合も分球で増やすことができます。

球根を切り分けて行いますが、こちらも小さくしてしまうと育ちが悪くなるため、注意が必要です。

 

注意すべき病害虫

カラーが注意すべき病気は、畑地性と湿地性とともに軟腐病です。

また、害虫としてはアブラムシなどが挙げられます。

下記では、具体的に解説します。

 

害虫

カラーにはアブラムシが発生しやすいです。

また、秋にアリなどが運んでくるワタアブラムシも発生する可能性があります。

そういった害虫は、花や葉の内側や裏側など、見えにくいところにつきます。

そのままにしてしまうと、ほかの病気を誘発する原因ともなるため、早めに対処することが肝心です。

もし、発生してしまったら市販の殺虫剤で駆除するか、セロテープやガムテープで取り除くと良いでしょう。

 

病気

カラーがかかりやすい病気として軟腐病が挙げられます。

葉が萎れはじめ、球根がドロドロに溶けてなくなってしまう厄介であり、高温の時期に発生する恐れがある病気です。

土から感染するため、清潔な新しい土や新品の鉢を使用するようにしましょう。

植え付けの際にも球根が濡れないように注意してください。

品種によって軟腐病への罹りやすさ、抵抗力には差があるため、購入の際に情報を仕入れると良いでしょう。

 

カラーを贈るのにおすすめのシーン

カラーは切り花として非常に人気のある花です。

一般的な花束やフラワーアレンジメントとしてはもちろんのこと、ウェディングシーンでの利用や男性への贈りもの、個展や展示会へのお祝いのお花などで贈ると良いでしょう。

ここでは、おすすめのシーンについて具体的に解説します。

 

ウェディングシーン

モダンでおしゃれに仕上がることから、最新のウェディングブーケでも非常に人気です。

そのなかでもカラーの特性を活かし、茎の長さをそのまま利用する縦長のアームブーケなどが人気を得ています。

ウェディングにぴったりの白のカラーを白い薔薇といったホワイト系でコーディネートするフラワーアレンジメントのほか、ピンクのカラーを赤い薔薇と合わせたり、黒や茶などのシックな色合いのカラーをあえて利用したりなど、多様な方法で活用されています。

また、ウェディングパーティーなどの会場コーディネートにはもちろん、ウェディングギフトとして贈る花束などにもおすすめです。

 

男性への贈りもの

カラーはすっきりとモダンな印象があるため、男性への贈りものにもおすすめです。

ブルーやパープルなど、爽やかで落ち着いた色の花束に白いカラーを刺し色として加えるとクールな雰囲気になります。

その際、リボンも同系色のものでまとめると良いでしょう。

 

個展や展示会のお祝い

スタイリッシュなカラーはセンスを問われる個展や展示会へのお祝いにもおすすめです。

生花のアレンジメントで贈ったり、スタンド花として取り入れるのも良いでしょう。

カラーはドライフラワーにするのに時間がかかるといわれていますが、きちんとした製法で行えば比較的簡単にドライフラワーになり、ドライフラワーアレンジメントとして贈ることもできます。

ただし、個展や展示会などにお花を贈る場合は、スペースの関係や主催者側の意向でフラワーギフトを贈ること自体が禁止されている場合もあるため、事前に確認しておくと良いでしょう。

 

まとめ

カラーには畑地性を中心にさまざまな色味がどんどん誕生しています。

さまざまなテイストへと変化がつけられるため、花束やフラワーアレンジメントでも大活躍の花です。

そのなかでも非常に盛んなのがウェディングシーンで使用されることであり、真っ白なカラーは昔からウェディングシーンで大人気です。

そのほかにも、すっきりとした印象があるため、男性への贈りものとしても向いています。

カラーを使用して素敵なアレンジメントをつくり、大切な人へ贈ってみてはいかがでしょうか。