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秋分の日におすすめの花は?お彼岸のお供えする花と合わせて解説

カレンダーなどに書いてある秋分の日は、実は祝日に定められる以前は秋季皇霊祭という宮中の先祖の霊を祀る日であり、祭日とされていました。現在でも秋のお彼岸にあたり、お墓参りに行く習慣も残っています。

本記事では、そんな秋分の日に飾るおすすめの花についてやお彼岸のお供えするお花と合わせて解説していきます。タブーも交えて説明していくので、ぜひ最後までご覧ください。

秋分の日とは

秋分の日とは国で定められた祝日の一つです。何のための祝日か、というと「祖先をうやまい、亡くなった人々をしのぶ」という目的が定められています。さらに、秋分の日は太陽が真東から上がって真西へ沈むため、昼の明るい時間と夜の暗い時間がほぼ同じになり、昼が長かった夏が終わって段々と日が短くなって秋へと向かい始める日です。

春分の日との違い 

秋分の日も春分の日も太陽が真東から上がり真西へ沈むため、昼夜が同じ時間になるのは同じです。秋分の日と春分の日の大きな違いは季節にあります。秋分の日は夏の間長かった昼が秋分の日を境に冬至に向かって短くなっていく、秋から冬への始まりの日です。

春分の日は、冬の間短かった昼が春分の日を境に夏至に向かって長くなっていきます。つまり、春から夏への始まりの日です。秋が始まり冬へ向かう秋分の日と、春が始まり夏へ向かう春分の日は季節の分かれ目という点では同じですが、季節が違うため間違えないようにしましょう。

ちなみに春分の日は、「春分にあたり自然をたたえ、生物をいつくしむ日」という目的が定められています。

秋分の日の決め方

秋分の日は日にちや曜日で決まっているわけではなく、毎年変わります。秋分の日の決め方は、国立天文台が定めた日付を前年の2月1日に政府が発表します。

太陽の通り道である黄道と、地球の赤道を延長した線が交わる2ヶ所の点を、それぞれ秋分点、春分点といいます。秋分点、春分点の上を太陽が通過する瞬間を秋分、春分と呼び、この秋分が含まれる日が秋分の日とされるのです。

地球が太陽の周りを一周するのにかかる時間はきっかり365日ではありません。多少のズレが生じるので、毎年国立天文台が観測し、毎年の秋分の日を定めています。

秋分の日に飾るのにおすすめの花

秋分の日は国民の祝日というだけでなく、ご先祖様方への感謝を伝える日でした。秋のお彼岸としてお墓参りに行き、ご先祖様への感謝をしっかりしましょう。次は、そんな秋分の日に飾るのにおすすめの花を紹介させていただきます。

ススキ

ススキは日本の秋を代表するイネ科の多年草です。中秋の名月にもススキを飾るのが習わしとなっている他、秋の七草の一つである尾花(オバナ)とはススキのことです。お月見にも飾られるススキは、まさに秋を代表する植物です。ススキだけを花瓶に飾っても良し、他の植物と合わせて飾っても秋の風情を感じさせてくれます。

ホトトギス

ホトトギスの大きな特徴は、花弁に浮かぶ紫色のまだら模様です。この模様が鳥のホトトギスの胸の模様と似ていることからこの名がつけられました。

また、一部の品種では、若葉に油を垂らしたような模様が現れることから「油点草」という別名を持っています。開花時期は7~10月で、秋分の日から秋にかけてきれいな花を咲かせてくれるので、秋分の日に飾るのにピッタリです。

シュウメイギク

シュウメイギクは、秋に白やピンクの花が開花するキンポウゲ科の宿根草です。名前にキクとありますが、菊の仲間ではありません。秋の風情のあるシュウメイギクは欧米ではボーダーガーデンや日本風のガーデンには欠かせない植物となっています。

宿根草は年々大株になるので、秋になるとたくさんの花を咲かせてくれます。優し気な花なので秋の風情を感じながら癒されたいときに飾るととても良さそうです。

キンモクセイ

キンモクセイは秋に甘い香りを漂わせながらオレンジ色の小花が開花するモクセイ科の常緑樹です。庭木としての他、公園や街路樹としても利用され、キンモクセイが漂わせる甘い香りは秋の訪れを感じさせます。オレンジ色の小花は日差しにあたると名前の通り金色に輝きとても美しく、秋の風物詩として広く知られています。優しい香りで目だけでなく香りも楽しめるおすすめの花です。

コスモス

コスモスは茎が細く、風に揺れるように咲くキク科の一年草です。秋空の中でそよそよと風に揺れながら咲くコスモスはとてもきれいで群生させると素晴らしい景色になります。

コスモスの花は多種多様で色はピンク、白、赤、黄色など豊富にあり、咲き方も八重咲や花弁が筒状になったストロー咲などもあるので楽しく飾ることができます。秋の花としてとても有名なコスモスは晩夏から咲き始め、寒くなるまで楽しめるので秋分の日に飾るのにおすすめです。

ムラサキシキブ(コムラサキ)

ムラサキシキブは、秋に実る紫の実が美しい日本に自生している落葉低木です。古くから山地の湿地や森林に自生し、葉の色は初秋の緑から、秋が深まってくると紫色に変化します。黄色く紅葉した葉と紫色の実との色合いがとても美しく、英名では「Japanese beautyberry」とも呼ばれているほどです。

実は葉が落葉した後もしばらくついていますが、冬に自然に落下します。ムラサキシキブの近縁である園芸種のコムラサキはムラサキシキブとよく似ていて、園芸店で販売されているのはコムラサキがほとんどです。

見分け方としてはムラサキシキブの実のつき方は枝にまばらにつくのに対して、コムラサキは枝に固まってびっしりと実ります。花丈もムラサキシキブは2〜3mでコムラサキは1〜2mと、コムラサキのほうがコンパクトで低めです。花屋で花材などで使われているのは、実がたわわについているコムラサキのほうが多いようです。

アメジストセージ

アメジストセージはメキシコから中米原産の観賞用のセージの一種です。とても丈夫で植えっぱなしでも年々大株になります。花は秋から開花し、大株になると紫色の長い花穂が株一面を覆うように咲き誇り、秋の庭を美しく彩ります。

色は白、ピンク、紫とあり、暑さにとても強く春に植え付けると一年目からたくさんの花が咲きますので、秋の庭に植えておきたい一株です。

オミナエシ

オミナエシは合弁花類オミナエシ科オミナエシ属の多年生植物です。秋の七草の一つで日本では古くから親しまれており、日本最古の和歌集である万葉集や最古の長編小説である源氏物語でも名が出てきています。

きれいな女性のたとえや十二単の色、庭に植えられた花として登場しています。真っ直ぐに伸びた茎の先に、たくさんの小さな黄色い花を咲かせるのが特徴です。茶花としても人気ですが、香りに特徴があるので苦手な方もいらっしゃるかもしれません。

萩(ハギ)

萩はヤマハギを始めとするマメ科ハギ属の総称で、秋の七草としても有名ですが、正確には草ではなく落葉低木です。萩は細く枝垂れる枝に白や赤紫の小さな花をたくさん咲かせるという特徴があります。

満開になると花の重みで枝がたわんでいるように見え、風にそよぐ姿には風情があります。見頃は9月頃で7月頃から咲き始めますが、暑いときは花数が減ります。気温が少しずつ下がり始めた9月頃に満開の見頃を迎えるので、秋分の日に飾る花におすすめです。

ダリア

ダリアは夏の終わりから秋にかけて花を咲かせるキク科の多年草です。根は球根になっており、少し変わった楕円形に近い細長い形をしています。ダリアは非常に品種が多く、草丈、咲き方、色のどれをとってもバリエーションが豊富で、切花としても人気です。

ダリアの美しさを巡り、ナポレオンの時代に争いが起こったという話があるほど美しい花として知られています。切花のダリアは通年多くの品種が出回っているので、お好みの花を選んで飾って楽しめます。

お彼岸にお供えするのに適した花

秋分の日は秋の始まりだけではなく、ご先祖様への感謝を伝える日です。秋分の日の意味を知り、正しく過ごすことで気持ちよく秋を迎えることができます。ここでは、秋のお彼岸ということで次はお彼岸にお供えするのに適した花をご紹介していこうと思います。

お彼岸とは亡くなった方を供養する期間です。正しく適した花を供え、ご先祖様などへの感謝を伝えましょう。

キク

菊はキク科キク属に属する一年草、または多年草の植物の総称です。原産国は中国で、平安時代に日本に伝わり江戸時代頃から盛んに品種改良され、昔から観賞用の花として親しまれています。

供花や仏花の定番で、菊は古来より「邪気を払う」とされ慶弔問わずさまざまな場面で使われており、花がとても日持ちするので長寿の象徴といわれています。

枯れるときに花びらが散らばりづらいというところも、お供えの花としておすすめされる点です。お供えとして贈る場合は、白や優しい淡い色を選ぶと良いでしょう。

ユリ

大きく開く艶やかな顔立ちで濃厚な香りも漂わせ、すらりとした茎に咲く印象的なユリは厳かな場面にふさわしい風格があり、花も長持ちする品種が多いのでご仏壇やお墓へのお供え花として重宝されています。

ヨーロッパにも十数種の原種が分布し、代表的なニワシロユリは別名マドンナリリーと呼ばれ、キリスト教の宗教絵画によく登場しており、白ユリは聖母マリアの純潔の象徴として描かれているほどです。

飾る場合はつぼみのユリが開き始めたら、すぐに花粉を取り除くと花粉が衣服や床につくのを防ぐだけでなく、花も長持ちするので花粉を取り除くことをおすすめします。

リンドウ

秋に咲く花の代表的な花として知られているリンドウはお墓参りの定番ともいわれています。リンドウの花色は、青、水色、紫、白、ピンクなど。中には白い花弁に紫がストライプ状に乗る複色もあります。直径2cmほどのベル形の花で、1輪に5〜6枚の花びらがつきます。花穂を立ち上げ、この小さな花が連なって咲くのが特徴です。

青や紫色の落ち着いた色合いは墓前に供えるのに適しており、花言葉の一つに「あなたの悲しみに寄り添う」というものがあり、墓参りにピッタリの花です。

ケイトウ

ヒコ科セロシア属のケイトウは漢字では鶏頭と書かれ、その名の通り鶏のトサカのような赤い花が特徴的です。色がカラフルで形がユニークですが日本での歴史は古く、奈良時代に日本へ渡来しています。

万葉集でも詠まれており、江戸時代では日本画でも登場して古くから日本人に親しまれている花です。夏の終わりから秋にかけて旬を迎え、お盆からお彼岸にかけて供花の定番になっています。

お彼岸にお供えするのにタブーとされている花の特徴 

お彼岸にお供えするのに適した花を紹介しました。夏から秋にかけて旬を迎える花が多く、品種や色なども豊富で墓前の色どりを豊かにしてくれます。次はタブーとされている花の特徴を紹介していきます。マナーをしっかり守り、感謝を伝えられるよう覚えていきましょう。

毒がある

お彼岸の頃によく目にする彼岸花などをお供えしようと思う方がいらっしゃるかも知れません。ですが、彼岸花やチューリップなど毒を持つ花は仏花としてふさわしくありません。

理由として、仏様に毒をお供えするという行為になってしまい、仏様に対して失礼にあたってしまいます。故人が穏やかに見守ってくれている仏壇に毒をお供えするのはあまりに非常識なので避けましょう。

トゲがある

トゲのある花は殺生を連想させてしまう他、贈られた遺族が手を切りケガをしてしまう危険性があります。そのため、仏壇に限らず葬祭の場では供えてはいけません。ですが、故人が好きだった花にトゲがある場合もあります。その場合はトゲを取り除き、遺族がいる場合は説明の上、許可をいただいてからお供えしましょう。

つるが伸びる

つるがある花は「故人がつるに絡まり、成仏ができない」ということを連想させてしまい、仏花には適していないとされています。また、贈る仏花として検討している場合は受け取り手の手間も考慮しましょう。つるがある花は切花になると水を吸い上げる力が弱まり枯れやすくなってしまいます。

手入れなどの手間が増えてしまうので、遺族が高齢者や多忙な方の場合は特に選ばないほうが良いでしょう。

香りが強い

香りの強い花は線香の香りを妨げてしまうため、仏壇に供える花としては不適切とされています。最近では時代の変化とともに「故人が好きだったから」「見た目が美しい」という理由から香りの強い花を供えるケースも増えております。

おすすめされているユリも実は香りの強い花として該当しております。霊園の中では虫が寄ってきてしまうという理由で禁止されているところもあります。遺族の方の中でも香りの強い花を良く思わない方もいるので、仏花として検討する場合はご遺族に事前に相談や霊園の規則などしっかり確認しましょう。

枯れるのが早い

すぐに枯れてしまう花は花粉や花びらが散りやすい花と同様に仏壇を汚してしまうため、好ましくないとされております。他にも花びらが変色してしまうなど、傷みやすい花も同様です。掃除や手入れなどの手間を考慮し、なるべく日持ちのする花を選ぶようにしましょう。

お彼岸の花を供える前の注意点

タブーという程ではないけど、なるべく避けたい花達も含め紹介させていただきました。ユリなどは香りも強く、花粉も多いため好ましくないとされておりますが、手入れをしっかりすれば花も長持ちし、美しく飾ることもできます。

ご遺族の方への確認や霊園の規則などしっかり守れば大丈夫な花もあるので、きちんと確認をしましょう。それでは最後に、花を供える前の注意点を解説しながら紹介します。

可能であればお花は前もって準備しておく

お墓参りする前に仏花などを購入してから向かおうと考える方も多いのではないでしょうか。お彼岸は祝日ということもあり、たくさんの方がお墓参りされるので混雑してしまうでしょう。

いざ購入しにいったら良い状態の花がないなんてことも珍しくありません。そんなときは通販などで購入すると安心ですし、花屋さんの通販サイトでお彼岸に合わせたフラワーアレンジメントなどしてくれるので、いつも見守ってくださるご先祖様へ感謝を伝えるためにプロに頼んでみるのもおすすめです。

花が日持ちするように工夫する

なるべく長持ちするようにしたいけど具体的にどうしたらいいのか分からないという方もいらっしゃると思います。簡単にできる方法をいくつか紹介します。

10円玉を水に入れて雑菌繁殖を抑える

毎日水を交換することが望ましいですが、忙しい方だと毎日は難しいでしょう。10円玉は銅でできているため、水の中に入れておくと銅イオンが溶け出し、雑菌の繁殖を抑えることが可能です。ピカピカに磨いた10円玉の方がより効果があるようなので、入れる際にはピカピカにして入れましょう。

風通しを良くして蒸れを防ぐ

湿度が高いときは、花瓶に生けられている花が蒸れやすくなります。お供えの花や花束、フラワーアレンジメントされた花も生きているので、呼吸しているのです。湿度が高くなると呼吸ができなくなり花の元気がなくなってしまい、蒸れによって細菌が繁殖しやすくなってしまいます。そのため、花瓶に花を生けた場合やフラワーアレンジメントをお供えしているときは、風通しを良くするように心がけましょう。

切り戻しをして水を吸いやすくする

植物が水を吸っている茎の先端をハサミやカッターなどでカットすることを切り戻しといいます。茎は水に浸かっていると徐々に傷んできてしまいます。

水を吸い始める茎の先端部分が傷んだり腐ってしまうと水がそこから吸えなくなってしまうので、花が水を吸いやすくするために水を吸う切り口をカットし、新しくしましょう。水を吸う切り口を新しくすることで雑菌が繁殖しづらくなります。

秋分の日には花を用意しよう

秋分の日は国民の祝日でもあり、秋のお彼岸にもあたります。意味を理解し、お彼岸でのマナーを確認してご先祖様への感謝や秋の風情を感じさせてくれる花を飾り、秋を心地よく迎えましょう。秋分の日に飾る花やお彼岸に供える花をお探しの方は、ぜひフラワーギフトラボをご利用ください。