ポトスライムの育て方は?増やし方や病害虫への対処法も詳しく解説
ポトスといえば、吊り鉢に天井から吊るしてあるものや、大きな鉢に垂直にスルスルと伸びているものをよく見かけます。とても育てやすいので、家庭でも飾っている方も少なくありません。
ポトスの一種ですが、鮮やかなライム色をしたポトスライムは、観葉植物として大変人気があります。ここでは、ポトスライムの育て方や増やし方、病気・害虫への対処法などを解説していきます。花言葉や飾り方なども紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
そもそもポトスとは
科名 | サトイモ科 |
学名 | Epipremnum pinnatum ‘Aureum’ |
属名 | エピプレムヌム属(ハブカズラ属) |
和名 | オウゴンカズラ(黄金葛) |
原産地 | ソロモン諸島及び東南アジアの亜熱帯と熱帯雨林 |
ポトスの特徴
ポトスは樹木の幹や岩によじ登るツル性の植物で、緑色の葉が美しく、観葉植物として栽培されています。登はん性を持っていて、登上させると葉が大きく成長し、下に垂らすと葉が小さくなるのが特性です。
一般的に販売されているものは幼葉で、卵のような形やハート型があり、長さは30〜40センチほどです。自生しているものや温室栽培で地植えされているものは、70センチ以上になり、葉の中心が羽状中裂(葉の中央に一本の太い中央脈があって、その両側に測脈が「羽状」に走る)します。
花は肉穂花序で苞に包まれていますが、成株にならないとすぐに落ちてしまいます。
ポトスライムとは
ポトスの一種であるポトスライムは、特徴はポトスと同じで、ライム色一色の光沢のある葉が特徴的といえます。鮮やかなライム色なので、部屋に置くと雰囲気が明るくなるのでポトスの中でも人気の種類です。また、暗い部屋に置くと緑が濃くなるという性質があります。
つる性の植物なので、天井から吊るして飾っている方が多くいます。ポトスライムは下に垂れるほど、葉が小さくなる特性があるので、ジャングルのツタが垂れ下がっているような印象です。また、壁に這わせても印象的な空間になるでしょう。
ポトスライムの花言葉
上述の通り、ポトスの花は肉穂花序(にくすいかじょ)で、仏炎苞という苞に包まれています。まるで、赤ちゃんをおくるみでくるんだようなとても愛らしい形なのです。
ほとんどはすぐに落ちてしまう花ですが、ミントの香りで虫を引き寄せ、受粉に成功するとネバネバの赤い樹脂が白い花の表面に表れます。しかし、ポトスの花は10年に一度咲くか咲かないかという貴重な花です。
こんな素敵なポトスライムの花言葉は、「永遠の富」、「華やかな明るさ」です。和名のオウゴンカズラ(黄金葛)に相応しい花言葉ではないでしょうか。
ポトスライムの風水効果
ポトスライムに限らず、ポトスには風水効果があることをご存じでしょうか。ポトスには、ホルムアルデヒドなどの有害物質を吸着し、空気をキレイにする効果があります。
また、飾るとパワーがもらえて、「自己活性化」や「心身の活性化」をしてくれるのです。他にも、北の方角に飾ると「金運アップ」効果があり、葉がハートの形をしているため、東南の方角に飾ると「恋愛運アップ」効果があります。
ポトスライム以外のポトスの種類
ポトスにはポトスライム以外にも何種類かの品種があります。一般的なポトスの「ゴールデンポトス」、白い葉っぱに緑の班が入っている「ポトス・マーブルクイーン」、ゴールデンポトスよりも葉が硬い品種の「ポトス・エンジョイ」、あざやかな緑色一色の「パーフェクトグリーン」などです。
他にも種類はありますが、ここでは下記の3種類を紹介していきます。
- ゴールデンポトス
- パーフェクトグリーン
- ポトスエンジョイ
それぞれ見ていきましょう。
ゴールデンポトス
一般的に多く販売されているのが、店頭でよく見かけるゴールデンポトスです。鮮やかな緑に黄色い班が入った品種で、育てやすくて病気にも強いので、ポトス初心者にはおすすめです。
一旦病気になっても持ち直しが早く、切り分けも簡単にできるので、お部屋の雰囲気に合わせやすいです。好みに合わせて自由自在になるところが良いですね。
パーフェクトグリーン
パーフェクトグリーンという名前の通り、「完全なる真緑」のポトスです。原種に近い品種に改良されたもので、ポトスの中では一番強い性質を持ち、耐陰性が高く置き場所を選ばないので、神経質になる必要がありません。
ソロモン諸島が原産で、日本でのつる科の植物の代表的なものです。自生しているものは、他の樹木を覆い尽くすほどのつるが絡みつきます。その繁殖力と生命力の高さから、「永遠の富」という花言葉を持っています。
ポトスエンジョイ
2007年の世界最大のアールスメール花市場主催の品評会で、「FLORA HOLLAND AWARD」を受賞した経歴があります。
インドの栽培農家が発見した品種で、ポトスの突然変異とされています。葉の緑色が薄く、アイボリーの覆輪斑(ふくりんふ)という縁取りのコントラストが何ともいえない優雅な雰囲気を醸し出しています。
2007年から日本でも2件の生産者がポトスエンジョイの栽培を始め、次の年から流通し始めました。
ポトスライムの育て方
ポトスのさまざまな品種の特徴や花言葉などを紹介してきましたが、ポトスの魅力が伝わったでしょうか。ここからは、ポトスライムの育て方の解説をしていきます。これからポトスライムを育てたい方には必見です。どうぞ最後まで読んでみてください。
置き場所
日当たりの良い場所を好むポトスライムは、カーテン越しの明るくて日陰になっている所に置くのがベストです。ポトスライムには耐陰性がありますが、蛍光灯などの電気の明るさだけだと、太陽光が当たらないため、色が薄くなる傾向があるので、日当たりには気をつける必要があります。
しかし、直射日光に当てると葉焼けを起こして葉が白くなってしまうので、カーテン越しが理想的です。また、日陰や暗い場所では光合成が出来ないため、枯れてしまう場合があるので注意してください。
水やり
室内で育てるのに最適なポトスライムですが、水のやり過ぎには注意する必要があります。春と秋の気候が穏やかな時期は、全体的に土が乾いてきたらたっぷり与えましょう。表面が乾いていても、土の中には水分が多く含まれていることもあります。そのため、鉢を持ってみて軽いようだったら与えるようにしてください。
夏の暑い季節は毎日水やりをして、冬の寒い季節には土が乾燥して3〜4日経ってからたっぷりやるようにしましょう。季節ごとに水やりの加減を調整してください。
最後に、受け皿に水が溜まっているようなら、根腐れの原因になるので捨てることを心掛けてください。葉の裏表に霧吹きなどで水を与えると害虫予防になります。
用土・肥料
ポトスライムが好むのは、水はけの良い土です。亜熱帯地域や熱帯雨林に生息する植物で、多湿環境を好みますが、常時土が湿っている状態ですと根腐れを起こしてしまいます。
ポトスライムは市販されている観葉植物の土でも十分満足ですが、湿気の多い季節に室内で育てていてカビや虫などが気になる方は、腐葉土の入っていない観葉植物の土を選んでください。水やりを忘れがちな方は、赤玉を1割ほど加えてあげると水持ちが良くなります。逆に水をやり過ぎる傾向の方は、小粒の軽石や鹿沼土を1割ほど入れてあげると良いでしょう。
ポトスライムに使用する肥料ですが、通常は与えなくても問題ありません。しかし、成長期になる5月〜9月の間は、チッソ成分が入っている観葉植物の肥料を1週間に1回のペースで与えてください。
また、葉の成長を促すなら観葉植物用の置き肥を月に1回置いてあげることをおすすめします。ただし、冬期間は成長が緩やかになるので、肥料は控えましょう。
植え付け
ポトスライムの植え付けをするときは、5月〜9月の温暖な気候のときに行うのがベストですが、猛暑は避けたほうが良いでしょう。植え付けの直後は、鉢底に水受けを置いて、そこに水を張って鉢底から水を吸わせる「腰水」をして管理することで、発根を促せます。
植え替え
ポトスライムの成長はとても早く、どんどん成長するので根詰まりをして枯れてしまうことがあります。そのため、小さな鉢は1年〜2年程度の間隔で、大きな鉢なら3年程度の間隔で植え替えをやってあげる必要があります。
植え替え時期は成長期である5月〜7月に行ってください。他の時期に植え替えをすると枯れてしまう場合があります。
ポトスライムを鉢から取り出し、根っこを傷つけないように丁寧にほぐします。植え替え先の鉢には、水はけが良くなるように鉢底石を敷き、土を鉢の3分の1ほど入れましょう。次に、取り出したポトスライムを鉢の真ん中に置いて、隙間なく土を被せていきます。
植え替えた後は水をたっぷり含ませて、日陰に置いてしばらく様子を見てください。
剪定
剪定は、ポトスライムが間延びしてきた時や、ボリュームを増やしたいときに行います。つるが間延びして形が崩れ始めたと思ったら剪定の時期です。
植え替えと同じように5月〜7月に行ってください。間延びしたつるの根元から2〜3節を残して切り戻しをします。切り過ぎたと思っても、切った部分から2〜3週間で新芽が出てくるので大丈夫です。間延びしたつるのボリュームは、剪定することで脇芽が出てきてボリュームアップできるでしょう。
また、切ったツルを葉挿しにして増やしたり、花瓶に入れて発根させることもできるので、次のポトスライムの増やし方を参考にしてください。
増やし方
ポトスライムを増やすやり方は、挿し木、水挿し、株分けの3種類あります。ポトスライムは成長が早く、大きくなってきたらさまざまな増やし方に挑戦できるのも楽しいですね。初心者でも簡単にできるので、ここではポトスライムの増やし方を紹介していきます。
挿し木
挿し木はポトスライムを増やす方法としてもっとも行われる方法です。剪定で、葉が密になった部分を切った茎を使って手軽にできます。
ポトスライムの茎を、根元から2〜3節目のところで切り取り、あらかじめ湿らせておいた挿し木用土に挿しましょう。葉の付いた部分の反対側に、茎から短く伸びている気根が新しい根になります。
茎の2分の1程度を挿してあげましょう。2週間〜1か月ほどで根が出てきて、根っこが十分に出てきたら鉢に植え替えてください。
水差し
ポトスライムは上述している挿し木と比べると、とても簡単な増やし方の方法です。剪定して切ったポトスライムの茎を水に入れておくだけなので、初心者にはおすすめの方法です。コップなどのガラス製品に入れておくと、根の成長が一目瞭然なので、成長を楽しむこともできます。
注意点として、毎日水を替えてあげることがあります。水替えをしないでおくと水が腐って、せっかく成長した根っこも腐らせてしまう可能性があるのです。1か月ほどすると根が成長してくるので、土に植え替えしてください。
株分け
株分けとは、根っこを分けて増やす方法です。大きく育った株をそのままにしておくと、葉が密集してきて生い茂ったジャングルの脳になります。そのため、植え替えの時期に株分けを行えば、ポトスライムを見た目の良い健康な状態に保つことができるのです。
植え替えの時と同様に、ポトスライムを根っこから慎重に取り出し、丁寧に土をはらいます。このとき、虫食いの部分や腐った部分は取り除いてください。大きな根っこをハサミで切って分けたら、新しい鉢に植えつけていきます。
冬越し・夏越し
暖かい土地に自生するポトスは寒さが苦手なので冬の管理に注意しましょう。
8℃以下になるとポトスライムの根っこが弱ってしまうため、10度以上の温度を保つのが理想です。朝晩の冷える時間帯は、窓から少し離して置き、日中は日の当たる窓辺に起きましょう。また、冷気は下の方に溜まるので、床から離して置くようにしてください。
水やりは土が乾いて2〜3日後にあげるのが理想です。水やりのタイミングは、上述したように鉢を持ってみて軽いかどうかが一番の目安になるでしょう。便利なアイテムとして「水やりチェッカー」という商品が販売されています。土に刺して色を確認するだけで水やりのタイミングが分かるので、不安な方は使ってみてください。
風通しを良くすることもポトスライムの大事な冬越しの作業です。冬場は暖房をつけているため、窓を閉め切ることが増えます。冬は寒くて窓も開けたくありませんね。そのため、風にあたることも少なくなります。
風通しが悪いと、ポトスライムが光合成を取り入れられなくなって、株が弱ってしまいます。そんなときは、扇風機を活用して風通しの良い環境を作ることが大切です。
ポトスライムがかかりやすい病害虫
ポトスライムは丈夫な植物で、病気や害虫に強い植物とされていますが、環境によっては病気や害虫の被害に遭ってしまうこともあります。ここでは、病気や害虫の被害に遭ったときのために、ポトスライムのかかりやすい病虫害について解説していきます。
病気
ポトスライムがかかりやすい病気は、カビが原因で発症する「炭そ病」です。灰色や黒い斑点が現れて、ほっておくと枯れることもあります。そうなる前に病気に罹っている葉っぱを切り落としてください。
予防策は、過密状態になっている葉っぱを切り落とし、風通しの良い状態を保つことです。湿気のある梅雨期から初秋頃までが発生しやすい時期なので、よく観察しておくと良いでしょう。
害虫
ポトスライムに着く害虫としては、主にハダニやカイガラムシが挙げられます。
ハダニは乾燥しているときに発生する虫で、1年を通して注意が必要です。乾燥に強いということは湿気に弱いという特性もあります。そのため、霧吹きなどを使って、葉っぱや茎に水をかける「葉水」を行ってください。葉水は汚れ取りの効果もあります。もしハダニの数が多いときは、殺虫剤を使うのがおすすめです。
夏場に出るのがカイガラムシです。カイガラムシの糞は黒すす病を誘発させます。この病気にかかってしまうと、葉っぱは枯れてしまいます。対策としては、1つ1つピンセットで取り除く方法や、多い場合は歯ブラシでこすって落としましょう。カイガラムシは、体が殻で覆われているため、殺虫剤での駆除は難しいです。
ポトスライムの飾り方
ポトスライムは風水効果があり、「金運アップ」、「恋愛運アップ」という花言葉から、北や南東の方角に飾ると運気がアップするといわれています。また、繁殖力が旺盛なポトスには「陰」の気が強いため、気を休める場所である寝室に置くと、エネルギーを吸い取られるということなので注意しましょう。
よどんだ気の溜まりやすいキッチンやトイレ、お風呂場などに置くと風水効果が期待できるとされています。ここでは、そんな風水効果のあるポトスライムの飾り方を以下で紹介していきます。
ヘゴ仕立て
ポトスライムはツル科の植物で、自立することができません。そのため、鉢に支柱を立ててあげれば、ツルをつたって上の方に伸びていきます。自生しているポトスは、樹木などに絡んで上の方に伸び、葉を大きくしていくのです。
ポトスの特徴として、上に伸びることで葉が大きくなり、下に伸びることで葉が小さくなる性質があるので、置き場所によって飾り方を変えていくと良いかもしれません。
吊り鉢仕立て
吊り鉢を使った飾り方は、上記とは逆にポトスライムのツルを下のほうに這わせて、葉を小さく見せる方法です。天井などの高い位置からポトスライムを吊り下げることで、ポトスライムのあざやかなライムグリーンのツルを楽しめます。ポトスライムの特性を活かした飾り方といえるでしょう。
ポトスライムの購入方法
観葉植物の中でも、色鮮やかなライムグリーンのポトスライムは、特に人気の高い商品です。大切な人への贈り物や引越し祝いなどに最適ですが、いざ購入して贈り物にすることを考えると、店頭に在庫がなかったり、種類があまりなかったりするとがっかりしてしまいますよね。
そんなときは、たくさんの種類から選べる通販がおすすめです。さまざまな種類の中から、時間にもこだわらずに選べるのは通販ならではといえます。ポトスライムや他の観葉植物や花を購入するのなら、通販がおすすめです。
ポトスライムの育て方を把握してインテリアを楽しもう
ポトスライムはとても強くて丈夫な植物なので、初心者でも簡単に育てることができ、簡単に増やすことも可能です。
飾る方法によってポトスライムの見た目もグンと変わるため、部屋のインテリアにも最適で、プレゼントとしてもおすすめできる品種となります。また、自分で育てるのも楽しいのではないでしょうか。
あなたのお部屋にもポトスライムを飾って、自分スタイルのインテリアにコーデしてみてはいかがでしょうか。