豆知識

ラ・メールコラム > 豆知識 > ストックの花言葉にはどんな意味がある?花のメッセージや栽培方法を解説

ストックの花言葉にはどんな意味がある?花のメッセージや栽培方法を解説

スマートな茎と優雅な花姿のストックは、ヨーロッパ南部原産の植物です。愛情や喜びなどの意味合いを持つ花言葉があることから、海外ではプロポーズに贈る花としても人気があります。見た目も可愛らしく花言葉も素敵なものが多いため、ブーケやアレンジメントにも選ばれます。

ではストックには、どんな花言葉が秘められているのでしょうか。本記事では愛らしいストックの魅力や花言葉をはじめ、育て方のコツなどを紹介します。この記事を読むことで、ストックに込められた花言葉やギフトに最適なシーンを知ることができますので、ぜひ最後までチェックしてみてくださいね。

ストックとはどんな花?

ストックはカラー展開が豊富で、ガーデニングはもちろんのこと、切り花としても広く活用されています。照りつけるような夏の暑さには弱いので、日本では一年草として扱われることが多いですが、原産地では多年草の花です。

ではストックは、どんな特徴を持つ花なのでしょうか。ここでは基本データや名前の由来、いつの誕生花なのかを解説していきます。

ストックの基本データ

 

学名 Matthiola incana
和名 アラセイトウ(紫羅欄花)
英名 Stock
原産地 南ヨーロッパ
草丈 20~80cmくらい

 

ストックは、ヨーロッパ南部原産のアブラナ科アラセイトウ属に分類されています。原産地のヨーロッパでは岩場などの日当たりの良いエリアに自生しています。アブラナ科のストックはエディブルフラワーとしても栽培されています。味はスパイシーで、花はサラダや料理の付け合わせにも利用されているようです。

古くは薬草として用いられていたこの花は、江戸時代に日本に入ってきました。

開花期は11月~5月くらいで、花屋さんには冬の終わり頃から並び始めることが多いです。この花はストレートに伸びた茎の先に、色とりどりの花を咲かせるのが特徴で、花壇やプランターでも栽培しやすいのが魅力です。一重咲きのストックは、菜の花によく似た見た目をしています。また華やかな佇まいの八重咲きのストックは、プレゼントとしても人気です。

「ストック」の名前の由来

ストックの学名である「Matthiola incana」は、イタリアの医師兼博物学者である「ピエトロアンドレアマティオーリ」がルーツになっており、1703年フランスの植物学者の「シャルル・プリュミエ」により献名されたのです。

また、英名の「Stock」は「茎」という意味で、太く頑丈でまっすぐに伸びる茎が由来になっています。和名になっている「アラセイトウ」は、ポルトガルの伝統ある布の名前(ラセイタ)に似ていることから付けられました。

(日本国語大辞典によると、ラセイタ(羅背板)とは、ポルトガルの毛織布の一種でラシャに似た毛織物で生地が薄く手ざわりが粗いものとなっています。)

さらに「ムラサキハナナ」と呼ばれるアブラナ科の植物の中に「オオアラセイトウ」の別名を持つ植物もあります。

いつの誕生花?

誕生花とは生まれた日に関連付けて、それぞれに割り当てられている花のことです。誕生日プレゼントなどに贈ると、それだけで相手に合った贈り物になるので、きっと喜んでもらえるでしょう。ストックが誕生花になっているのは以下の通りなので参考にしてみてください。

ストック全般 7月16日
ピンク 1月10日・2月8日
2月9日・2月20日
3月2日・3月7日

ただし誕生花は、国や文化または地域によって異なることがあるので注意しましょう。

ストックの花言葉の由来

ストックの全般には「見つめる未来」「永遠の美」「愛情の絆」「求愛」などの花言葉が込められています。一つずつチェックしてみましょう。

  • 「求愛」/「見つめる未来」

ストックに求愛や見つめる未来などというロマンティックな花言葉が付いているのは、ヨーロッパでプロポーズの花として定番になっていることが由来になっています。キュートなストックに似合っている素敵な花言葉です。

  • 「永遠の美」

まっすぐに伸びた茎に愛らしい花を咲かせるストックは、可愛いだけではなく花持ちが良いです。切り花にしても、気温が高い時期でなければ10日程度は楽しむことができます。花持ちが良いことや香りの良さがいつまでも続くことから「永遠の美」という花言葉が誕生したのです。

  • 「愛情の絆」

愛情の絆という花言葉には、ある悲しい恋のストーリーが関連しているという説もあります。遠い昔、ある国のプリンセスが敵国のプリンスと恋をしました。しかし敵国であることが理由で、結ばれることを許されなかったプリンセスは、あるときプリンスに会うためにお城を抜け出そうとして事故に遭い命を落としてしまったのです。このことを不憫に思った神様がプリンセスをストックの花に変えたとされています。

海外でのストックの花言葉は?

海外では「満足」「幸せと成功に満ちた長寿」などのポジティブな花言葉が多いことから、プロポーズや記念日のギフトフラワーとして定番になっています。また、香りが良いことや、花のボリュームの良さからブライダルブーケとしても人気があるようです。

ストックのカラー別の花言葉一覧

ストックの花は豊富なカラーが揃っていますが、その一つ一つに花言葉が込められています。贈り物や晴れの日のギフトにも最適なポジティブな花言葉が多いのも、この花の魅力ではないでしょうか。花言葉を知っていると、普段はいえない思いを花といっしょに贈ることができます。ぜひ参考にして、自分の気持ちにピッタリなカラーのストックをギフトにしてみてください。

 

レッド わたしを信じて
ピンク ふくよかな愛情
パープル 大らかな愛情
ホワイト 思いやり・密やかな愛
イエロー さびしい恋

レッド

レッドのストックには「わたしを信じて」という花言葉が込められています。情熱を表すレッドは、熱烈な思いを感じさせます。好きだけれどあと一歩が踏み出せないようなときに贈ると、気持ちが通じやすいのではないでしょうか。また、喧嘩した後に仲直りの意味を込めて贈ることもできます。

ピンク

次に紹介するピンクのストックは「ふくよかな愛情」という意味を秘めています。優しいトーンのピンクらしい花言葉なので、しっとりと穏やかな愛情を伝えるのに向いているでしょう。例えば、家族の絆を表現したいときや記念日のギフトにもピッタリです。また、ピンクは母性を表す色でもあるので、母の日の贈り物にしても喜ばれます。

パープル

少し大人っぽい印象がある紫には「大らかな愛情」という花言葉が秘められています。「大らか」という言葉からは、寛大さや他者との違いを受け入れる心の広さが感じられるでしょう。エレガントなイメージなので、女性から男性に贈るギフトにもピッタリです。

ホワイト

ホワイトのストックには「思いやり」「密やかな愛」の花言葉が付けられています。華やかな色とは違い、少し控えめな印象のホワイトからはピュアな魅力を感じさせてくれるでしょう。白は素朴さや一途さを表現するのに最適な色なので、密かに思いを寄せている方に贈ると、気持ちが通じるかもしれません。

イエロー

黄色のストックには「さびしい恋」というネガティブな花言葉があります。これはなぜかというと、色に対する認識の違いから生まれたのです。アジアでは一般的に明るいイメージで捉えられる黄色は、ヨーロッパでは裏切りを意味する色とされています。しかし、相手の方が、黄色が好きであればメッセージなどを添えて誤解のないように贈れば問題ありません。

ストックの花の種類は?

ストックは、南ヨーロッパや西アジアなどに50種類以上広がっています。ここでは代表的な品種をチェックしてみましょう。

  • スタンダード

スタンダード系は、ストックの中で一番出回る品種になります。ストレートに伸びた硬い茎に、小さな花がたくさん咲くのが特徴です。その中でもアイアンシリーズは、花穂の形が整っており、花持ちが良いので人気があります。

  • スプレー

スプレー系とは、茎の先が3~5本くらい枝分かれしているのが特徴になります。華やかな八重咲きから控えめな一重咲きまで、咲き方も色々です。スタンダード系よりも、やや香りが弱くなります。スプレータイプは、切り分けてミニサイズのブーケにも使えるので重宝されていますよ。

  • キスミ―シリーズ

キスミ―シリーズは、極早生で枝分かれするタイプで、花のない冬を彩る花として人気があります。草丈が低く、花色が豊富なところが魅力で、氷点下にも耐えられるので寒冷地の方にもおすすめです。

キスミ―系にはイエローやホワイトなどの他にも、チェリーやサーモンなど優しいトーンの花色もあります。

ストックの栽培方法は?

長い茎に華やかな花をたくさん咲かせるストックは、女性に人気があります。そのため、自宅でもストックを育ててみたいと思われている方も多いのではないでしょうか。ストックは寒さに強く栽培が簡単なので、初心者の方にも育てやすい植物になります。栽培方法を押さえて、きれいな花を咲かせてみましょう。

植える時期(種まき)

ストックの発芽温度は20℃前後になります。したがって種から育てる場合は、9月~10月頃に植え付けるのがおすすめです。寒冷地では8月でもOKです。早い時期に植え付ければ、年内に花を楽しむことができます。種まきする場合は、2号鉢(直径6cm)に、3粒くらい直まきしてください。(5mmくらい覆土するのがポイント)発芽は3~4日程度です。それまでの間は、日除けをして土の表面が乾燥しないように注意しましょう。

用土/肥料

ストックは弱アルカリ性の水はけの良い土を好みます。園芸店などで購入する場合は、草花専用の土を利用しても良いでしょう。鉢植えの場合では小粒の赤玉土6:腐葉土4をミックスさせて使うのがおすすめです。

肥料は植え付けするときに「N(窒素)-P(リン酸)-K(カリ)」がバランス良く入った緩効性の肥料を与えてください。追肥を必要とする場合は、花が咲いたら1か月に2回くらい液体肥料を与えましょう。

定植

花が咲き始めたら定植します。地植えする場合には、植え付ける10日くらい前までに苦土石灰を混ぜておきましょう。

定植前にはしっかり水を与えてください。ストックは根がまっすぐに伸びるので移植はおすすめできません。根が切れないように抜き取り、浅く植えるようにすると丈夫に育ちます。フラワーショップなどで苗を買って育てる場合も同様です。

また、草丈が高くなる品種の場合は、花の重さから茎が不安定になることがあります。このような場合は支柱をして支えてあげてください。

置き場所

ストックは日当たりの良い場所を好みます。寒さには比較的強いですが、霜に当たると弱ることがあるので寒冷地では鉢花として楽しむのがおすすめです。地植えする場合には、暖かくなってから定植すると良いでしょう。室内で育てる場合は、昼間は日が当たる場所に置いてあげると良いです。

水やりのタイミング

  • 地植え

しっかりと根付くまでは水は絶やさないように与えましょう。根付いた後は、よほど土が乾燥しない限り水やりは必要ありません。

  • 鉢花

鉢植えの場合には鉢土が乾燥したら、たっぷりと水をあげるようにしましょう。過湿は苦手なので、水の与え過ぎに注意してください。葉っぱが下がってきたら水やりのタイミングになります。植物を観察しているとしっかりとサインを出していますので、見逃さないことが上手に育てるポイントです。

増やし方

ストックは基本的に種まきで増やしますが、八重咲きのストックからは種ができません。種を取るときには、一重咲きのストックを育ててみましょう。この種を植えると、八重咲きが咲く可能性もありますが、選別するのは素人には難しいといわれているので、注意してください。

花がら摘み

花が終わったら、なるべく早く花を摘んであげると次の花が早く咲きます。いつまでもそのまま放置しておくと、種を作るためにエネルギーを消費してしまうので、早く枯れてしまう可能性があるのです。開花にエネルギーを使えれば、長い期間花を楽しむことができます。

ストックの栽培で注意するポイント

ストックは比較的育てやすい植物ですが、栽培の上で注意しておきたいポイントもあります。ここではストックが侵されやすい病害虫について解説していきましょう。

害虫

暖かくなるとアブラムシが発生しやすくなります。アブラムシは、あっという間に増えるので見つけたらすぐに対処する必要があるでしょう。放っておくと、どんどん株が弱っていくので注意してください。

初期なら、シャワーをかけて落とすことができます。数が多くて手が付けられない場合は、市販の薬剤を活用するのがおすすめです。

病気

ストックは、じめじめした環境が苦手なので過湿になると病気にかかることがあります。元気だった株が突然枯れてしまったら「立ち枯れ病」を疑いましょう。立ち枯れ病は、生育不良になり、 病気が進行すると葉が黄色くなっていきます。ストックを育成する際は、できるだけ風通しが良い場所に置いてください。

また、土から病気になることもあるので、種まきの際は新しい土を使うのがおすすめです。ひどくなると周囲の株にも移してしまうので注意しましょう。

プレゼントにおすすめのシーンは?

花色のバリエーションも豊かで、優雅な香りを持つストックはプレゼントにもおすすめです。前述のように、素敵な花言葉がたくさんあるので、特別な日の贈り物にいかがでしょうか。ここではストックを贈るのに、ふさわしいシーンを紹介します。

記念日

ストックには「愛情の絆」という花言葉が秘められています。したがって結婚記念日や、二人だけの特別な日の贈り物にピッタリなのです。女性は花を贈られるだけでも、大切にされていると感じて幸せな気持ちになります。ぜひメッセージを添えて贈ってみてください。色とりどりのストックをまとめてアレンジメントにすると素敵ですよ。

母の日

ピンク色のストックには「ふくよかな愛情」の花言葉が込められています。ですから母の日などに家族に贈るプレゼントとしても最適です。白のストックには「思いやり」の花言葉があるので、家族の好きな色や伝えたい色によっては白のストックを選ぶのも良いでしょう。ガーデニング好きの方なら、鉢植えのストックも喜ばれそうです。

プロポーズ

「見つめる未来」という素敵な花言葉があることから、ストックはプロポーズの花にも向いています。プロポーズには赤いバラが定番になっていますが、ちょっと変わった花を贈りたい場合はストックがおすすめです。共に明日を歩んでいきたいかけがえのない相手に贈るには、ピッタリなギフトになりますね。

素敵な花言葉を秘めたストックの花を贈ってみよう

ストックは、まだ寒い冬の終わりから春にかけて咲く華やかな花で、素敵な花言葉が込められています。ストックの全般の花言葉は「見つめる未来」「永遠の美」「愛情の絆」「求愛」などです。色ごとにも花言葉が異なり、それぞれ下記のような言葉が込められています。

  • レッド:わたしを信じて
  • ピンク:ふくよかな愛情
  • パープル:大らかな愛情
  • ホワイト:思いやり・密やかな愛
  • イエロー:さびしい恋

ストックには愛情にまつわる花言葉が多いので、記念日やプロポーズなどにもピッタリです。ぜひあなたの大切な人に、ストックの花を贈ってみてくださいね。