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アマリリスの色ごとの花言葉は?品種や育て方も合わせて解説

ユリのように横向きの花を咲かせるアマリリスは、鮮やかな色の大輪を咲かせるのが特徴です。そんな華やかなアマリリスをプレゼントとして贈りたい、自分用に購入したいと考えている方もいるのではないでしょうか。

この記事では、贈り物をする際に気になる色ごとの花言葉を紹介するとともに、アマリリスの基本情報や種類、育て方などを解説していきます。アマリリスについて詳しく知りたいという方は、ぜひ参考にしてみてください。

アマリリスの基本情報

学名 Hippeastrum
属・科名 ヒガンバナ科ヒッペアストルム属
英名 Amaryllis
原産地 南アメリカ
開花時期 4月〜6月(春咲き)、5〜10月(夏・秋咲き)

特徴

アマリリスは約80種の原種があるとされており、そこからどんどん交配されて種類が増え続けています。日本に渡来したのは江戸時代で、その鮮やかな色合いと華やかな姿から現在も人気が高い花です。

真っ直ぐに伸びる茎に花径10〜20cmほどの明るい色合いの花を咲かせるので、1株でもインパクトがあります。他の花と組み合わせたり何本かをまとめたりして贈るのももちろん良いですが、1本だけをプレゼントする場合にもおすすめです。

開花時期は4月〜6月ですが、球根が出回るのは2月〜3月ごろとなっているので、自分で鉢植えで育てたい場合は、この時期に花屋をチェックしてみると良いでしょう。夏咲きや秋咲きの品種もあるので、1年の中で長い期間アマリリスの開花を楽しみたい方は、開花時期が異なる品種を育ててみてください。

アマリリスの花言葉

アマリリス全般の花言葉は、「おしゃべり」「輝くほどの美しさ」「内気」「誇り」「虚栄心」「臆病な心」などです。それぞれの花言葉には、下記のような由来があります。

「おしゃべり」

「おしゃべり」の花言葉は、横向きに咲くアマリリスの花たちが会話を楽しんでいるように見えることが由来とされています。綺麗な花たちが風に揺られながらおしゃべりをしている様子は、きっと可愛らしいことでしょう。

「輝くほどの美しさ」「内気」「誇り」

「輝くほどの美しさ」「内気」「誇り」といった花言葉は、ギリシャ神話に由来があるとされています。

羊飼いの少女「アマリリス」は、羊飼いの少年に恋をしていました。しかし、その少年は毎日花を届けてくれる別の少女に恋をしていて、内気な少女はその気持ちを少年に伝えられずにいたのです。そこで、少女が神様にお願いをすると、神様から1本の矢が授けられます。

少女が授けられた矢で自分を刺すと、その傷口から流れた血が地面に落ち、美しい花を咲かせます。この花をきっかけに二人は結ばれたのです。

少女「アマリリス」の血から咲いた花の驚くほどの美しい様子から、「輝くほどの美しさ」という花言葉がつけられました。また、内気な少女の様子から「内気」の花言葉が、自らを傷つけてでも恋を実らせる様子から「誇り」という花言葉がつけられたとされています。

「虚栄心」「臆病な心」

アマリリスは横向きに咲くものが多いですが、中には威張るように上を向いていたり少し下を向いて俯いていたりする花もあります。このように、花の咲く角度によって印象が大きく変わるアマリリスは、その様子から「虚栄心」「臆病な心」といった花言葉がつけられました。

アマリリスの色ごとの花言葉

赤色 輝くほどの美しさ
白色 内気
ピンク色 おしゃべり
紫色 強い虚栄心
黄色 おしゃべり
オレンジ色 誇り

表にまとめた通り、アマリリスは花の色によっても花言葉が異なります。ここでは、色別の花言葉について、それぞれ詳しく見ていきましょう。

赤色

赤色のアマリリスの花言葉は、「輝くほどの美しさ」です。少女「アマリリス」の赤い血から生えた花が「輝くほどの美しさ」という花言葉の由来とされているので、赤色のアマリリスにこの花言葉がつけられているのも納得といえるでしょう。鮮やかな赤い色をしたアマリリスにピッタリの花言葉といえます。友人や恋人はもちろん、憧れの先輩などに贈るのにもおすすめの花です。

白色

白色のアマリリスの花言葉は、「内気」です。可憐で純粋な印象を与える白色にピッタリの花言葉です。少女「アマリリス」の秘めた恋心のように、なかなか気持ちが伝えられない相手に贈ってみるのも良いでしょう。

ピンク色

ピンク色のアマリリスの花言葉は、「おしゃべり」です。アマリリスの柔らかいピンク色は、可愛らしい少女たちが楽しげに話している様子を思い浮かばせてくれます。しかし、プレゼントとして贈る場合、相手によっては「自分がおしゃべりだと思っているのか」と思われてしまう可能性があります。不安な方は、プレゼントをする際にメッセージカードなどを添えておくと良いです。

紫色

紫色のアマリリスの花言葉は、「強い虚栄心」です。表面的には自信に溢れているように見えても、実際にはどこか自信がない様子を表しています。紫色の、ミステリアスでどこかイメージが掴みにくい印象を与えるところが、この花言葉につながったのでしょう。ネガティブな花言葉なので、贈り物としてはあまり向きません。相手が紫色が好きだからプレゼントしたいといった場合は、メッセージカードなどでその旨を伝えておくと安心です。

黄色

黄色のアマリリスの花言葉は、「おしゃべり」です。ピンク色と同じ花言葉ですが、黄色は明るく楽しげにおしゃべりをしている元気な印象を与えます。黄色のアマリリスを贈る場合も、メッセージカードを添えておくと良いでしょう。

オレンジ色

オレンジ色のアマリリスの花言葉は、「誇り」です。自分が大切に思っている家族や友人などに、感謝と尊敬の気持ちを伝えたいときに贈るのにピッタリの色といえます。オレンジ色は老若男女問わず贈りやすい色でもあるので、幅広いシーンに合うでしょう。

アマリリスの種類・品種

アマリリスと一言でいっても、その種類・品種はさまざまです。品種によって姿や特徴が異なるので、どんな姿のものを贈りたいのか、どんな色のものが良いのかなどを考えた上で選ぶと良いでしょう。

  • レッドライオン
  • アップルブロッサム
  • ハッピーメモリー
  • ブロッサムピーコック
  • ガーデンオーケストラ

ここでは、それぞれの品種の特徴を解説していきます。

レッドライオン

鮮やかな赤色と大輪の花が特徴なのがレッドライオンです。1茎から3~4輪の花を咲かせるため、庭に植えても鉢植えにしてもインパクトがあります。

植え付けは2~5月ですが、寒さに弱く霜の被害を受けやすいといった気難しさもあるので、育てる際は注意が必要です。気温が低い地方や冬場から育てる場合は、藁などを敷いて霜よけをするか、室内で保護して春が近くなったら植え替えるか、そのまま鉢植えで育てるのがおすすめです。

もちろん、気温が暖かくなってきた春先に植えても問題ありません。

アップルブロッサム

白とピンクのグラデーションが特徴なのが、アップルブロッサムです。大輪の花を咲かせる品種でありながらも品のある柔らかな雰囲気を持っているのが魅力的と言えます。英国でガーデンメリット賞を受賞するほどに評価が高いアマリリスです。

室内の場合は数ヶ月花を咲かせることもあるなど、長く楽しめる花としても知られていますが、こちらも寒さに弱い品種なので、寒い地方で育てる場合は霜よけなどが必要です。人気の品種になるため流通量も多く、入手難易度も低くなっています。

ハッピーメモリー

赤い花弁の中心に白いラインが入るのが特徴的なのが、ハッピーメモリーです。中央部は緑で若干黄色みがかかっており、やや上向きに花を咲かせます。大輪の花をつけ、南国を感じさせる華やかな印象の交配種です。

比較的病害虫に強く、初心者でも育てやすいので、初めてアマリリスを育成する方にもおすすめできます。ハッピーメモリーという花の名前から、幸運を連想させる花としても人気です。流通量が多く、シーズンには比較的安価で購入できます。

ブロッサムピーコック

花びらは白地で外側部分が淡い赤となっている八重咲のアマリリスがブロッサムピーコックです。多輪系の品種で、一度に八輪ほどの花を咲かせることがある他、環境が良ければ年2回開花する場合もあります

花数が多い分、数が多いと花弁が伸び切らないケースがあるものの、八重咲で一つ一つの花が大きいため、鉢植えにしたときのインパクトが強いのも特徴です。どれくらい花数が出るかは運要素があるため、つぼみが育つまでの楽しみがある花でもあります。

ガーデンオーケストラ

純白の花びらで中央部が緑がかっており、八重咲で重なり合う花びらが印象的なアマリリスが、ガーデンオーケストラです。花弁は比較的小さく可愛らしくまとまった花、清涼感がある花を求める人におすすめできます。

寒さに強い品種としても知られていて、多少の霜を問題としない管理の楽さからも人気です。北国や山間部など寒さが厳しい地方では多少の保護は必要なものの、管理が楽なのはやはり大きなメリットと言えます。

鉢植えでも屋外でも育てやすく主張も激しくないため、他の花とも組み合わせやすいのも魅力と言えるでしょう。

アマリリスの育て方

アマリリスは、鉢植えでも地植えでも育てられる植物で、地植えでもある程度の霜であれば耐える品種もあります。一般的な品種で草丈は50~60cm、大型のものは70cmを超えることがあるため、鉢植えにする場合はある程度のスペースを確保するのがおすすめです。

今回は鉢植え・地植え双方の基本的な育て方を紹介していきます。

置き場所

アマリリスは日当たりが良く、水はけが良い場所を好みます。通気性も高いほうが育ちやすいため、湿気が溜まりやすい場所や風通しの悪い場所は避けるのがおすすめです。

鉢植えの場合も日当たりが良い場所に置き、夏場の日差しが強いときは半日陰に置いて葉焼けを避けるようにしましょう。また、梅雨などの雨が多い時期は軒下などにおいて雨が当たりすぎるのを避けます。

地植えにする場合は、なるべく寄せ植えを避けたほうが見栄えが良くなります。アマリリスは大きく、見栄えがする品種が多いため、寄せ植えにすると印象が散漫になりがちだからです。

水やり

球根から育てる場合、植え付けの際に水をやる以外は葉が伸び始めるまで控えめにします。湿気に弱く、過度の水やりは根腐れを起こす原因となる可能性があるからです。鉢植えで育てる場合は、土の表面が乾いたら鉢の底から少し水が出るくらい水やりをします。

極端に暑く乾燥した日が続いた場合は、昼に水やりをすると湿気で熱が溜まってしまうため、朝か夕方以降の気温が落ち着いたタイミングで水やりをしましょう。

秋になって葉が枯れ始めたら水やりの量を減らし、冬場は乾燥させることが大切です。地植えの場合はほとんど水やりは必要ありません。

用土・肥料

アマリリスは、水はけが良くある程度保水性のある土を好みますが、市販の腐葉土でも十分に育てることが可能です。自分で土を作る場合は、赤玉土6、腐葉土3、パーライト1を目安にブレンドするとアマリリスに適した土質になります。

地植えにする際は、事前に堆肥や腐葉土などをすき混んでおき、土の状態を整えるのが基本です。また、地植えの場合は土の酸度も重要になってきます。アマリリスの好む土はph5.5~6.0ほどの弱酸性になるため、事前にph試験紙で土質を調べ、酸度が高いようであれば、石灰などをまいて中和しておくのがおすすめです。

植え付け

球根から育てる場合は、丸く大きく栄養を蓄えていそうなものを選ぶのがおすすめです。地植えの場合は、4~5月の寒さが落ち着いたタイミングが良いでしょう。暖かい地方であれば多少前倒ししても問題ありません。

鉢植えの場合は、温度管理が適切であればいつ植えても大丈夫です。鉢植えに鉢底ネットを入れ、その上から鉢底石を入れたら、鉢の3分の2ほど培養土を入れます。その上に球根を置いて、球根の上部が3分の1程度出るまで土を追加します。

複数の球根を大型の鉢に植える場合は、球根2個分を目安に間隔をあけるのが基本です。

植え替え

鉢植えの場合は、2~3年に1回を目安に植え替えを行います。時期は10~11月ごろがおすすめです。植え替えのときは古い土を落とし、植え付けのときと同じく球根の上部3分の1程度が出るくらいに土をかぶせます。根が傷む恐れがあるため、土の落としすぎには注意が必要です。

花が成長していくと球根自体が大きくなっていくため、鉢のサイズには注意してください。

剪定

剪定は、花が枯れた際に1輪ずつ付け根から折って取る花がら摘みを行います。花茎も枯れてきたら、葉を残して茎を元から取り除きましょう。

葉っぱが枯れ始めたら、冬越しのための準備をする合図です。水やりを控えて鉢植えを室内に避難させる他、寒冷地であれば球根を掘り出して保護する必要があります。冬越し・夏越しの方法でも詳しく触れますが、関西以西で寒さが厳しい山間の場所などでなければ、それ以外の管理・選定は不要です。

増やし方

鱗茎を使う「鱗片さし」と、成長した球根から生まれる子球を使う方法があります。

球根は鱗片が集まってできているため、鱗片をはがして、一つ一つの鱗片から増やすのが鱗片さしです。ただし、一つ一つの鱗片に蓄えられた栄養はそれほど多くないため、育てる難易度はかなり高くなってしまいます。

子球から育てる場合は、植え替え時に親玉が分かれたものを切り離して使います。大きく育った球根が2つに分かれている状態で非常に育てやすく、気長に増やしていきたい人や初心者におすすめです。

冬越し・夏越し

鉢植えの場合、夏場は日当たりが良すぎる場所を避けて、半日陰の場所に移動させます。冬場は球根の堀り上げをせず、屋内に入れて10度以上ある暖かい場所に置いて管理しましょう。

地植えの場合、夏場はあまり気にすることはありませんが、植える際に木の影になるところに植えるなどの工夫をしておくと良いでしょう。

冬場は、関西以西の暖かい地域の場合、藁などを敷くか腐葉土で盛り土をして霜よけをすれば地植えでも冬越しができます。寒冷地の場合は球根を掘り上げ、鉢植えにして15度以下にならないようにして越冬させるのが一般的です。

休眠中でも球根は水を必要とするため、土が少し湿る程度に水を与えることも大切です。

アマリリスがかかりやすい病害虫

アマリリスは病害虫に強くなるよう品種改良が進んだものがある一方で、地理的・機構的な問題でそれでも病害虫に悩まされるものもあります。

また、見栄えを重視したために比較的病害虫が起こりやすい品種も存在するため、事前にかかりやすい病気やつきやすい害虫について知っておくことが大切です。事前の予防や実際に問題が出たときの対処にも関わります。

病気

アマリリスは湿気に弱く、春~夏の梅雨の時期や秋の長雨で赤斑病にかかる場合があります。雨に当たりすぎたことや風通しの悪さが原因で、カビが繁殖して葉や花茎に赤褐色の斑点が現れるのが特徴です。

カビは他の植物に移ることがあり、対処用の薬も存在しないため、該当部分を切除して広まらないようにするのが主な対処法となります。球根にまで赤褐色の斑点が浮かんでいる場合、もう育たなくなってしまうので廃棄せざるを得ません。病気にかかってしまったら、早めに対処をするようにしてください。

害虫

夏場などの高温の時期は、ダニの発生率が上がります。葉裏に現れる赤ダニ(ハダニ)は特に注意が必要で、見つけ次第駆除するのが基本です。

鉢植えの場合は鉢を横倒しにして、水をかけて赤ダニを流してしまえば薬剤を使う必要はありません。地植えの場合は横倒しにすることができないので、葉を拭いてハダニを落とすか、殺虫剤を使って対処することになります。

蚊やハエに使う家庭用の一般的な殺虫剤は効果がないため、園芸用・ハダニ用の殺虫剤を使うようにしてください。

プレゼントにはアマリリスを贈ろう

アマリリスには、「おしゃべり」「輝くほどの美しさ」「内気」「誇り」「虚栄心」「臆病な心」などの花言葉があります。花の色によっても花言葉が異なるため、アマリリスをプレゼントとして贈る際には、色ごとの花言葉にも注目してみると良いでしょう。

プレゼントにおすすめなのは、「輝くほどの美しさ」という意味を持つ赤色のアマリリスや「誇り」という意味を持つオレンジのアマリリスです。「虚栄心」という意味を持つ紫色のアマリリスを贈る際などは、メッセージカードを添えるなどの工夫をしてみてください。

どの色も鮮やかで綺麗な色合いをしているので、プレゼントとして渡せばきっと喜んでもらえるでしょう。もちろん、自分用に購入するのもおすすめです。アマリリスを育てるのはそれほど難しくないので、初めて花を育てるという方もぜひ挑戦してみてください。