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ウンベラータを挿し木で増やす方法は?最適な時期や成功させるコツとは

緑色でハートに似た形の葉を持つウンベラータは、近年人気が高まり、インテリアや観葉植物として飾られることが多くなっています。そんなウンベラータを部屋で育てていて増やしたいと思っている、挿し木をしたいけどどうすれば良いのか分からないという人のために、この記事では、ウンベラータを挿し木で増やす方法や成功させるコツ、育て方などをご紹介していきます。

ウンベラータの基本情報

ウンベラータの基本情報
属科 クワ科フィカス属
和名 フィカス・ウンベラータ
英名 Ficus umbellata
学名 Ficus umbellata
原産地 熱帯アフリカの低地

ウンベラータの特徴

緑色の艶やかなハートの形をした大きな葉が印象的なウンベラータ。ナチュラルな雰囲気でオシャレなインテリアプランツとして人気があります。熱帯アフリカ原産の植物です。原産地では10mほどの高さになる常緑中高木ですが、日本では観葉植物として室内で育てられる事が多く、50cm〜150cmほどのサイズが一般的です。花言葉では「健やか」「永久の幸せ」「夫婦愛」という意味を持ち、インテリアだけでなく贈り物にも人気の植物です。

ウンベラータを増やす方法

ウンベラータを増やす方法は数種類あります。メジャーなものとしては挿し木がありますが、その他にも取り木や水差しなどで増やすことが可能です。それぞれ方法が異なり品種によって向き不向きがありますが、ウンベラータはどれも可能です。しかし、一般的にやりやすい方法は挿し木なので、ここでは挿し木についての基本的な方法をご紹介させて頂きます。

挿し木を行うのに適切な時期

挿し木は植物がもっとも元気な生長期に行うのがベストとされています。この時期に行うと根が出やすいので育ちやすくなるのです。植物によって生長期は異なるので、それぞれベストなタイミングで行うようにしましょう。

ウンベラータの挿し木を行う時期としては、春夏がおすすめです。ただ注意したいのが、梅雨時期と真夏の高温時は避けたほうが良いという点です。また、寒い冬は休眠していて生長が鈍くなることが多いので、発根しにくい時期も避けると良いでしょう。

ウンベラータの挿し木の方法

ウンベラータの挿し木の方法は簡単で、幹もしくは枝をカットして苗木を作り、土植えをして増やしていきます。日当たりの良い場所に置けば、約2週間で芽が出て大きくなるでしょう。では挿し木をするにあたって抑えておきたいポイントや詳細、注意点などを簡単に見ていきましょう。

挿し木に必要な道具を準備する

まず挿し木をする際には、道具を揃えておきましょう。用意するものとしては、下記のものが挙げられます。

  • ウンベラータの挿し木
  • 土(赤玉土、鹿沼土、バーミキュライトなど)
  • 水苔
  • 土を入れる鉢(鉢苗ポットなど)
  • 鉢底石
  • 鉢底ネット
  • 発根促進剤
  • 剪定バサミ
  • 樹液から手を守るゴム手袋

最低限これらの道具があれば準備はバッチリです。発根促進剤は必ず必要ではないですが、これを用いることで発根が早まり挿し木の成功率が高まります。また、用意する土は赤玉土だけでも十分です。挿し木後、発根してから別の土に植え替えるようになります。

挿し木の前に剪定する

ウンベラータの挿し木を行うにあたって大切なのが、挿し木の前に剪定をすることです。ウンベラータは生育旺盛で上に伸びる力が強く、葉が茂りすぎたり枝分かれせずに高くなってしまったりするので、先に剪定して形を整えておくのが大切です。

剪定せずに挿し木をして生長すると、樹形のバランスが悪くなり、その状態で生長してしまいます。そうなると葉が密集して日光が届かない葉も出てきて、成長が鈍くなってしまうのです。剪定してあげることで、樹形や日光の日当たり具合を調整して発育を促してあげましょう。

剪定した枝を処理する

挿し木で欠かせない剪定をした後、大切なのは剪定した枝の処理です。剪定後の切り口からは乳白色の樹脂が出てきます。この樹脂は人によっては、触れたままそのままにしていると肌が荒れる場合があるので注意してください。肌についてしまったときは、すぐに水で洗うようにしましょう。予防としてあらかじめビニール手袋をしてから行うのがおすすめです。切った切り口はすぐに水が入った容器に入れ、軽くゆすぎます。これで枝の処理は完了です。

挿し木苗を植える

挿し木苗の準備ができたら、次は土に植えていきます。準備した鉢の一番下に鉢底石を置き、土を入れます。あとは挿し木のウンベラータを植え、水をしっかりやりましょう。発根するまでは土が乾かないように水やりをすることが大切です。

また、直射日光だと暑すぎて挿し木苗が枯れてしまう場合があるので、日陰の風通しの良い場所に置いてあげることが大切です。寝付くまではとてもデリケートな状態なので、小まめに様子を見て生長を促してあげましょう。

挿し木に適した用土

ウンベラータの挿し木の土は、赤玉土、鹿沼土、バーミキュライトなどがおすすめです。特に適しているのが赤玉土で、赤玉土だけでも水苔を用いるだけでも良いでしょう。

土に挿し木を植えたら、発根するまでしっかり水をあげてください。また、挿し木をして発根し生長してきたら、植え替えが必要になってきます。そのときに用いる土は挿し木苗のときとは異なり、混合土を準備するのが良いです。混合土は赤玉土の小粒7割、腐葉土3割を混ぜたものを使用します。あるいは市販で「観葉植物の土」というものも販売しているので、その土を用いても十分です。

日当たりの良いところにおいて水を上げる

挿し木苗を植えたら日当たりと風通りの良い場所に置いて、水をしっかりあげましょう。数日すると挿し木苗も土に慣れてきます。太陽の光は光合成に大切なエネルギーなので、水と太陽の光の栄養で成長を促進させましょう。ただ注意したいのは、真夏の暑い時期は太陽の日差しが強く、日差しに負けて枯れてしまう恐れもあるという点です。季節や状況によって場所を変えるようにしましょう。

挿し木が生長してきたら鉢上げをする

挿し木がうまく発根して、生長してきたら次に行うのは鉢上げです。生長し始めると根や幹がどんどん大きくなるので、小さい鉢では大きさが足りなくなります。新しく一回り大きな鉢を準備し、鉢上げをしましょう。

根っこが鉢の下から出てきたり、盛り上がってきたりしていたら鉢上げのタイミングです。また、鉢上げをする際には、挿し木苗のときに使用した土でなく、上記で紹介した混合土を使用しましょう。生長すると栄養分も変化し、土の状態も変わってきます。

ウンベラータの挿し木を成功させるコツ

挿し木をする際のポイントとしては、枝をカットするときに斜めに切って切り口の表面積を大きくすることが挙げられます。水に面する表面積が大きいと水を吸い上げる力が強くなります。水を吸いやすくなれば発根もしやすくなるので、カットするときに意識すると良いでしょう。また、水やりをしっかりやるのもポイントです。発根するまではまだ土に慣れていないため、水の吸収も十分でありません。土が乾かないようにしっかり水やりをしましょう。

ウンベラータの水挿しのやり方

ウンベラータの増やし方では挿し木の他にも、水挿しがあります。水差しもとっても手軽にできる方法です。やり方は切った枝をそのまま水につけ置いて、発根させる方法です。植物によっては発根するのが早い植物もあれば、時間がかかる植物もあるなどさまざまですが、比較的やりやすい方法なので挑戦しやすいでしょう。

水挿しに必要なもの

水差しをするにあたって必要なものとしては、下記のような例が挙げられます。

  • ウンベラータの水差し用の苗
  • ウンベラータを入れる入れ物(花瓶・瓶・コップなどの水を入れられるもの)

数週間すると根っこが出てくるので、その後、植木鉢に入れる準備物が必要です。

  • 植木鉢
  • 土(赤玉土、芙蓉殿混合土もしくは市販の観葉植物用の土)
  • 鉢底石

こちらは発根してからの用意で大丈夫ですが、早めに準備をしておくと発根してからスムーズに植えられるでしょう。

水挿しのやり方

水差しのやり方としては、まず挿し木用の苗を準備してください。そしてウンベラータの幹を20cmほどの長さにカットして、下の方の余分な葉を落とします。落とした切り口から樹液が出るので、水で洗い流しましょう。

その後、水を入れた花瓶や入れ物に苗を入れます。水が清潔でないと健全な状態で育たないので、毎日水を変えてあげてください。水替えをして数週間経つとそのうち白い根が出てきます。根が出たら植木鉢に入れてその後の生長を見ていきましょう。

ウンベラータの取り木の方法

挿し木や水差しの他にも、取り木で増やす方法があります。取り木は園芸で使われる方法なので、初心者の方はあまり馴染みのないかもしれません。こちらの方法は大量生産ではありませんが、高い成功率で増殖できます。また、取り木は繁殖で数を増やす、弱った根の代わりに新しい根を作るという2つの目的があります。

取り木に必要なもの

取り木をする際に必要な道具には、下記のようなものがあります。

  • 水苔
  • ビニールシート
  • ビニールタイ
  • カッター
  • ハサミ
  • 発根材

役割として、水苔は表皮を剥いだ取り木の部分に巻き、乾燥を防いで発根を促せます。注意しておきたいのが、取り木をする前に水苔を一晩水に浸して十分湿らせておくという点です。ビニールシートは水苔が取れないように周りにかぶせて固定するのに使用します。ビニールシートがない場合はビニール袋でも十分です。

取り木のやり方

増やしたい植物の幹や枝の一部の表皮を切り取り、そこから発根させて新しい株元を作ります。その後、十分に発根したら根の下を切って新たに土に植え付けましょう。その中で、取り木の方法は下記の3つに分けられます。

  • 茎や枝の途中を水苔で包む高取り法
  • 次に茎や枝の一部を曲げて土に埋める圧条法
  • 茎や枝を曲げず上に土をかぶせて埋める盛土法

どれも発根を促す目的で、茎や枝を傷つけておくのが主なやり方です。

ウンベラータを育てる際の管理方法

ウンベラータの増やし方を知った後は、大事なのがその後の育て方や管理方法ですよね。ウンベラータは室内で比較的育てやすい観葉植物ですが、気をつけて育てないと枯れてしまう可能性もあります。ここでは、生育をするにあたって抑えておきたい「置き場所」「水やり」「肥料」「病害虫」などのポイントをご紹介します。

置き場所

ウンベラータは熱帯地域を原産とし、日光を好む植物です。日がしっかりと出る春から秋にかけては日当たりの良い場所に置いてあげましょう。ただし、真夏は日差しが強すぎるため、直射日光を避けた場所で管理してあげるのがおすすめです。この時期に日に当てると葉焼けしてしまったり、枯れてしまったりする恐れもあります。カーテン越しの窓辺が理想です。そして、寒さには弱いので冬場の時期は暖かい場所に置くようにしましょう。

水やり

植物にとって重要なのは水やりです。しっかり水をやることは大切ですが、季節や時期によって水やりの頻度や量が変わってきます。基本的には、土の表面が乾いたら鉢底から水が溢れ出すくらい水を与えます。土が湿った状態や受け皿に水が溜まった状態で水やりをすると根腐れをしてしまうので、注意が必要です。

また、夏は水をやることで日中に鉢の中が高温になり過ぎてしまうことがあるため、早朝や夕方以降に行うと良いです。

冬は休眠期間なので断水気味で行うようにしましょう。土が完全に乾いてから水をやれば良いので、2週間に1回程度で良いです。

肥料

植物を健全に生育するには、栄養があるのとないのとでは大きく変わってきます。植物の栄養として水と日差しの他に挙げられるのが肥料です。適切に肥料を与えることで、植物の状態も良く、健全に生育できます。ポイントとしては4月〜10月の生育期間に窒素が多い観葉植物用の肥料を入れてあげましょう。肥料の種類としては置き肥タイプの暖行性化成肥料や、液体肥料などがあります。ただ、肥料の与えすぎは、状態を悪くすることもあるので、植物の状態をみて与えるようにしましょう。

病害虫

植物を育てる際に気をつけておきたいのが病害虫です。被害に遭うと生育に影響が大きく生じてきます。ウンベラータが被害に遭いやすい病害虫としては、ハダニが挙げられます。ハダニは乾燥している冬に発生しやすい害虫です。ハダニは葉の後ろ側に住み着いて白い蜘蛛の糸のようなものをはります。ハダニがつくと枯れてしまったり、生長を妨げたりしてしまうので、もしついていたら対処をしなければいけません。ハダニは水に弱いので、こまめに霧吹きで葉水すると良いでしょう。

挿し木で増やしたウンベラータのおすすめの飾り方

緑色の綺麗な葉を持つウンベラータは部屋を明るくしてくれるため、インテリアとしても人気の観葉植物です。そんなウンベラータを挿し木などで増やした後は、どこに置こうか悩んでしまいますね。どこに置いてもオシャレに見えますが、おすすめの場所や飾り方をお伝えさせて頂きます。

玄関

インテリアで第一におすすめしたい場所は、玄関です。家の入り口である玄関にウンベラータを置くことで、入った瞬間パッと明るい印象をもたらしてくれます。玄関は家の第一印象です。パッと明るくさせてくれる愛らしいウンベラータを置くことで、家の雰囲気が華やかになるでしょう。また、ウンベラーの花言葉に「永久の幸せ」があります。家のシンボルツリーとして置くことで、花言葉のように家庭に幸せが満ち溢れるでしょう。

リビング

リビングは家族や人が集まる憩いの場です。そんな場所に緑豊かなウンベラータはいかがでしょうか。部屋の緑があることで、気持ち良い空気が流れ、場を和ませてくれるはずです。また、緑色はカラーセラピーとしても癒しや和み、人間関係を豊かにする意味があります。人が集う場に緑のウンベラータがあるとリビングの空間でリラックスでき、人が集う暖かい雰囲気がより増して、その場を和ませてくれることでしょう。

店舗

観葉植物は、家だけでなく店舗に飾るのもおすすめです。カフェやレストランなどのオシャレなお店に観葉植物が並んでいる様子を見たことがある方は多いのではないでしょうか。植物はリラックス効果を与えてくれるので、お店を癒しの空間にしてくれるでしょう。

お客さんにリラックスできるお店と認識してもらえれば、何度も来てくれる可能性があります。お客さんに落ち着いて利用してもらうためにも、店舗にウンベラータを飾るのがおすすめです。

ウンベラータを挿し木で増やしてみよう

近年、観葉植物の中でも人気が高いウンベラータ。緑色のハートの形をしたウンベラータは見ているだけで癒しをくれます。そんなウンベラータの増やし方には、挿し木や水差し、取り木などがあります。特にメジャーなのは挿し木なので、ウンベラータを増やしたいと思っている方は、ぜひ挑戦してみてください。