サンスベリアが枯れる原因は?枯れるときの予兆や対処法を解説
「サンスベリアを部屋に置きたいと思っているものの、以前枯らせてしまったことがあり迷っている」「植物を育てるのが初めてだから枯らさないか不安」と思ってしまう方もいるでしょう。
サンスベリアはいくつかの原因により、枯れる場合があります。ただし、正しくお世話をすれば枯らさず元気に育てられます。本記事では、サンスベリアが枯れる原因や枯れる予兆、枯れてしまった場合の対処法、枯らさないための育て方などを詳しく解説します。
サンスベリアが枯れる原因
まずはサンスベリアが枯れる原因として主なものを見ていきましょう。サンスベリアをしっかり育てようと手厚くしているお世話が、実は枯れる原因につながることもあります。もし過去にサンスベリアを枯らせてしまったことがある方は、次のような管理をしていなかったか振り返ってみてください。
水をやりすごている
サンスベリアが枯れる原因でとても多く見られるのが、水のやりすぎです。水をやりすぎると根腐れを起こし、葉も枯れてしまいます。サンスベリアは特有の肉厚な葉に水分をたっぷり含んでいます。
そのため、土の中の湿気に特に敏感です。植物は土の表面が乾いたらすみやかに水やりをすることが多いですが、サンスベリアの場合はこのタイミングでもまだ葉に水分を持っているため、水やりはを行う段階ではありません。土の中の状態まで確認する必要があります。
肥料を与えすぎている
肥料は植物に栄養をプラスするために重要なものですが、与えすぎは禁物です。サンスベリアに肥料を与えすぎると、肥料やけを起こす可能性があります。肥料やけは、過度の肥料によって植物の根や葉にダメージが加わり、枯れてしまうことで起こる症状です。人も栄養を取りすぎると体調不良や病気につながるように、植物も栄養の与えすぎは生育に悪影響を及ぼす場合があります。
直射日光による葉焼けをしている
サンスベリアは日光を浴びるのが好きな植物です。しかし、直射日光は逆にサンスベリアの天敵になります。あまりにも強い日差しを浴びると、葉焼けを起こしてしまうのです。葉焼けをすると、サンスベリアの葉の組織が壊れ、茶色く変色して光合成などを行えなくなります。その結果、光合成による栄養が得られなくなって枯れてしまうのです。
根詰まりしている
根詰まりもサンスベリアが枯れる原因としてよく見られます。サンスベリアは成長のスピードが早い植物で、根もぐんぐん伸びます。
しかし、植え替えなどをせずずっと同じ鉢で育てていると、根が鉢の中でぎゅうぎゅうに詰まった状態になってしまいます。これが根詰まりです。根詰まりが起こると、鉢の中の水はけが悪くなるため、そこから湿気が溜まりやすくなり、根腐れなどに発展する可能性があるのです。最終的には枯れてしまうこともあります。
寒い場所に置いている
サンスベリアは寒い場所が苦手な植物です。特に、冬場の寒さに耐えられず枯れてしまうケースが少なくありません。サンスベリアは冬になると冬眠をし始めます。冬越えに成功すると、また次の春から成長を再開しますが、冬に寒い場所に置かれていたり、冬眠中なのに水を与えられたりすると、ダメージを受けて枯れてしまいます。
サンスベリアが枯れる原因につながる病害虫
サンスベリアは周りの環境によって枯れるケースの他、病害虫などの影響で枯れるケースもあります。サンスベリア自体は比較的病害虫には強い植物ですが、次のような病害虫の被害を受ける可能性も珍しくありません。屋内に置いている場合でも病気や虫は発生するので、注意しましょう。
立枯病
立枯病は、土の中のカビなど病原菌が原因で引き起こされる病気です。カビから菌糸が伸び、根や茎などから侵入していきます。初めは生育不良などから始まり、さらに病気が進むと最終的には枯れてしまいます。サンスベリアが立枯病にかかると、葉が元気を失い倒れてしまうことに。立枯病が進行しすでに枯れてしまった葉はもう元に戻りませんが、無事な葉は新しく育てることも可能です。なお、立枯病は寒い環境や湿度の高い環境で発生しやすいため、温度管理や風通しに気を配ることが予防法です。
ハダニ
全長1mm未満の小さなクモのような虫で、黄緑や茶色の体色をしています。植物に付いて、その養分を吸い取ってしまう害虫です。繁殖力が強く、あっという間に増えるので見つけ次第早急に駆除をする必要があります。肉眼で見つけるのは難しい場合もありますが、糸をはく習性があるので、サンスベリアにクモの糸のようなものが付着していたら、ハダニの存在を疑いましょう。一気に駆除するには、専用の殺虫剤の使用などが効果的です。
アブラムシ
植物の新根やつぼみにつきやすい害虫です。植物から養分を吸い取るだけでなく、体内のウイルスを感染させて枯らせてしまうため、非常に厄介な存在といえます。アブラムシが発生しやすくなる要因の1つは、窒素が多く含まれる肥料の施肥です。肥料内の窒素により、植物がアミノ酸を多く生成するようになり、そのアミノ酸にアブラムシがよってくる場合があります。また、風通しの悪い場所もアブラムシにとって快適な環境です。肥料の選び方や、サンスベリアの置き場所を工夫すれば予防できます。
カイガラムシ
カイガラのような硬い殻をもつ害虫で、成虫は数mmから10mmほどのサイズです。植物の汁を吸うため、植物は衰弱し枯れてしまいます。また、排せつ物から、すす病などの別な病気を招くこともあるのです。幼虫のうちは殺虫剤での駆除が有効ですが、成虫になると硬い殻が邪魔をして殺虫剤が効きにくくなるため、歯ブラシでこすり落とすなど、物理的な駆除が必要になります。
サンスベリアが枯れる予兆
サンスベリアが枯れそうな状態に気が付けば、枯れる前に救えるかもしれません。ここでは、サンスベリアが枯れる予兆を紹介します。次のような状態が見られたら、サンスベリアは何らかの原因により、悪影響を受けている可能性があります。すみやかな対処が必要です。
葉っぱがぶよぶよする
サンスベリアの葉が少しふくらんだようになり、触るとぶよぶよと柔らかい状態になっていれば、それは枯れる予兆です。健康なサンスベリアの葉は、肉厚でしまっており、硬さがあります。葉がぶよぶよしているのは、葉の中が腐っているからです。根腐れが発生し、根だけでなく葉まで影響が出ていると考えられます。この状態になると葉が正常ではないため、栄養も十分いきわたらず、そのまま枯れてしまうことが多いでしょう。
葉っぱが薄くなる
サンスベリアの肉厚だった葉っぱが薄くなるのも、枯れかけているサインです。先に述べた通り、サンスベリアは通常、葉に多くの水分を含んでいる植物です。葉が薄い状態は、葉の中の水分が著しく不足していることを意味します。この段階で水やりを行えば復活する可能性はありますが、そのまま放置するといずれ枯れてしまいます。
葉っぱが変色する
葉っぱが黄色・茶色などに変色するのも枯れる予兆の1つです。葉全体が茶色になっているなら、根腐れや葉焼けの可能性が考えられます。また、葉の先がカラカラに乾いたり変色したりしているなら、根がダメージを受けている状態かもしれません。
サンスベリアが枯れてしまった場合の対処法
1度枯れてしまったサンスベリアの葉は、そこから復活させることはできません。ただし、元気な葉や株が残っていれば、枯れてしまった葉・株と別にし、また育てていくことは可能です。ここからは、サンスベリアが枯れてしまった場合の対処法を解説します。
葉挿し
葉挿しとは、その名前の通り葉を土に挿す方法です。サンスベリアが枯れてしまったとき、まだ枯れていない葉が1枚でも残っていれば行えます。挿した葉から新しい根や葉が出てくるので、上手に育てていけばまた大きなサンスベリアに復活するでしょう。
なお、葉挿しに適した時期は5~8月頃です。それ以外の時期はサンスベリアは休眠により成長をとめやすいので、葉挿しをしても思うように育たず失敗する可能性があります。
葉挿しの方法
まずはみずみずしく元気な葉の部分を選びます。もし葉の一部が枯れたりなどしていても、虫・傷が付いていなければ葉挿しに使うことが可能です。葉の部分を選んだらそこだけを切り取りましょう。葉が長い場合は10cmくらいで切り分けましょう。風通しの良い日陰で数日乾燥させてから、葉挿しを行います。
鉢に鉢底石と土を入れ、切り取った葉の根に近かった方(先端と反対側)を土に1/3~半分くらいまで差し込んでください。1ヶ月くらいそのまま様子を見て、1ヶ月後に根が出ていたら、しっかり土に埋めて、水を与えながら育てていきましょう。
株分け
葉が枯れてしまっても、株がまだ元気な状態であれば株分けで復活させていくこともできます。株分けもサンスベリアが成長の力にあふれた5~8月頃に行うのがポイントです。休眠期や休眠が近い時期に株分けすると、育ちきれない可能性が高いので気を付けましょう。
株分けの方法
枯れた葉などはすべて除去し、株だけの状態にします。鉢から優しく株を外し、周りに付いている土などを落として、株の状態をチェックしましょう。もし根腐れなどを起こしている場合は、ダメな根だけ切って取り除きます。また、無事な子株があったらそれも切り分けてください。子株を分けた場合は、親株と子株の切り口をそれぞれ1日ほど乾燥させます。乾燥が済んだら、鉢に鉢底石と土を入れ、株を(複数ある場合はそれぞれ1つの鉢に)入れてさらに土をかぶせます。土が少し湿るぐらいに水を与えて、様子を見ながら育てていきましょう。
サンスベリアを枯らさないための育て方
サンスベリアは、枯れてしまっても元気な葉や株が残っていれば、まだ救える可能性はあります。しかし、すべて枯れてしまう前に対処すればいいと考えるのではなく、日ごろからサンスベリアを枯らさないための育て方を意識することが大切です。最後に、サンスベリアが元気にすくすく育つよう、押さえておきたいお世話のポイントを解説します。
日当たりと風当たりが良い場所に置く
サンスベリアが好む日当たりの良い場所に置くことは、枯らさず育てるためにとても大切です。直射日光はサンスベリアにとって毒なので、日差しが強すぎるところは避ける、窓際であればレースのカーテンで光をやわらげるなどの工夫をしましょう。湿気がこもりやすい場所は根腐れなどの危険性があるため、風通しの良さも意識してください。
ただし、エアコンの風がダイレクトに当たるような場所は、サンスベリアが乾燥したり、極度な温度変化でダメージを受けたりする可能性があるため注意が必要です。自然な風が通る場所を探しましょう。
日当たりが悪い場所での育て方
窓がない部屋など、日当たりが悪い場所にサンスベリアを置きたいと考える方もいるかもしれません。その場合は、日当たりの良い場所よりさらに一工夫必要です。まず1つは、最低週1回程度は日光に当てることが挙げられます。暗めなところから移動させて日光に当てるときは、日差しの強さに気を付けてください。
もう1つは、水やりを控えめにすることです。日が当たらなければ、土や葉から失われる水分の量も少なくなります。通常ペースで水やりをすると、あげすぎになってしまうので気を付けましょう。
土が乾いてから水をたっぷり与える
サンスベリアを枯らさないためには、水やりの仕方を意識しましょう。完全に水が不足している状態で水やりをするのがポイントです。水分を多く含むサンスベリアは、土の表面が乾いた後、数日ほど経った頃が水やりのベストタイミングになります。あるいは、サンスベリアの葉に縦じわがよってきたら、土の中の水分も葉の水分も不足しているサインなので、この段階での水やりでも良いでしょう。水はたっぷり与え、鉢皿に溜まった水は捨ててください。
成長期には肥料を与える
過度の肥料はサンスベリアが枯れる原因になるため、時期を見極めて与えましょう。成長期であればサンスベリアは通常時よりも多くの栄養を欲するため、与えた肥料をしっかり成長に使えます。サンスベリアの成長期は、5~9月頃です。
固形肥料であれば2ヶ月に1度、液体肥料であれば水で薄めて2週間に1度を目安に与えましょう。成長期であっても肥料の与えすぎは禁物、あくまで適量が鉄則です。
10℃以上を保てる環境に置く
サンスベリアは1年中、10℃以上を保てる環境で育ててください。寒さが厳しくなる冬はもちろん、冬以外の季節に冷え込むこともあり得ます。また、比較的温度が高い屋外であっても、場所によっては温度が低めの場所もあるため注意が必要です。
例えば、窓辺は外気温の影響を受けやすい場所なので、冬に窓辺に置くと寒さで枯れてしまう可能性があります。サンスベリアを枯らさないで育てるためには、温度管理をいつも意識しましょう。
2年に1度の頻度で植え替えをする
根詰まりを防ぐため、2年に1度の頻度で植え替えを行いましょう。株の大きさに合わせ、根に適度なスペースの余裕が生まれるよう、ワンサイズ大き目の鉢を用意してください。植え替えの仕方は株分けのときとほとんど同じです。サンスベリアを育てる上では水はけの良さを保つのがポイントの1つなので、土も水はけが良い種類を選びます。
なお、植え替えも葉挿しや株分けと同様、5~9月の成長期に行いましょう。もし休眠期に植え替えが必要だと気が付いたとしても、休眠期は我慢が必要です。サンスベリアが枯れないよう管理に注意しながら、次の5月を迎えたら植え替えてください。
害虫を発見したらすぐに除去する
サンスベリアに害虫が付いているのを発見したら、すみやかに除去することも大切です。害虫の数や状態によって、駆除の仕方も変わります。まだ数が少ない状態であれば、テープで葉の上の害虫を貼り付けとったり、歯ブラシでこすったりなどの対処ができるでしょう。
数が多ければテープやブラシではらちが明かないので、殺虫剤などを使って1度に駆除する方が効率的です。サンスベリアが病害虫に負けないよう、虫がいる痕跡がないかこまめに確認してみてください。
サンスベリアが枯れる原因を知って適切な対処をしよう
サンスベリアには枯れる場合の原因がいくつかあります。何が原因なのかを突き止められれば、適切な対処をし、すべてが枯れてしまう前に元気な葉や株を助けることもできます。
また、枯らさないためのお世話の仕方を押さえておくことも大切です。育て方のポイントさえ理解しておけば、サンスベリアの管理はそれほど難しくありません。活き活きとした姿で、インテリアのおしゃれなアクセントになってくれるでしょう。この記事の内容を踏まえながら、サンスベリアの栽培に挑戦してみてください。
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