豆知識

ラ・メールコラム > 豆知識 > ポインセチアの育て方は簡単?難しい?葉の色を鮮やかにするコツも紹介

ポインセチアの育て方は簡単?難しい?葉の色を鮮やかにするコツも紹介

クリスマスシーズンが近づくと花屋の店頭に並び始めるポインセチアは、ビビッドな赤色が印象的な植物です。ポインセチアは冬の時期だけの植物と思われがちですが、実は1年を通して鑑賞することも可能な常緑性の低木に分類されています。

今回は、そんな赤色が特徴的な美しい植物であるポインセチアを育てたいという方のために、ポインセチアの上手な育て方のコツを分かりやすく解説します。初心者にも挑戦できるお手入れ方法、ポインセチアを色鮮やかにするコツなども紹介するのでぜひ参考にしてみてください。

ポインセチアってどんな植物?

クリスマスを彩る存在として、すっかりと定着しつつあるポインセチアはメキシコ原産の植物です。

野生種は少しくらいの寒さでは枯れることはありませんが、一般的に出回っているポインセチアは耐寒性がないので、10℃以上の室内で育てることをおすすめします。

実は、赤い花のように見える特徴的な部位は「苞葉ーほうようー」といい、花は中央の黄色のポツポツとした所です。

ここではポインセチアの基本データや花言葉などをチェックしてみましょう。

ポインセチアの基本情報

分類 常緑低木
学名 Euphorbia pulcherrima
和名 猩々木(ショウジョウボク)
英名 poinsettia(ポインセチア)
科名 トウダイグサ科
属名 トウダイグサ属(ユーフォルビア属)
原産地 メキシコ・中央アメリカ
開花期 12月~2月

 

ポインセチアは葉の赤色の部分が印象的で、あまり大きく成長する印象がない方も多いかと思います。しかし、原産地では草丈が3m以上に生長することでも知られている植物です。日本でも、沖縄などの暖地では、地植えで1m以上に育つこともあります。

名前の由来

ポインセチアの名前の由来は、メキシコに駐在していたアメリカの外交官・ジョエル・ポインセットが本国にこの植物を持ち帰ったことで、彼の名前から「ポインセチア」になったという説があります。

その後明治時代に日本に伝わり、猩猩木(ショウジョウボク)と呼ばれるようになったのです。ちなみに「猩猩(猩々)」とは、古典書物に出現した伝説の動物です。

また、原産国のメキシコでは、ポインセチアのことをNoche Buena(ノチェブエナ)と呼んでおり、これは「良い夜」「神聖な夜」という意味です。

ポインセチアがクリスマスに飾られる理由

ポインセチアがクリスマスの花の象徴になっているのは、その鮮やかな赤色が由来になっています。キリスト教では、赤はキリストの流した血、緑は永遠の命、白は純潔を意味しているからです。

この植物は真っ赤な葉を持ち、茎は鮮やかな緑色、また樹液は白なので、クリスマスの花として定着していきました。

また、花言葉に込められている意味の中に「聖夜」とあることも、ポインセチアがクリスマスの花として親しまれている理由です。

花言葉

ポインセチアが秘めている花言葉は4つあります。それぞれ解説していきましょう。

  • 聖なる祈り

メキシコではポインセチアを「ノチェブエナ」と呼んでいおり、これを日本語に訳すと聖夜になるという点から誕生した花言葉です。ポインセチアの別名は「クリスマスフラワー」とされていることからも、クリスマスにピッタリの花といえます。

  • 清純

原産国のメキシコでは、赤色を「清純」の色として神拝していました。先住民にとっての「色」は神・自然のパワーそのものだったのです。中でも赤は「出産・若さ」のシンボルでした。したがって赤色を通して、自己のアイデンティティや神聖な結びつきを具現化していたと思われます。

  • 幸運を祈る

この花言葉はメキシコの古い伝説に関連しています。これは貧しい少女が贈り物として作った草花のブーケが、イエス様に捧げたことで真っ赤な美しい花になったことが原点になっているのです。その花がポインセチアだという伝説になり、この花言葉が広まりました。

  • 私の心は燃えている

この花言葉は、ポインセチアの葉の色が燃えるような赤色をしていることに由来しているといわれています。

【季節別】ポインセチアのお手入れの流れ

四季を通して鑑賞できるポインセチアは冬の管理が難しく、寒い屋外では一晩で枯れてしまうこともあるのです。このようにポインセチアは繊細な植物ではありますが、ちょっとしたコツで長く楽しむことができます。ここでは季節ごとのお手入れの流れを紹介しましょう。

12月~2月頃まで

12月~2月の寒い時期は、ポインセチアの開花時期となります。温度管理に気をつけて、10℃以下にならない室内で育成しながら、葉や花を鑑賞してください。

3月

寒い時期は水やりの回数を少なめにして、肥料も与えません。室内に置いてある場合でも、夜に水やりをすると鉢の内部が冷えてしまうので、夜の水やりは控えましょう。霜が降りている間は、室内で育てる方が良いです。

4月

気温が20℃を越え始めたら屋外に出すことも可能です。4月からは生育期に入るので、植え替えが必要な場合は、この時期を逃さないようにしましょう。植え替えと同時に剪定(株の半分くらいを切り戻す)も行うと、生育が活発になります。

5月~6月

気温が高くなったら、水やりの回数を増やしましょう。鉢土が乾燥し過ぎないように、注意して水をあげてください。まだ剪定が完了していない場合は、この時期に行うのがおすすめです。暑くなってから切り戻しをすると、生育を妨げることがあるので注意しましょう。

6月の梅雨の時期は水やりの回数は控えめにしてください。水の与え過ぎは根腐れの原因になります。心配なら霧吹きで葉水をすると良いです。

7月~8月

急激に暑くなるこの季節は、ポインセチアの置き場所にも配慮が必要になります。半日陰になる風通しが良い場所に移すと安全です。また、気温が35℃以上になると、生育が衰えることがあります。この場合は、肥料は控えて様子を見ましょう。

9月~10月

4月から10月まではポインセチアの生育期です。うまく育てば新芽が出て生長して、グリーンの葉っぱが次々と生えてきます。短日処理を開始するなら、9月頃からがおすすめです。短日処理については、後ほど詳しく説明します。この時期のポインセチアは、観葉植物として楽しむことも可能です。

11月

引き続き短日処理を行う時期になります。生育期を過ぎているため、肥料は抑え気味にしてください。苞葉が色づいたら肥料はお休みしましょう。また、夜になると急激に気温が下がる可能性があるので注意が必要です。霜に当たるとすぐ枯れるので、10℃以下になったら室内で育てるようにしましょう。

ポインセチアの上手な育て方

ポインセチアは、ちょっとしたコツを押さえれば、長く楽しむことができる植物です。しかし、初心者には「どうすればうまく育てることができるのか」わかりませんよね。ここでは、ポインセチアに合った土壌づくりや置き場所、水やりの仕方など、ポインセチアの上手な育て方を解説します。

置き場所

赤く色づいた葉っぱをなるべく長く鑑賞するためには、室内の温度を10℃以上にすることが大切です。ポインセチアは急激な温度変化や環境の移り変わりに弱いので、できる限り環境に慣れさせるのが育成のコツになります。

ポインセチアは、とても暖かい環境の中で育てられて出荷されます。ところが、家庭では外出するときに暖房を消しますよね。この気温の変化が、ポインセチアにとってのストレスにつながってしまうのです。

こういったストレスが落葉の原因になるので、早めに購入して家の環境に慣れてもらうことが大切なのです。

用土

ポインセチアに合った土は、排水性と保水性のバランスが良いものです。初めて植物を育てる方で、土の配合までは難しいという場合は、市販の「観葉植物用の培養土」を使用してみましょう。

これは、どんな花にも合うようにバランスがいい土質になっているので手軽に使えます。自分で土を購入して配合する場合は、赤玉土(中・小)と腐葉土とピートモスを5:3:2の割合でミックスさせると良いでしょう。最後に緩やかな効き目の緩効性肥料を与えればOKです。

肥料

春からは生育期となるので、1週間〜10日ごとに液体肥料を与えると良いでしょう。ハイポネックス原液を水で薄めて使用するのがおすすめですが、もっと簡単にお世話したい方には、緩効性肥料プロミック錠剤などが向いています。

こちらは効果が2か月間あるので、与えた日にちを忘れないようにメモしておいてください。追肥は10月で終了します。ポインセチアは11月からは休眠期なので、肥料はできるだけ控えるようにしましょう。

ポインセチアの苗を選ぶ際は、茎が弱々しいものを避け、がっしりしているものがおすすめです。葉っぱがきれいに色づき、生き生きしていれば丈夫な証になります。根元がグラついているものや、葉の裏側が傷んでいるものは弱っているかもしれません。

また、先ほども解説した通り、ポインセチアは環境の変化に敏感な植物なので、なるべく早い段階で購入して適切なケアをしましょう。

水やり

上記でも解説した通り、水やりのタイミングは季節ごとに異なります。基本的には、鉢内部の水分が多過ぎると根腐れしてしまうので、鉢土が完全に乾いてから水やりをするようにしてください。特に、冬は休眠期に入って根が水分を吸収するパワーが弱まるため、水やりは控えめにするようにしましょう。乾燥が気になる場合は、霧吹きで葉水を行うと良いです。

剪定

剪定(切り戻し)をすることで、大きさをコントロールできる、傷んだ株を再生できるといった効果があります。来年以降も美しい葉をつけさせたい場合は、この作業が必須です。適期は暖かくなってきた4月~5月で、その時点で元気な葉っぱの上側を剪定します。葉が全くない状態の場合は、低めに剪定するのがおすすめです。

このとき、枝を切ると白い樹液が出る点に注意が必要です。ポインセチアの樹液は人によってはかぶれる危険があるので、必ず手袋などをして作業してください。

ポインセチアの花が終わったら?

ポインセチアの花は中央にある黄色の部分で、時期が終わると自然に枯れていきます。ポインセチアは花の寿命は非常に短いですが、色づいた苞葉は長い期間鑑賞することが可能です。

春になって葉が落ちて傷んできたように見えても、諦めないでください。このような場合は、指先で幹を触ってまだ固ければ大丈夫です。4月以降の剪定で充分に復活する可能性があります。

ポインセチアを色鮮やかにするコツ

ポインセチアは冬の赤い葉のイメージが強いため、夏には普通の緑色の葉っぱになることを知っている方は少ないでしょう。その上、ポインセチアは普通に育てているだけでは、花屋などで販売されている花のような鮮やかな赤色にはなりません。

実はポインセチアを色鮮やかに赤くするためには「短日処理」が必要です。では、短日処理はどのように行えば良いのでしょうか?ここでは翌年もポインセチアを色づかせるためのポイントを紹介していきます。

短日処理の方法

短日処理を簡潔に説明すると、意図的に「暗い時間を13時間以上」作ることです。

例えば、ポインセチアの置いてある部屋に、遮光カーテンを付けたり段ボールを被せることで人工的な暗闇を作る方法などがあります。このようにして、植物に光の当たらない状態を作り出すことを「短日処理」といいます。

ポインセチアは室内で育成することが多いので、夜も電灯の光を浴びてしまい、そのために葉(苞)がなかなか色づかないというケースも多いとされているのです。

ポインセチアの短日処理は、寒くなって来た9月頃から2か月ほど続けると良いでしょう。日が暮れる夕方の時間帯から、朝7時くらいまで光を遮るようにしてみてください。

このとき必要になるのは、ポインセチアを十分に覆うことができる位の大きさがある段ボールや発泡スチロールです。苞葉が色づいてきたら短日処理を終了して構いません。

自力で赤くさせる方法

短日処理を面倒だと感じる方も多いはずです。そんな方は、自然にポインセチアを色づかせる方法を試してみてください。

この場合は、9月以降は光の当たりにくい部屋で育てることができたらベストです。夜の温度が15℃を下回らない間は、できるだけ屋外で育てるのがポイントになります。

また、室内での置き場所は、昼間は日が入り夜には暗くなる場所が最適です。使っていない部屋の窓際や渡り廊下の窓際などでも良いでしょう。自力の場合は少し色づくのが遅くなるかもしれないという点に注意が必要です。

ポインセチアに起こりやすいトラブル

ポインセチアを育てる際には、トラブルが発生する可能性もあります。ここでは、ポインセチアにつきやすい害虫や起こりやすい病気などを詳しく解説していきます。対処方法も紹介していくので、育てる際の参考にしてください。

ハダニ

ハダニは体長5mmほどで、葉に付いて吸汁します。ハダニが吸汁した後の葉っぱには、葉緑素が抜けてクモの巣のような跡が残るのが特徴です。葉に斑点や傷ができてから気がつくケースが多く、気がついたときには手遅れになっていることも少なくありません。

放っておくと大量発生することもあるので気をつけましょう。対処法は、傷んだ葉はすぐに取り除くことです。ひどくならないうちに殺虫剤を使用するのも効果的です。

灰色カビ病

ボトリティス菌というカビが原因で発生する「灰色カビ病」は、枯れた葉から伝染して次々と感染してしまう可能性があります。この病気は寒い時期になると出現するケースが多いので、日照時間が短くなったら注意してください。

対処法は葉が茂り過ぎないように注意することです。なるべく通気性の良い場所で育てると安心です。

根腐れ

水を与えても元気にならないときや、葉っぱが次々に落ちてしまうときは、根腐れを起こしている可能性があります。根腐れは、土中の酸素濃度が低下することで発生することが多いです。

このため根が栄養分(水)を吸い上げることができなくなり、放置すると枯れてしまいます。

対処法は、土の環境を変えることです。赤玉土やゼオライトをミックスさせることで、根腐れ防止策となります。移し替える際には、傷んでしまった根を優しく取り除いてあげると、回復が早くなります。

ポインセチアの育て方をマスターして翌年も楽しもう

ポインセチアはクリスマスの定番とも言える植物ですが、意外に育て方を知らない方も多いのではないでしょうか。育て方をマスターできれば、毎年美しい葉を鑑賞することができます。

最近では赤以外にも、クリーム色やピンクなどの優しいトーンのポインセチアが誕生してアレンジの幅も広がりました。

また、ポインセチアは、「幸運を祈る」などの素敵な花言葉を秘めているので、ギフトにもピッタリです。ポインセチアの購入を検討している方は、ぜひフラワーギフトラボをご利用ください。