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グリーンのラナンキュラスにはどんな種類がある?品種や選び方を紹介

豊富なカラーラインナップで人気のラナンキュラスに、グリーンの品種があるのをご存知ですか?近年園芸品種の開発が活発なラナンキュラスは、他の花には無いさまざまな色の品種が開発され、流通しています。

グリーンのラナンキュラスもたくさんの品種が誕生しており、グリーンの色味も咲き方も個性豊かです。今回は、そんなグリーンのラナンキュラスの花言葉からグリーンの花色の品種、楽しみ方や栽培方法まで詳しくご紹介します。

ラナンキュラスとは

ラナンキュラスは、キンポウゲ科に属する球根植物です。一般的な園芸品種のラナンキュラスは、地中海性気候地域に分布するラナンキュラス・アシアテクスと呼ばれる品種を品種改良したもののことを言います。

花期は春で、暑い夏になると休眠し花は咲きません。近年、切花用のラナンキュラスの品種改良が活発になり、さまざまな種類のラナンキュラスが誕生しています。

学名 Ranunculus asiaticus
原産地 西アジア 

ヨーロッパ

分類 キンポウゲ科

キンポウゲ(ラナンキュラス)属

開花時期 3月〜4月

ラナンキュラスの特徴

ラナンキュラスの特徴は、なんと言ってもボリュームのある花です。幾重にも重なった花びらを付けた花は、存在感を放ちつつ、とても上品です。椿のようにコロンとしたシルエットの「カメリア咲き」が多く流通していますが、品種によって咲き方も違います。

花びらの先端がフリルのようなもの、バラの様に重なり花びらがふんわりとカールしているものなど、咲き方も個性豊かです。

色合いも実にさまざまで、淡い色味からビビットカラー、グラデーションなど、魅力的な色のラナンキュラスが次々と開発されています。他の花にはめずらしい黒やグリーン、アンティークな色味など、おしゃれでモダンな印象の色が揃うのも、ラナンキュラスの特徴です。

いくら見続けても見飽きないほど、重なり合った花びらや美しい色がとても魅力的な花と言えます。園芸品種の中にはスプレー咲きといって、1つの球根から複数個の花を咲かせるラナンキュラスや、球根を植えたままで毎年花を咲かせる品種など、切花だけでなくガーデニングにも華やかさを添えてくれます。

色ごとのラナンキュラスの花言葉

ラナンキュラスの全体的な花言葉は「魅力的」です。まさに、ラナンキュラスの花にぴったりの花言葉ですね。春先に出回るラナンキュラスには、「合格」という花言葉もあり、近頃は「合格の花」と縁起の良い花として販売されることも多いようです。

また、ラナンキュラスは色によって花言葉が違います。

  • 白色:「純潔」
  • ピンク色:「飾らない美しさ」
  • 赤色:「あなたは魅力に満ちている」
  • 紫色:「幸福」
  • 黄色:「優しい心遣い」

このように、人それぞれの魅力を表した様な花言葉を持っています。グリーンのラナンキュラスの花言葉は、「お祝い」です。ラナンキュラスの上品さに、ナチュラルさと清々しさが合わさったグリーンの花に付けられた「お祝い」という花言葉は、飾らない素直な祝福の気持ちを表すようでとても素敵ですね。

グリーンのラナンキュラスの品種

グリーンのラナンキュラスと一口に言っても、その品種は今回ご紹介するだけでも11種類あります。同じグリーンでも、色合いがそれぞれの品種で違い、どれも美しく魅力的です。どのような特徴があるのか、11種類それぞれの品種をご紹介します。

グリーンイーグル

鮮やかなグリーンの花のグリーンイーグルは、ラナンキュラスの中では小さめの花の品種です。まるで葉のようなグリーンの花びらがたくさん重なり、コンパクトな見た目も相まってナチュラルな印象を与えます。

ブーケやアレンジメントに入れると、キュッと全体の印象を締めるようなナチュラルで凛々しい雰囲気を持っています。花持ちが良く、花粉が付かずにきれいに鑑賞できる期間が長いのも特徴です。

ライオン

ライオンという品種の名の通り、花びらがライオンのたてがみのように見える花です。中心から外に向かうにつれ、こんもりと広がる花びらはまさに百獣の王をイメージさせます。大きさもしっかりと存在感が感じられるサイズで、色は鮮やかなグリーンです。お部屋に一輪飾るだけでも、ぐっとおしゃれな空間にしてくれます。

レオニャン

レオニャンは、全体的に丸みを帯びた可愛らしい印象の品種です。こんもりとした形と、何重にも重なった花びらが、グリーンのクールな色に柔らかい雰囲気を加えます。色はふんわりとした淡い黄緑色で、どんな色味の花とも相性が良いでしょう。

アラクネ

アラクネも、葉と同じ様な鮮やかなグリーンの花色のラナンキュラスです。咲き始めはボール型で、だんだんと菊のように、さらに開花が進むと花芯が見えてきます。花の開花状態によって、いろいろな表情が楽しめる品種です。

花びらは、細かな産毛に包まれたようなマットな質感で、ナチュラルでアンティークなブーケやアレンジにもよく馴染みます。

キュレネ

キュレネは、スプレー咲きのラナンキュラスで、1つの球根からたくさんの花を咲かせます。花の色は中心は茶色〜グリーンで、外側の花びらはくすんだピンクで、とてもシックな色合いです。

グリーンとピンクのコントラストが美しく、可愛さとクールさを持つ魅力的な品種です。花は比較的小さめで、葉もコンパクトにこんもりと茂るタイプなので、ガーデニング用途では寄植えにも向いています。

ショーモン

ショーモンは、明るい黄緑色がとても春らしい品種です。柔らかいフリル感のある花びらは巻が少なめで花芯も見えないため、カーネーションのような咲き方の花です。すっと伸びた茎に鮮やかなライトグリーンの花の姿は、一輪飾るだけでも凛々しく素敵な雰囲気を漂わせます。

また、花びらの巻が少なめなので、あっさりとした見た目も特徴です。甘くなりすぎないので、男性へのフラワーギフトなどに使用するのもおすすめです。

ブーブレ

ブーブレはしっかりとした緑色の花が特徴のラナンキュラスです。花びらが小さめで、まるで葉のようにふさふさとしています。花持ちは良いほうで、生けておくとだんだん花の中心が茎が伸びるように上へ伸びていきます。

花の下半分と中心部分が分離していくような変化を楽しめるユニークな品種です。

ポムロール

ポムロールは、はっきりとした濃いグリーンが印象的な品種です。花びら1つ1つは小さめで、少し厚みのある質感は菊の花に似ています。落ち着いた印象の花なので、どんなアレンジにも馴染み、菊のような咲き方は和風なアレンジにもぴったりです。

フレジス

フレジスはグリーンがベースの色ですが、外側になるにつれて薄いクリーム色〜ピンク色に色づく花びらが印象的な品種です。

先程ご紹介したキュレネも花びらにピンク色が入っていますが、それよりも明るいくすみピンクが特徴です。より春らしい色合いで、ロマンチックな雰囲気のアレンジなどに入れると、少し大人の雰囲気がプラスされ落ち着いたトーンになります。

ビアンコフェスティバル

ビアンコフェスティバルは、イタリア語で白を意味する名の通り、白がベースの花です。コロンとした丸い花は、周囲が白いフリルのような花びらで、中心が濃いグリーンというとても爽やかでナチュラルな色合いが魅力的な品種です。中心のグリーンの部分はなんと葉で、開花が進むにつれて葉の部分が露出してきます。

また、ラナンキュラスは夜になると花びらが閉じるため、時間帯によって白とグリーンの割合が変わりいろいろな表情を楽しめる花です

シレンテ

シレンテは、ポンポン咲きと呼ばれる咲き方の品種で、大きく菊のような花です。色は白とグリーンのバイカラーで、1つの花びらの中に白と柔らかいグリーンが入っています。全体的に白とグリーンが混ざり合う色合いは柔らかい印象で、ポンポン咲きの大きな花が存在感を醸し出します。

ブーケやアレンジメントなどでは、グリーンをベーストーンにしたナチュラルなものにぴったりです。はっきりとしたインパクトを与えるというよりも、全体を優しい雰囲気で包むような印象の花です。

グリーンのラナンキュラスの選び方

次に、春らしいラナンキュラスを購入したいときは、どのように選ぶと良いのかをご紹介します。せっかくなら、できるだけ長くきれいな花を楽しみたいですよね。切り花の場合と、園芸苗の場合に分けて解説します。

切り花の場合

ラナンキュラスの切り花を選ぶ際は、開花の状態を確認して選ぶと良いでしょう。ラナンキュラスは咲き始めから開花が進むにつれ、さまざまな表情を楽しめる花です。複数本購入する予定ならば、蕾のものと少し開花したものを組み合わせて購入すると良いでしょう。開花状態による変化に違いが出て、一緒に飾っておいてもさまざまな表情が楽しめます。

また、グリーンのラナンキュラスは、色の特性上、開花が進んで色が褪せてきているのか、それともまだフレッシュな状態なのか見分けにくいことが多いです。そのため、グリーンのラナンキュラスの切り花を購入するときは、花が開ききっていないものを購入すると良いかもしれません。

花苗の場合

ラナンキュラスの苗を購入する場合は、一般的な苗を選ぶときと同様に、下葉が枯れたり黄色くなっているものは避けましょう。グリーンのラナンキュラスの苗を選ぶ際に特に気を付けたいのは、蕾の状態では開花したときの色味が分かりにくいという点です。

開花したときにどのような色に変化していくのかなど、苗によって個体差が出るため、少し咲いている花を付けた苗を選ぶと確実です。

また、成長したときにどのくらいの高さまで成長するかも考慮したほうが良いでしょう。品種改良が進み、最近では矮性の品種も出回っているため、植えたい場所や鉢の大きさによって選ぶのもおすすめです。

グリーンのラナンキュラスの楽しみ方

では、グリーンのラナンキュラスにはどのような楽しみ方があるのでしょうか。ここからは、ラナンキュラスをたっぷり堪能できる楽しみ方を3つご紹介します。

花束

ボリュームのあるラナンキュラスは、花束に使用すると華やかになり、とても素敵です。特にグリーンのラナンキュラスで作った花束はナチュラルで大人の雰囲気になり、ちょっとしたフラワーギフトなどにも飾らない印象で喜ばれるでしょう。

自宅用に用意しても、自然な色合いでインテリアを邪魔せず、ゆったりと落ち着いた空間にしてくれます。

花屋さんで気に入ったグリーンのラナンキュラスを見つけたら、この花を中心に花束を作ってほしいとお願いすると、希望の雰囲気になるように他の花を合わせて作ってもらえますよ。

アレンジメント

ラナンキュラスはアレンジメントとして楽しむのもおすすめです。大きく存在感のあるラナンキュラスは、少ない量でコンパクトなアレンジにも、たくさんの花やリーフと合わせてボリューミーなアレンジにもできます。

また、入れ物も含めてアレンジしてもらえるので、例えば和風の器に菊咲きやポンポン咲きの品種を使用するなど、花の咲き方を生かした雰囲気も楽しめます。アレンジメントは飾る際に花瓶も必要なく、美しい形のまま飾れるのでギフトにもおすすめです。

プリザーブドフラワー

プリザーブドフラワーでラナンキュラスを楽しむのもおすすめです。グリーンのラナンキュラスの鮮やかな色合いを長い期間に渡って楽しむことができます。

また、1番良い状態で処理されているので、開花状態で変化の出るラナンキュラスのもっとも美しい姿を堪能できます。

ラナンキュラスは春先に出回る花ですが、バラでもなく、カーネーションや菊でもない、季節やシーン、イベントに関係なく飾っておける花という特徴は、プリザーブドフラワーとして楽しむ最大のメリットと言えるでしょう。

グリーンのラナンキュラスの育て方

ここまでは、主に切り花のラナンキュラスをメインにご紹介してきました。美しく魅力的なラナンキュラスを、自分で育てられたら嬉しいですよね。ここでは、グリーンのラナンキュラスの栽培方法についてご紹介します。

置き場所

ラナンキュラスは日光を好むため、日当たりの良い場所で管理しましょう。長く雨に当たると花びらが傷んでしまうため、鉢植えの場合は軒下などの雨がかかりにくい場所に移動すると良いでしょう。

また、蒸れはラナンキュラスを弱らせる原因になるため、風通しの良い場所に置きます。冬は耐寒性はあるものの、霜に当たるとダメージを受けるので、株元のマルチングや軒下へ移動するなどの対応が必要です。

水やり

ラナンキュラスは球根植物なので、あまりにも湿った状態が続くと球根が腐ってしまいます。鉢の表面の土が乾いたら、鉢底から流れるくらいたっぷりと水やりをしましょう。その際、花びらに水がかからないように株元から水やりをします。

花びらが薄いラナンキュラスは、水によってシミになったり、その後日に当たると焼けてしまうことがあるので注意しましょう。地植えの場合は基本的には雨だけで大丈夫ですが、雨が降らない日が続くときは水やりをします。

肥料・用土

ラナンキュラスを植え付ける際は、ホームセンターなどで販売されている園芸用の用土を使用して問題ありません。植え付け時に、用土に混ぜて使用する元肥を使用すると、さらに良いでしょう。

花を咲かすには、たくさんの栄養が必要です。追肥をする場合には、窒素(N)の少ない緩効性肥料を使用するのが望ましいです。

窒素は花よりも葉を茂らせるために必要な栄養素なので、葉ばかりが茂り花が咲かない、というケースがあるという点も頭に入れておいてください。肥料のパッケージに、N−P−Kと表記があり、それぞれ配合量が記載されているので、窒素(N)の配合量の少ない肥料を選ぶと良いでしょう。

植え付け

ラナンキュラスは球根を秋に植え付けて水やりをすれば、早春〜春に花を咲かせます。鉢と地植え、どちらにしても冬の寒い期間に霜がおりると球根が傷んでしまうため、土の表面にマルチングをするなどの霜よけが必要です。

しかし、あまりに過保護になりすぎて、鉢を屋内で管理してしまうと花芽がつきません。ラナンキュラスは寒さに当たることで花芽を形成するので、霜に気を付けながら戸外で管理しましょう。

春が過ぎて花が終わったら、球根を掘り上げて乾燥させ、冷暗所で秋まで保管します。また秋に植え付けると、次の春に花を咲かせてくれますよ。

ラナンキュラスを育てる際の注意点

最後に、春にきれいなラナンキュラスを楽しむために、注意したい病気や害虫について解説します。

病気

日光に当たる時間が少なく湿った状態が続くと、葉が白く粉がかかったようになってしまう「うどんこ病」や「灰色かび病」になりやすいので注意してください。日当たりが確保できる場所でたっぷりと日光に当て、黄色くなった葉や茂っている箇所の葉は摘んで風通しを良くしましょう。

害虫

ラナンキュラスにつきやすい害虫は、アブラムシやハモグリバエです。どちらもとても小さな虫なのですが、一気に数が増えて花の栄養を吸い取り弱らせます。植え込み時に害虫を発生させない薬剤を用土に混ぜ込み、日頃はスプレー剤で害虫の発生を防ぐのが望ましいです。最近は防虫効果のある肥料なども販売されているので、お好みに合わせて選べます。きれいな花を楽しむために、害虫対策はとても大切です。

まとめ

この記事では、グリーンのラナンキュラスについてご紹介しました。豊富な色が楽しめるラナンキュラスですが、中でもグリーンのラナンキュラスは、他の花には少ない花色で魅力的です。

グリーンのラナンキュラスは品種によって個性がさまざまで、見ているだけで楽しい気分になれるでしょう。フラワーギフトを贈ったり、自宅に花を購入する機会があれば、グリーンのラナンキュラスを探してみてください。

ぜひ、お気に入りのグリーンのラナンキュラスを見つけて、お好みの方法でナチュラルな飾らない魅力を楽しんでみてください。自分の好みの花を見つけたいという方は、ぜひフラワーギフトラボでお探しください。