ダリアを花束で贈ろう|表情豊かでゴージャスなダリアの魅力とは
大輪で存在感を放つダリアは、フラワーギフトでは定番のお花です。その魅力は花の大きさだけではなく、さまざまな咲き方や品種、花の色などのバリエーションの豊かさも、ダリアが多くの人から愛される人気の理由です。
今回はそんなダリアについて、花の歴史や花言葉の由来、人気の品種や咲き方の種類などをたっぷりご紹介していきます。花束にダリアを取り入れたいと考えている方は、ぜひこの記事を読んで、どんなダリアを選ぶのかの参考にしてみてください。
ダリアの基本情報
科・属 | キク科・テンジクボタン属 |
和名 | 天竺牡丹(てんじくぼたん) |
英名 | Dahlia |
学名 | Dahlia |
原産地 | メキシコ |
ダリアの特長
メキシコを原産とするダリアは、キク科・テンジクボタン属に分類される植物で、メキシコの国花でもあります。開花期間は夏から秋にかけてで、暑さに強い植物ではあるものの、30度以上の高温や強すぎる直射日光は苦手です。
ダリアの定番ともいえる大輪種から、中輪〜小輪種まで花の大きさが揃っており、咲き方も一重咲きや八重咲き、ボール咲きやポンポン咲きなど、咲き方によって同じダリアとは思えない表情を見せてくれます。
ダリアの名前の由来
ダリアの花の名前は、ダリアを発見したスウェーデンの植物学者「アンドレアス・ダール」の名前から付けられています。日本には江戸時代の末期頃に持ち込まれ、その花姿がボタンの花に似ていたことから「天竺牡丹(てんじくぼたん)」と呼ばれるようになりました。
ちなみに「天竺」とは、日本におけるインドを指す古い呼び方で、海外から持ち込まれた珍しい植物などに名付けられました。
ダリアの歴史
ダリアの栽培は、15世紀から行われていたと考えられます。18世紀後半から多様な品種改良が行われるようになり、今では約3万種もの園芸品種が生まれています。
日本には江戸時代に持ち込まれ、昭和20年代以降からはダリアの園芸ブームが到来しました。平成に入ってからは、新しい「黒蝶」という品種でダリアブームが再到来し、国内でも新しい品種が続々と作られるようになっていきます。
園芸品種として楽しまれていたダリアは、切り花としては日持ちがせず、かつては花材に不向きでした。改良技術の進歩によって、生花店などで通年ダリアを入手できるようになり、日持ちも長くなったのは実は最近のことなのです。
ダリアの旬の時期
品種改良によって通年入手できるようになったダリアですが、もっとも旬の時期は秋です。9月の誕生花としても選ばれており、晩秋にかけてのダリアはとても長持ちします。もともとの原産地が冷涼な気候なので、湿度が高く蒸し暑い日本の夏の気候では、日持ちが短くなってしまうのです。
また、秋の時期には生花店に並ぶダリアの種類も多く、アレンジメントの雰囲気に合ったものを選べる楽しみもあります。
ダリアの花言葉
ダリアの花言葉には、「優雅」「気品」「威厳」「華麗」「エレガント」「栄華」といった花姿に見合った堂々たる言葉が付けられています。優雅な女性らしさや煌びやかさを感じさせるダリアらしい花言葉ですね。
基本的に花言葉は、ポジティブな意味とネガティブな意味の両方を兼ね備えているものですが、ダリアにも「移り気」「気まぐれ」「裏切り」「不安定」といったネガティブな花言葉があります。これらの花言葉には、ある逸話が関係しています。
花言葉の逸話
メキシコからフランスへ持ち込まれたダリアは、ナポレオン妃であるジョセフィーヌがバラと共に深く愛したと言われている花です。
ダリアを愛するジョセフィーヌは、宮殿の庭園にダリアを咲かせて貴族たちへ自慢していました。ある貴族が「一輪分けてくれないか」と申し出ますが、ジョセフィーヌはダリアを独り占めしたいばかりに断ります。
しかし、ダリアを諦めきれなかった貴族は、愛人を利用して宮殿の庭園を管理する庭師にダリアの球根を盗ませます。盗んだ球根からたくさんのダリアを咲かせたことを知るや否や、怒ったジョセフィーヌは庭師を解雇し、関わった貴族も追放しました。
他の庭にダリアが咲き、自分だけのものではなくなったと知ると、ジョセフィーヌはダリアへの愛情をすっかりなくしてしまいました。「移り気」「気まぐれ」「裏切り」「不安定」の花言葉は、この逸話に由来しています。
色別の花言葉
赤 | 「華麗」「栄華」 |
白 | 「感謝」「豊かな愛情」 |
黄 | 「優美」「栄華」 |
これ以外の色のダリアには色別の花言葉はなく、ダリア全体の花言葉が適用されます。また、一部のダリアの品種には、種類別に花言葉を持っている品種もあります。続いてのダリアの種類の解説で詳しくご紹介していきます。
ダリアは咲き方によって花束の印象が変わる
ダリアの咲き方は実に多彩で、実は違う品種なのではないかというぐらい、咲き方によって表情がまったく異なります。続いては、さまざまなダリアの咲き方から、代表的な10種類をご紹介しましょう。あなたのお気に入りの咲き方を見つけてみてくださいね。
八重咲き
まずは、ダリアの定番ともいえる八重咲きです。デコラティブ咲きとも呼ばれます。八重咲きの中でも花びらの並び方によって2種類に分けられ、きれいに整列する「フォーマル・デコラティブ咲き」と、外側へねじれるように咲く「インフォーマル・デコラティブ咲き」があります。
大輪かつ八重咲きのダリアは存在感が強く、豪華な印象を与えます。
一重咲き
シンプルな一重咲きは、八重咲きと比較するとおとなしく見えますが、清楚さや落ち着き、清廉さを感じさせる咲き方です。シングル咲きとも呼ばれます。
ダリア・アキザクラという品種が一重咲きで、コスモスのような可憐さを持っています。八重咲きのゴージャスさではなく、すっきりとしたアレンジメントを作りたいときにおすすめです。
ポンポン咲き・ボール咲き
小さな球状にこんもりと咲くポンポン咲きは、手芸品のような可愛らしさを持つ咲き方です。花径が5センチ以下のものがポンポン咲きとして分類されています。ころんとした球状のフォルムがいくつも並ぶ姿はとても愛らしく、にぎやかさを感じさせます。
ボール咲きは、ポンポン咲きよりも大きい球状の咲き方です。花径が5センチ以上のものがボール咲きに分類されます。
可愛らしくミニサイズなポンポン咲きと比較すると、オブジェや芸術品のような美しさを持つ咲き方です。ポンポン咲きやボール咲きなどの球状の咲き方をするダリアは、他の咲き方と比較して日持ちがとても良いので、フラワーギフトに取り入れると美しい姿を長く楽しんでもらえますよ。
コラレット咲き
コラレット咲きの「コラレット」とは、婦人の襟巻きを指す言葉です。コラレット咲きは、小さな花びらと大きな花びらの2段層になったような作りをしています。襟巻きと聞くとイメージしやすいかもしれませんね。
内側の花びらと外側の花びらの色が異なるものでは、花色の組み合わせによってさまざまなコントラストを楽しめる、鑑賞価値の高さから人気がある品種です。
カクタス咲き
「カクタス」とは英語でサボテンを指します。カクタス咲きは細長い舌状の花びらが特徴です。カクタス咲きには、ストレートタイプ、セミタイプ、インカーブドタイプなどいくつかの種類があります。
ストレートタイプは、細長い花びらの1つ1つがまっすぐに伸びているものを指します。セミタイプは、花びらの先端が外側へ反っている咲き方です。インカーブドタイプは、花びらの先端が内側へ折り曲がって、まるいフォルムをしています。
ピオニー咲き・スイレン咲き
「ピオニー」は、英語でシャクヤクを指しています。幾重にも連なるシャクヤクのように、花びらが何枚も重なった豪華な咲き姿がピオニー咲きの特長です。八重咲きにも見えますが、ピオニー咲きでは花びらが波打っています。ふっくらとしたやさしげなフォルムが人気の咲き方です。
スイレンの花のようなカップ状に咲くダリアは、スイレン咲きと呼ばれます。花びら1枚1枚に丸みがあって、やわらかなフォルムが特長です。スイレンのようにどことなく神秘的で、清楚な印象を与えます。
アネモネ咲き・オーキッド咲き
中心部にある筒状の花が目立ち、アネモネの花のような形状をして咲くのが、アネモネ咲きのダリアです。周囲をぐるりと囲む舌状花は一重のものが多いのですが、二重や三重咲きの品種も見られます。
もう1つのオーキッド咲きは、花びらがくるっと内側に巻かれている咲き方です。「オーキッド」とは英語でヒトデという意味で、名前の通りヒトデ型に見える形状です。通常のオーキッド咲きよりも花びらが増えてボリュームアップしているものは、ダブルオーキッド咲きと呼ばれています。
ダリアの種類によって変わる花束のイメージ
世界中で愛されているダリアは、約3万種類もの品種が存在すると言われ、毎年次々に新しい品種が登場しています。大輪だけではなく、中輪から小ぶりなものまで、さらには花色のバリエーションも豊富です。
花の咲き方が変われば、同じダリアとは思えないほど雰囲気ががらりと変わり、ダリアを愛する人たちを飽きさせません。そんな多様な品種を持つダリアの中から、特に人気がある品種をピックアップしてみました。
皇帝ダリア
ダリアの品種の中でも特に人気があるのが、皇帝ダリアです。英名では「Tree dahlia(木立ダリア)」と呼ばれています。
数あるダリアの品種の中でも、唯一品種ごとの花言葉を持っているのがこの皇帝ダリアで、花言葉は「乙女の純潔」「乙女の真心」です。華やかなピンク色の花を咲き誇らせる姿が、乙女を連想させるのでしょう。
草丈が3〜5メートルにもなり、青空の下で堂々と咲く姿はまさしく皇帝の威厳を感じさせます。澄み渡る青空とピンクの花色のコントラストが、さわやかな印象を受ける品種です。
アキザクラ
淡い花色を持つアキザクラは、漢字で秋桜と表記するように、コスモスに似た一重咲きの品種です。一般的なダリアは洋風の雰囲気を持つ花ですが、アキザクラはシンプルな花の作りで落ち着きがあり、和の雰囲気を持っています。特に、サーモンピンクのような淡い色合いのものだと、よりコスモスに近い雰囲気があります。
黒蝶
平成時代のダリアブームの火付け役となったのが、この黒蝶という品種です。黒味がかった赤黒い花色が特長で、モダンな雰囲気や大人っぽさを持っています。花径は20センチ程度の中輪〜大輪サイズで扱いやすいです。ベルベットのような高級感があり、デコラティブ咲きで豪華な花姿であるのも魅力です。
スターシスター
スターシスターはコラレット咲きという少し珍しい咲き姿をしています。長い舌状花と、それよりも一回り小さな副花冠で構成される、2段構えのような造りです。
スターシスターには、赤い舌状花と黄色の副花冠の「レッド&イエロー」、赤い舌状花と白い副花冠の「ローズ&ホワイト」、赤紫色の舌状花と白い副花冠の「バーガンディ&ホワイト」があります。ツートンカラーのようで美しく、人気が高い品種です。
ハーレクイン
ハーレクインも、先述したスターシスターと同じコラレット咲き品種です。明るい配色が多く、スターシスター同様に花びらのコントラストを楽しめることから高い人気があります。草丈が低く、鉢植えでの栽培にも適していて、室内でも育てやすい品種です。
ブラックナイト
ブラックナイトは、ミッドナイトムーンの名称でも流通している、葉が黒っぽい銅葉ダリアです。落ち着きのあるダークカラーの葉と対照的に花色は明るいイエローで、美しいコントラストを楽しめます。
花径が小輪で一重咲きなのも愛くるしい印象です。カラーリーフとして庭に植えれば、ガーデニングのアクセントとして活躍します。
ポートライトペアビューティー
ポートライトペアビューティーは、ピンク色にも近いような淡いパステル調のオレンジ色が魅力の品種です。
数あるダリアの品種の中でも花持ちが長いため、切り花としても人気があります。咲き方はフォーマルデコラ咲きで、どことなくラナンキュラスにも似た豪華な花姿で、一輪でもボリュームと華やかさを十分に感じられます。
ポンポンショコラ
チョコレートの名称のように可愛らしいネーミングを持つポンポンショコラは、黒蝶のように黒みがかったダークな色合いがショコラに例えられた、シックな雰囲気を持つ品種です。
咲き方はボール咲きで、丸くボリューミーに咲きます。1つ1つの花は小さめなので、上品な印象があります。
マキシ
マキシシリーズは、ダリアの中でも有名な八重咲き品種です。ダリアの育種改良会社の中でも世界トップクラスを誇る、ダリーナ社で作られました。
「マキシ」の名称の通り、草丈が50〜80センチほどにまで育ち、地植えでは1メートルにもなります。高めの草丈に咲く大輪の花は存在感が抜群で、ガーデニングシーンを華やかに彩ってくれますよ。
マジックピンク
八重咲きのマジックピンクは、カクタス咲きの品種です。名前の通り、花色は濃いピンク色をしていて、花の中心から外側にかけてグラデーションを楽しめます。草丈は1メートルにもなり花も大輪なので、存在感の強い品種です。
ムーンワルツ
ムーンワルツは、薄いレモンイエローとやさしいピンク色とのグラデーションが見事な品種です。ネーミングのイメージ通り、優雅でゆったりとした雰囲気をまとっています。花の中心が淡いイエローで、外側にいくにつれピンク色になっているのが特徴です。咲き方がピオニー咲きなので、よりやさしく優美な印象があるのかもしれません。
ピオニー咲きのダリアは、和の雰囲気も持ち合わせているので、洋風・和風どちらのお庭にも取り入れやすい品種です。
ラララ
ラララは、白色の花びらをベースに、濃い赤色との複色が見事な品種です。八重咲き品種のラララは、花びらがしなやかに波打っており、どことなくエキゾチックな雰囲気も感じさせます。
ワイルドかつ情熱的な印象がありながらも、佇まいは美しく豪華で、一味違ったダリアをお求めの方にはぜひおすすめしたい品種です。
ダリアの花束を依頼する際の単価相場
大輪の八重咲きダリアは、一輪だけでもゴージャスな存在感を放つ、花束やアレンジメントにおける主役級の花材です。1本あたりの単価が高いように思えますが、花の単価は時価なので、季節やお店によって価格は変動します。
特にダリアは、品種によって花の大きさも変わるため、あくまで目安にはなりますが、小輪では200円〜500円程度、大輪では600円〜800円程度が単価相場です。
ダリアを使ったミニブーケの予算
通年入手できるダリアですが、旬である秋には比較的単価も安定しています。店先に並ぶ品種が豊富なので、さまざまなダリアを見たい方は秋の生花店に足を運んでみてください。
ダリアを使った花束の予算としては、大輪のダリア1本と小さめの花材、葉ものなどを加えたミニブーケでも、およそ1,500~1,800円程度となります。花束のボリュームや使いたい本数が増えれば、もちろんこれ以上の予算となるので、オーダーの際にはあらかじめ希望予算を必ず伝えておきましょう。
まとめ
今回は、世界各地で次々に新しい品種が開発されているダリアの魅力を解説してきました。咲き方や花色のバリエーションが豊富で、魅力たっぷりの花であることがお分かりいただけたかと思います。
品種によって異なる表情を見せてくれるダリアは、花束やアレンジメントのメイン花材としてふさわしいお花です。種類がありすぎて何を使えば良いのか迷ってしまいますが、楽しみながらお気に入りの色や形を見つけてみてくださいね。
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