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切花の寿命はどのくらい?花持ちの良い花や長持ちさせるコツを紹介

自宅用に購入したお花や、ギフトで貰った花束、いつもどのくらいの期間飾ってありますか。すぐに花の元気がなくなってきてしまった、花の部分はまだ綺麗なのに茎が萎れてきてしまったなど、切花が長持ちしなくて悩んでいる方も多いでしょう。

切花は生き物なので寿命がありますが、実は簡単なお手入れをするだけでも長持ちさせることが可能です。少し萎れてしまったくらいなら、適切な処置をすれば再び元気を取り戻せるかもしれません。

今回は、切花の寿命はどのくらいなのか、切花を長持ちさせる方法、寿命の長い花の種類などを解説していきます。切花を貰った方、自分用に購入したい方、誰かにプレゼントしたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

そもそも切花の寿命ってどのくらい?

切花の寿命は季節や室温、管理状況に大きく左右されます。しかし、切花は生き物なので、きちんとお手入れをすれば、より長持ちさせることができます。季節に関しては、その花が育った場所によって差はあるものの、暖かい時期のほうが花持ちが悪く、寒い時期は比較的持ちが良いと考えて良いでしょう。

  • 春、秋:1週間~10日ほど
  • 夏:4~5日ほど
  • 冬:10日~2週間ほど

また、花の種類によっても持ちに差があります。茎が細く弱い草花系の花は持ちが短く、ランやトルコキキョウ、カーネーションや菊は、上手にお手入れすれば2週間程度は綺麗な状態で楽しむことが可能です。

花束とアレンジメント、花持ちに差はある? 

贈り物の際に悩むことが多い花束とアレンジメントですが、これらに花持ちに差はあるのでしょうか。

花束はアレンジメントに比べて茎を長く残すので、2つを比べると花束のほうが寿命が長い傾向にあります。後ほどご紹介しますが、切花を長持ちさせるためには、水切りという茎を切り戻す作業を行うと良いです。

アレンジメントに使用される切花は、茎をかなり短くカットしているので、切り戻すのが難しく、寿命が短いといえます。

寿命の長い良い花は?

1年中出回っている花の中で、特に日持ちが良いのはトルコキキョウ・菊・洋ラン・カーネーションなどです。これらの花はお手入れをしっかりすれば、切花の中では比較的長持ちするといえるでしょう。

夏場は気温が上がり、花持ちが悪い季節です。夏の代名詞ともいえるひまわりは、暑さに強いので夏でも日持ちしやすい花といえます。また、この時期に出回るアンスリウムという熱帯性植物も、夏でもとても長く楽しめるでしょう。

実は、花屋さんには基本的に月水金の週3回、市場からの花の入荷があります。入荷日に合わせて花屋さんで購入するようにすると、より新鮮な花を購入することが可能です。

長持ちするバラを選ぶポイント 

お花屋さんにたくさん並ぶ花の中でも、比較的品種の多いバラ。花束やアレンジメントにいれる場合には、渡したときに美しく見えるよう、ボリューム良くある程度開いているものを選びます。

ご自宅用でなるべく長く楽しみたいなら、まだ蕾のものを選びましょう。あまり蕾がかたすぎるものはまれに開かないことがあるので、少しふっくらしたもう少しで開きそうな蕾を選ぶのがポイントです。

長持ちするシャクヤクを選ぶポイント

5~6月に旬を迎え、美しい咲き姿からファンも多いシャクヤク。こちらもなるべく長く楽しみたい場合は、蕾のものを選びましょう。バラ同様、あまり蕾がかたいものは開かない可能性もあるので、ふっくらとした蕾を選びます。

シャクヤクは蕾のまわりに蜜がついていると、かたまって開きづらいことがあるので、柔らかい布で蜜を拭いてあげると良いでしょう。かたくて蕾が開かない場合、やさしくもんであげると開くことがあります。蕾を傷つけないように注意してもんであげましょう。

花持ちの良い植物の種類

次に、花持ちが良い植物を見ていきましょう。

葉物や枝ものを生ける 

夏場は切花に比べて長持ちすることから、葉物や枝ものを飾ってみるのもおすすめです。数種類の違う緑色の葉物を合わせると、グリーンだけでも賑やかな印象になります。

 ドウダンツツジやサンキライは枝ぶりも美しく、飾るだけでおしゃれな雰囲気に見えるでしょう。また、フサスグリなど夏の実物を合わせて飾れば、花がなくてもぐっと華やかになります。

枝ものを生けるときには、水につかる部分の葉を落とすとバクテリアの繁殖を抑えられて、より長持ちしやすくなる効果が期待できます。

球根を水耕栽培で楽しむ 

花屋さんでは、切花のように見えて実は根元に球根がついた状態で販売している花もあります。ヒヤシンスやチューリップなどは、球根のついた状態で水耕栽培が楽しめます。水の張れる器があれば飾れるので、切花と同じ感覚で手軽に飾れて長持ちするのが魅力です。

あまり寿命が長くない花 

切花の中には、美しいけれど寿命が短いお花もあります。バラやダリアは品種によって、持ちに差があるので、すべての花に共通して持ちが悪いというわけではありません。

長持ちしない分、魅力的な花が多いので、飾る場合は美しい数日間を存分に楽しんでください。

フリル咲きのダリア 

ダリアは、品種によって持ちが良いものと短いものがあります。ダリアの中でも特に花が大きくてゴージャスなフリル咲きと呼ばれるような咲き方をするダリアは、花びらが落ちて枯れてしまうのが早いお花です。花びらがくるりと丸まっているストレートカクタス咲きやフリル咲きのダリアは、咲き姿は美しくユニークですがその分、楽しめる期間は短いです。

比較的持ちが良いのは、小ぶりのサイズのポンポン咲き、ボール咲きと呼ばれるような種類のダリア。花の裏側の枯れた花びらを取ってあげると、最後まで楽しむことができます。

イングリッシュローズ 

花びらの中心までふわっと美しく咲き、香りよい品種が多いイングリッシュローズ。バラは品種がかなり豊富なので、日持ちするものとそうでないものの差が大きいですが、イングリッシュローズは、花びらが落ちやすく飾れる期間は短めです。

しかし、その分甘い香りと花びらの柔らかさは格別なので、短い間ですが可愛らしい姿を堪能できます。香りの強いバラは、香りを作るためにエネルギーを消費してしまうので、香りのないものに比べると一般的に楽しめる期間が短いといわれています。

スイートピー 

フリルのような咲き姿が可愛らしいスイートピーもあまり持ちは長くない切花です。5日も持てば長く楽しめたほうで、花びらがぐったりしてくるとしわしわになって枯れてしまいます。

しかし、スイートピーは花束にいれてもとても可愛らしく、カラーバリエーションも豊富に楽しむことができます。出回る時期も短いので、短い咲き姿をたっぷりと堪能するというのも贅沢です。

そもそも花はどうして枯れてしまうの?

そもそも切花はどうして枯れてしまうのでしょうか。その原因は大きく2つあります。

バクテリアが増殖する 

水中にバクテリアが増えることが1つ目の原因です。切花はその茎の切り口から有機物が分泌されますが、花瓶の中で水と混ざってバクテリアが発生します。バクテリアは花の中にある導管という空洞部分に入って増えていき、花が水を吸い上げられなくなって枯れてしまうのです。

また、定期的に水替えを行わないと、バクテリアが増殖した水を吸い上げることになるため、導管が詰まって、新しい水に替えても吸い上げが悪くなってしまいます。

栄養不足と水不足 

茎から吸い上げられた水分は、花びらや葉から蒸発してしまいます。特に夏場は蒸発する量も多くなるので、水分不足になりがちです。

また、切花は土に植えられていたときに比べて、栄養不足になりやすい状況です。花を長持ちさせるためにも、後ほどご紹介する切花の栄養剤を活用して、切花に栄養を送ってあげましょう。

切花のお手入れをして長く楽しもう

切花は、お手入れをしてあげることで持ちが格段に良くなります。切花も生き物なので、花瓶にいけたら毎日様子を観察して、長く楽しめるようにお世話をしてあげましょう。

水替えを行う 

水替えは花屋さんでも行われる作業で、花瓶の水を取り替えることをいいます。頻度は季節により異なりますが、冬場なら4~5日に1回、春・秋は2~3日に1回、バクテリアが増殖しやすい夏場は1日1~2回が目安です。

水替えをするときには、花瓶の中の水を新しくするだけではなく、花瓶の中と茎についているぬめりも洗い流してあげましょう。生けるときには葉っぱが水につかないように下の方の葉っぱは外してあげると、水を綺麗に保つことができるので、長持ち効果が期待できます。

切り戻しを行う 

切り戻しとは、切花の茎の先を少し切ってあげることです。切り口を清潔にし、新しい導管を出してあげることで、水上を良くする効果があります。

切花を購入してはじめて花瓶に生けるときや、切花の元気がなくなってきたときに行うと効果的です。水中につかっている茎は、毎日少しずつ痛んでいきます。時間に余裕があれば、毎日切り戻してあげても問題ありません。

切り戻しを行うときは、導管に空気が入らないように水中で切ります。水中で切るのが難しい場合は、切り戻したらすぐ水につけるようにします。

切り口を斜めに切ると水を吸い上げる面積を広げることができますよ。切るときに、切れの悪いはさみを使うと導管がつぶれてしまい、水を吸い上げられなくなってしまうので、切れ味の良いはさみを用意しましょう。

水上げする 

飾っている間に切花の頭が下がってきて、ぐったりしてしまうこともありますよね。もうダメかなと思った切花も諦めずに、水上げと呼ばれる方法を試してみてください。水上げのやり方には数種類ありますが、今回は自宅でも簡単にできる深水をご紹介します。

深水は、ぐったりしてしまった切花の茎を切り戻してから新聞紙で包みます。このとき、花首をまっすぐに整えて、水が吸いやすいようにしてあげましょう。新聞紙は三角形に折ってクレープのように包むことをイメージすると作業がしやすいです。茎の下の方は新聞紙から出るように花をセットしたら、少しきつめに切花を包みます。

巻きつけた切花を、半分以上水を張ったバケツや大きめの花瓶に浸して、半日~1日程度そのままにしておきます。

時間が経ってから新聞紙を外すと、切花が再び水を吸い上げてしゃきっとしているはず。草花など、水が下がりやすいお花にもとても効果的な水上げ方法です。

飾るときのコツ 

水上げしてもなかなか水が上がらないけれど、お花はまだ元気そう。そんなときには、茎がしっかりした葉物に添わせるように絡めて飾ったり、葉っぱに引っ掛けるようにして飾ったりすると、茎の弱い草花も長く楽しむことができます。

切花に栄養剤は効果的? 

水替えをする際には、切花の栄養剤を使うと長持ち効果が期待できるでしょう。花束を購入すると小さな小袋が付属していることもありますし、ホームセンターではボトルで販売もしています。

切花の栄養剤には、水中のバクテリアの繁殖を抑え、水を綺麗に保つ効果があります。切花に必要な栄養分も入っているので、水に混ぜて使うと効果的です。

水に対しての使用量が決まっているので、希釈して使用します。水替えのたびに栄養剤を量って用意するのが大変という方は、ペットボトルにまとめて作ってしまうのがおすすめです。この方法なら、水替えがぐっと楽になりますよ。

なるべく長く楽しむための置き場所

切花は、直接冷暖房の当たらない、風通しの良い場所に飾りましょう。窓際に飾ることも多いですが、強い直射日光が当たると弱ってしまいます。窓際に飾るときにはカーテン越しの柔らかい日差しの下を選びましょう。

気温変化の少ない場所を選ぶ 

切花が苦手なのは急激な温度変化です。特に気温の高くなる夏の時期は、飾る場所を間違えるとあっという間に弱って枯れてしまいます。夏は特に、切花がもっとも苦手とする高温多湿になる場所は避け、なるべく涼しい風通しの良い場所を選びましょう。

エアコンの風が直接当たらない場所を選ぶ 

人間でもエアコンや扇風機の風が直接当たるような場所で長時間過ごしていると、なんとなく乾燥した感じがしてきますよね。切花も同じで、風が葉や花びらに直接当たると、水分がどんどん蒸発して、水不足になってしまいます。

窓際に飾る場合は直射日光とカーテンに注意 

光の入る窓際に飾ることも多いですが、カーテンの近くに飾る場合は風がなびいたときにカーテンが花びらに当たらないか気を付けておきましょう。花びらは思った以上にデリケートなので、傷がつくと茶色く変色し、一気に花痛みが進んでしまいます。

切花はどうなったら捨てる? 

どんなに日持ちの良い切花でも、やがて弱って枯れてしまいます。自宅に飾っている花の咲き終わりのサインはいったいいつなのでしょうか。

花の頭が下を向いてしまったら 

水上げしても花の頭が上がらず、下を向いてしまったら枯れているサインで、茎が黒く変色している場合も同様です。他には、花びらが落ちてしまったり、萎れてしわしわになってしまったりしているようなら処分するタイミングといえるでしょう。

乾燥してドライになったら 

切花は水を吸い上げることができなくなると、乾燥して茎が空洞になります。見た目では分からなくても、触れてドライになっていれば処分するタイミングです。ユーカリなど、種類によっては途中からドライで残せるものもありますが、綺麗なドライフラワーにするためには元気なうちに短時間で乾燥させる必要があります。

飾っている途中にドライになってしまった場合は、あまり綺麗なドライフラワーにはならないので、残念ですが処分しましょう。

ゴミに捨てていい? 

住んでいる地域の分別によりますが、基本的には野菜と同じ、生ごみとして扱うことが多いです。切花は、水気を切ってから処分するようにしましょう。

アレンジメントの場合、ワイヤーがついていることもあるので、処分する前に外して分別するようにします。アレンジメントをさしてあるスポンジ部分、オアシスも水気を切ってから処分しましょう。

まとめ 

この記事では、切花の寿命と、できるだけ長持ちさせるためのコツをご紹介しました。全てを実践しようと思うと切花を買うのが億劫になってしまうので、できるところから無理なく取り入れてみてください。綺麗な切花を家に置きたい、プレゼントで貰った花を長持ちさせたいという方は、記事を参考にお手入れをしながら長く楽しみましょう。