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ラ・メールコラム > 観葉植物 > アカシア・ブルーブッシュとは|育て方や注意点を詳しく解説

近年、お庭のシンボルツリーとしても人気があるアカシア・ブルーブッシュですが、どのような植物なのでしょうか。本記事ではアカシア・ブルーブッシュの特徴と育て方について詳しく解説していきます。

植物を育てた経験が少ない方でも育てやすい植物なので、ガーデニングや園芸に挑戦してみたいという方は、ぜひ最後まで読んでみてください。

アカシア・ブルーブッシュとは

アカシア・ブルーブッシュはマメ科アカシア属の植物でオーストラリアが原産です。シルバーブルーの柔らかい葉が特徴で、花材としても葉がメインで使われるくらい人気があります。日が当たると明るく輝く姿はとても美しいです。

3月〜4月頃には小さくて黄色い球状の花を咲かせます。花言葉は秘密の恋、友情、優雅などです。咲き始めの花色は明るい黄色ですが、だんだんとオレンジがかった色に変化していきます。花色によって雰囲気が変わるので、長い間楽しめる植物です。

ミモザとの違い

小さくて黄色い花をつけるアカシア属はミモザとして知られています。本来はオジギソウを指す言葉でしたが、アカシアの葉や花がオジギソウに似ていることからミモザと呼ばれるようになりました。

アカシア・ブルーブッシュもミモザの一種ですが、日本で知られている一般的なミモザはギンヨウアカシアやフサアカシアです。ギンヨウアカシアはシルバーがかったグリーンの葉をつけます。フサアカシアの特徴は明るいグリーンの葉をつけ、甘くてとても良い香りがすることです。

アカシア・ブルーブッシュの育て方

アカシア・ブルーブッシュはどのように育てれば良いのでしょうか。アカシア・ブルーブッシュは生育環境を整えてあげればこまめに手入れをしなくても大きく成長する植物です。ここからはアカシア・ブルーブッシュの育て方について詳しく説明していきます。

初心者の方でも育てやすい植物ですので、これからアカシア・ブルーブッシュを育てたいと考えている方はぜひ参考にしてみてください。

適切な環境

アカシア・ブルーブッシュは日当たりが良く、風通しの良い環境で育てましょう。暑さには強いですが湿度には弱いので、少し乾燥気味のほうが良く育ちます。地植えするときは水はけが良い場所がおすすめです。

寒さにも強いので、温暖な地域での冬越しはそれほど心配する必要はありません。しかし、北日本や北陸などの-10℃程まで冷え込む地域では注意が必要です。地植えするときはできるだけ建屋の近くが良いでしょう。鉢植えであれば冬の間は屋内などの暖かい場所に移動させておくと安心です。

植え付け

アカシア・ブルーブッシュの植え付け時期は4〜9月です。冬は苗木が弱っている時期なので、植え付けには向きません。根を触られることを嫌う植物なので、植え付けの際は触れないように注意してください。

根がしっかり張るまでは支柱があると安心です。枝数が多く葉もたくさんつけるのでボリュームが出ますが、幹が細いので重さに耐えられずに倒れることがあります。横にも枝が伸びるので、十分なスペースを確保できる場所を選ぶと良いでしょう。

水やり

乾燥に強いので、こまめに水やりをする必要はありません。特に地植えの場合は土の水分だけで十分成長します。夏場に晴れた日が続いたときなどは土の水分が無くなっている可能性があるので、水をあげてください。

鉢植えの場合は、土の表面が乾いたら水やりをします。植木鉢の下から水が出るくらいたっぷりとあげれば、数日間は水をあげなくても大丈夫です。根が水分を吸いきれないと根腐れを起こす可能性があるので、水のあげすぎには注意しましょう。

肥料

マメ科のアカシアは根粒菌の働きによって自ら窒素肥料を作ります。窒素は植物の生育に欠かせない肥料ですが、根粒菌がいれば必要ありません。根粒菌は大気中の窒素からアンモニアを作ることができるバクテリアのことで、マメ科植物と共生しています。

鉢植えの場合や葉の色が薄くなってきたら肥料が必要ですが、与えすぎると花付きが悪くなるので注意してください。肥料を与えるときは花を咲かせた後の5〜6月頃に粒状の化成肥料を使うと良いでしょう。

植え替え・鉢替え

鉢植えで育てる場合は、根詰まりしそうになったら一回り大きな鉢へ植え替えます。成長がゆっくりになったら、根詰まりしていると考えて良いでしょう。鉢替えのペースは年に1回程が目安です。根が浅く傷みやすいので、根本を傷つけないように慎重に行ってください。

アカシア・ブルーブッシュは移植を嫌うので地植えしたものは基本的に植え替えしません。植えた場所の環境が悪いとうまく育たないので、植え付けの際はしっかりと場所選びをしましょう。

剪定

剪定とは植物の不要な部分を切り落として形をきれいに整える作業のことです。アカシア・ブルーブッシュは成長が早く、剪定をしないとどんどん大きくなってしまいます。剪定しながら枝数を増やすことが、自然な樹形に近づけるコツです。

翌年の花付きを良くするためには花が終わる5〜6月に剪定を行うのが良いでしょう。アカシア・ブルーブッシュは夏に花芽をつけるので、夏に剪定を行うと花芽も切り取ることになります。花よりも葉の鑑賞を楽しみたい場合は、5〜6月以降の夏に行うのがおすすめです。

切り戻し

切り戻しとは樹形を小さくしたり、一定の大きさを維持するために伸びた枝を途中で切る剪定方法です。切り戻しを行うときはまず不要な枝を見極めます。周囲の枝と交差している枝や成長しすぎている枝、幹や地面へ向かって成長している枝が対象です。

不要な枝は枝元で切るか枝の3分の1程の長さで切りましょう。枝の途中で切るときは新芽のすぐ上を切ります。切り口から病気に感染してしまうことがあるので、清潔な剪定ばさみを使用してください。剪定の後は切り口に癒合剤を塗って保護します。

枝の間引き

間引きとは樹形を崩さないように一部の枝を完全に切り取る剪定方法です。切り取る枝に花芽がついていても、根本からまた新しい芽が出てくるので気にせず切り取りましょう。

剪定には最大3分の1まで切り取っても大丈夫という3分の1ルールがあります。高さの3分の1、枝の総数の3分の1までなら安全に間引くことが可能です。枝を3〜5回切り取ったら全体を見渡してください。同じ場所ばかり切りすぎないように全体のバランスを見ながら、自分の目標とする樹形に近づけましょう。

病害虫

アカシア・ブルーブッシュが発症しやすい病気はうどんこ病です。うどんこ病にかかると葉や茎が白い粉を吹いたようになり、光合成ができなくなります。放っておくと枯れていくので早めに対処しましょう。薄めた酢や重曹をスプレーするだけでも効果的です。

また、カイガラムシが発生することもあります。カイガラムシは植物に寄生し、幹や枝、葉などの汁を吸う害虫です。見つけたら使用済みの歯ブラシなどを使ってすぐに取り除きましょう。繁殖すると駆除するのがとても大変なので、こまめにチェックしてください。

アカシア・ブルーブッシュを増やす方法

アカシア・ブルーブッシュを増やす方法には挿し木と種まきがあります。挿し木は難しくありませんが、種まきは発芽させるためにひと手間必要ですので、次からの内容をしっかり確認してみてください。

アカシア・ブルーブッシュが枯れる前に剪定した枝や種を使って次の苗を準備しておきます。必ず発芽するわけではないので、挿し木や種は複数準備してください。

挿し木

挿し木とは植物の枝や葉を切り取り、発根させて増やす方法です。種からだと芽が出て木に成長するまで時間がかかるので、挿し木から育てることで早く大きくすることができます。

挿し木にする枝は、日当たりの良い場所で成長した若い枝を選びましょう。15〜20cmの長さにしたら上部3分の1以外の葉を切り取ります。残した葉も半分程の大きさにカットしてください。準備ができたら1〜2時間程水につけて吸水させます。土を入れた容器に挿し木を植えたら、乾燥しないようにこまめに水をあげて発根させましょう。脇芽が出た後は、日当たりの良い場所で少しずつ大きくしていきます。

種まき

アカシア・ブルーブッシュはマメ科なので、花をつけた後に鞘ができます。鞘の中に種があるので、取り出して種まきしてください。アカシア・ブルーブッシュは発芽率が高くないので、一つのポットに数十個単位で種まきします。

発芽率を上げるために熱湯に一晩つけて置きましょう。種に傷をつけて吸水させる方法でも同様の効果があります。原産国のオーストラリアでは森林火災が多く、熱や刺激が発芽スイッチとなる植物がありますが、アカシア・ブルーブッシュもその一つです。

アカシア・ブルーブッシュを育てる際の注意点

初心者にも育てやすく、手間もかからないアカシア・ブルーブッシュですが、育てる際には注意する点がいくつかあります。しっかりと根付くまでは油断できないので、小さな苗木から育てるときは苗木の状態をしっかりと観察することが重要です。

ここではアカシア・ブルーブッシュを育てるときに注意すべき点について具体的に説明していきます。

水切れ

アカシア・ブルーブッシュは乾燥に強いですが、水切れを起こすと回復できずにそのまま枯れてしまうことがあります。葉の先端や植物全体が黄色くなってきたときは水切れのサインです。

地植えであればそれほど心配ありませんが、鉢植えは水切れを起こしやすいので特に注意してください。夏場は暑さで土の水分が蒸発しやすいので、こまめに土が乾いていないか確認しましょう。夏前に剪定を行うと葉から水分が蒸発する量を抑えることができるので、水切れの予防にもなります。

根腐れ

根腐れとは文字通り根が腐っている状態を指します。幹が柔らかくなったり土の表面にカビが生えてきたりしたら、根腐れを起こしているかもしれません。水の与えすぎは根腐れの原因となります。特にアカシア・ブルーブッシュは湿度に弱いので、土の表面が乾燥してきたら水やりをする程度にしてください。

日当たりが悪い場所や風通しが悪い場所に置いておくのも根腐れの原因です。土が乾きづらい環境だと植物が蒸れて根腐れしやすくなるので、できる限り土が湿った状態が短くなるようにしましょう。

強風

大きいものだと高さが5mにもなるアカシア・ブルーブッシュは強風によって倒れたり折れたりすることがあります。土の浅い位置に根を張るので風にあおられたときに踏ん張る力が弱く、自身の枝の重さに耐えられないことが原因です。

背丈が大きいものは台風や強風の前に添え木を入れて対策を行っておくと良いでしょう。何度も倒れると根が切れてますます根が張らなくなります。植えたばかりの小さな苗木のときは支柱を立てたり、屋内へ移動させたりしてください。

生育速度

アカシア・ブルーブッシュの生育速度はとても早く、1年で100cm程の高さになります。幅も最大で200cm程になるので、幹の太さでスペースを確保すると大きくなったときに窮屈かもしれません。

しかし、成長のスピードが早いということは樹形を整えやすいというメリットでもあります。夏前に思い切って剪定しても花をつける頃には元通りの枝数になるので、初心者でも心配いりません。大きさもコントロールしやすいので、あまり大きく育てたくない方はしっかりと剪定するのがおすすめです。

アカシア・ブルーブッシュの季節ごとのポイント

アカシア・ブルーブッシュは一年中葉をつける常緑樹ですが、季節によって気をつけなければならないポイントがあります。間違った管理をしてしまうと、葉が枯れて落ちてしまったり変色したりするので、ストレスを与えない環境を整えてあげることが大切です。

美しい葉を一年中楽しめるように、季節ごとに気を付けるべきポイントを確認していきましょう。

夏場は蒸れに気を付ける

暑さには強いブルーブッシュですが、湿度にはあまり強くありません。少し乾燥している程度の環境を好むので、梅雨の時期や湿度が高い地域では注意が必要です。鉢植えの場合は風通しの良い場所に移動させます。地植えしている場合は剪定して枝数を減らしておくと良いでしょう。

湿度が高いと病気や害虫の発生率が上がります。ブルーブッシュは夏に来季の花芽をつけるので、きれいな花を咲かせるためには夏場の生育環境を整えることが大切です。

冬場は環境に注意する

アカシア・ブルーブッシュは耐寒性がありますが、耐性があるのは-5℃程度までです。西日本や太平洋側の温暖な地域では特に心配ありませんが、朝晩の冷え込みが強い地域や日中でもあまり気温が上がらない地域では対策が必要です。

降雪が多い地域では土の上に雪が積もらないようにしましょう。アカシア・ブルーブッシュは地面から浅い場所に根を張るので、雪によって冷えやすい植物です。雪が溶けることによって常に水分を与えることになるので、根腐れの原因になります。

アカシア・ブルーブッシュに異変が起きたときの対処法

葉が落ちてきたり、枯れてきたりしたらどうすれば良いのでしょうか。次はアカシア・ブルーブッシュに異変が起きたときの対処法について説明していきます。アカシア・ブルーブッシュの魅力はきれいな葉色です。葉が枯れたり落ちたりすると魅力が半減してしまうので、手遅れになる前にもとの元気な状態に戻るように対処しましょう。

葉が落ちる

葉が落ちる原因の一つに根詰まりがあります。アカシア・ブルーブッシュの根は横に広がらずに下へと伸びていくので浅い鉢だと根詰まりしやすいです。鉢植えするときは縦長の深い鉢を用意すると良いでしょう。

鉢替えするときは、根を傷つけないように気を付けてください。アカシア・ブルーブッシュの根はとても繊細なので、根を傷つけることも葉が落ちる原因です。他にも、急激な気温低下についていけなかったり、日当たりが悪い場所だと葉が落ちやすくなります。

枯れてきてしまった

アカシア・ブルーブッシュの成長速度は速いので、植え替えしなくても初めから大きな鉢で育てれば良いと思うかもしれません。しかし、苗木の頃から大きな鉢で育てると、根が土の水分を吸いきれずに根腐れを起こしてしまいます。土が常に湿った状態だと根腐れを起こして枯れる原因となるので、成長速度に合わせて鉢を選ぶようにしましょう。

水はけの悪い土でも同様に根腐れを起こしやすくなります。植え付ける場所の土の状態を見極めて土壌改良を行ってください。水はけを良くするには、ヤシの実を繊維状に加工したベラボンや小粒の軽石などを土に混ぜ込むと良いでしょう。

アカシア・ブルーブッシュに関するQ&A

アカシア・ブルーブッシュを育てようと思ったら、まずは苗木を購入しなければなりません。しかし、初めて苗木を購入する場合はどの程度の大きさの苗木を買えば良いのか、どんなポイントを確認して苗木を選べば良いのか分からないでしょう。

最後は、アカシア・ブルーブッシュの寿命や購入方法についてまとめました。アカシア・ブルーブッシュを購入しようと考えている方はぜひ参考にしてみてください。

寿命はどれくらい?

アカシア属は比較的短命と言われており、平均寿命は10〜20年です。早いものだと10年程で枯れてしまいます。特に日本は台風の被害が多いので、大きくなるにつれて強風にあおられて倒れたり、折れたりする危険性が高いです。

剪定をすれば成長を遅らせることができます。成長が遅くなればその分寿命も伸びるでしょう。幹が太くなるように主枝を剪定すれば、強風にも耐えられるようになります。高さを抑えて枝数を減らし、風の影響が最小限になるように剪定しましょう。

購入する方法は?

店頭やオンライン、通販サイトで購入できます。店頭以外で購入するときは実物を見ることができないので、写真を送ってもらうなどして苗木の状態を見ておくと安心です。運搬中に傷がついたり明らかに弱っていたりした場合に返品できるかなどのトラブル対応も確認しておきましょう。

苗は全体の高さが35〜60cmのものがおすすめです。大きすぎると剪定するのが大変なので、60cm程度のものが良いでしょう。小さなものでも生育速度が早いので、すぐに大きくなります。

購入するときのポイントは?

苗木を選ぶときは幹が太く、根本がしっかりしているものが良いでしょう。アカシア・ブルーブッシュは高さの割に幹が細いので倒れやすいです。幹が太いものであれば、根もしっかり張っているので倒れる危険性が少なくなります。

また、枝数が多く形が整ったものを選ぶと手入れが楽です。アカシア・ブルーブッシュはこまめな剪定が必要なので、購入した時点である程度形が整ったものを選ぶと剪定がしやすくなります。葉が生き生きとしているものも健康な証拠なのでおすすめです。

まとめ

アカシア・ブルーブッシュの特徴と育て方について詳しく説明しましたが、いかがだったでしょうか。アカシア・ブルーブッシュがもつシルバーブルーの葉はとても美しく、ほかの植物ではあまり見かけない色です。

一年中葉をつけているので、お庭のシンボルツリーにもぴったりでしょう。剪定して自分の好きな樹形にすることもできるので、手入れの過程も楽しむことができます。ぜひアカシア・ブルーブッシュでガーデニングを楽しんでください。