胡蝶蘭

ラ・メールコラム > 胡蝶蘭 > 胡蝶蘭の冬の育て方は?低温や乾燥に負けない管理方法とは

皆さんは胡蝶蘭を越冬させた経験はありますか?胡蝶蘭の冬越しをするには、それ相応の準備が必要だと言われています。そんなことを言われても、冬を迎える胡蝶蘭に、実際にどんな対策をすれば良いのかをパッと思いつく方は、なかなかいないでしょう。

今回は、そんな方に向けて、胡蝶蘭の冬場の育て方や寒さ対策、そして保温の仕方を中心にご紹介していきます。胡蝶蘭の冬の育て方についてお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。

胡蝶蘭とは

「蝶が舞っている」ような見た目から日本では胡蝶蘭と呼ばれており、「幸せが飛んでくる」や「共にする喜び」という花言葉を持っています。開店祝いなどのさまざまな行事で目にする機会も多いでしょう。贈る側から贈られた側への、幸せや今後の発展を願うという意味が込められています。

東南アジアやマレーシア、インド南部などに分布し、白い花を付けることで知られていますが、現在ではさまざまな色や大きさの花をつける種が存在しています。暑さに強く多湿を好む花でもありますが、寒さにはメッキリ弱いので注意が必要です。

それでは、胡蝶蘭の冬の育て方について、順に見ていきましょう。

胡蝶蘭の冬の育て方

胡蝶蘭を冬に育てるには、いくつかのポイントを押さえておく必要があります。なぜかと言えば、先ほども少し触れたように、胡蝶蘭は寒さに特に弱いため、冬を越すためには注意すべきポイントがあるからです。ここでは、胡蝶蘭の冬の育て方について見ていきましょう。

置き場所

冬場は、一日のうちで気温が高い時間帯は日に当たる場所に置き、それ以外の時間帯は窓際から離して部屋の一番暖まりやすい場所に置くようにしてください。胡蝶蘭は、木漏れ日のような柔らかい光を好むため、日中はなるべく光に当たる窓辺に置くことを心掛けましょう。少し手間はかかりますが、暖かい光を浴びられる場所と、部屋の暖かい所に置く場所の配置換えをこまめに行うことで、寒い時期を胡蝶蘭が乗り越えられる環境づくりができます。

水やり

胡蝶蘭は、冬場は休眠状態で、ほぼ栄養を取らずに過ごしています。そのため、水分もあまり必要とせず、その代わり加湿や保温が大切なポイントです。植え込み材や水苔が根元にある場合は、それらの乾燥具合をチェックしましょう。カラカラになってからさらに3日ほど開け、その後コップ半分ほどの少量の水を、室温と同じくらいの温度にした後、注いでください。冬場に水を多めに与えてしまうと、腐らせて枯れてしまうことが多いので、水の量とあげるタイミングはとても大切なポイントです。

また、「葉水」は冬場でも湿気を好む胡蝶蘭にとっては、特に有効な方法です。葉の両面に霧吹きで水をかけることで湿度をアップさせられます。これは、部屋に暖房を入れて、部屋の空気が乾燥しているときに行うと、胡蝶蘭のみならず、部屋の湿度も程良く保てるので、一日に数回行うと一石二鳥です。

肥料

先ほども触れたように、冬場の胡蝶蘭は休眠状態となっており、栄養をほとんど必要としていません。そのため、冬場に肥料を与えると栄養過多になって、かえってダメージを受けさせてしまうことになるので、注意が必要です。

花芽

秋に胡蝶蘭の葉の間から花芽が伸びてきた場合は、冬場でも気温を12℃以上に保てた場合、順調に花芽が伸びていきます。ところが、10℃以下になると、花芽の成長も止まり、完全休止状態になってしまいます。寒すぎる状況を作らない限りは、また春になると花芽も伸びて来ます。

病気予防

少しでも水分を多く与えすぎると、すぐに根腐れを起こしてしまう状態になります。万が一葉の付け根に水が溜まっていたら、ティッシュなどでふき取るようにしてください。

また、カビが原因で起こる「炭疽病」や、細菌が原因で起こる「軟腐病」「渇班細菌病」が発生することがあるので、低温には特に注意が必要です。いずれも水のやりすぎにより、株が弱って起こる病気なので、いかに水分調整が重要かを理解してもらえると思います。

【低温対策】胡蝶蘭の冬の育て方のポイント

ここからは、実際に胡蝶蘭を冬に育てるためのポイントについて、順に見ていきたいと思います。下記の3つのポイントについて見ていきましょう。

  • 発泡スチロール・段ボールを被せる
  • ビニール袋で覆う
  • 気温に合わせて置き場所を変える

それぞれ詳しく解説していきます。

発泡スチロール・段ボールを被せる

胡蝶蘭を、鉢ごと発泡スチロールや段ボールで丸ごと覆うことで、窓際にしか置き場所のない胡蝶蘭でも冬を越せるようになります。昼間はしっかり日に当てて、急激に気温が下がってくる時間帯からすっぽりカバーをかけるようにすれば、外気による寒さを防ぐことが可能です。

ビニール袋で覆う

一番手に入りやすく、アレンジをしなくても良い方法が、このビニール袋で覆う方法です。胡蝶蘭を大きめのビニール袋ですっぽり覆ってしまえば、簡単に程良い湿度もある暖かい空間を作ることが可能です。胡蝶蘭の冬越しには、一番手間いらずでベストな方法かもしれません。

気温に合わせて置き場所を変える

先ほども上記で触れたように、日中は程良い日が当たる場所に設置し、日が陰って来て気温も低下してくる頃から、部屋の暖かい場所に配置換えする方法です。毎日こまめにする必要があるため、かなりの手間がかかってしまいます。

胡蝶蘭は、夜でも最低18℃以上の環境で育てることがベストとされており、暖房などを駆使し、乾燥に気を付けながら冬の期間を過ごせば、春に元気に芽吹いてくれます。

【乾燥対策】胡蝶蘭の冬の育て方のポイント

胡蝶蘭は、気温の低下のみならず、乾燥にもとても弱い植物です。そのため、乾燥しやすい上に暖房なども使用する冬場には、特に気を使い、湿度を保つようにする必要があります。

葉水をする

胡蝶蘭の葉の裏表に、霧吹きでこまめに水を吹きかけることで、葉の乾燥を防げます。胡蝶蘭の根が乾燥すると枯れる可能性がありますが、かといって水分を与えすぎると根腐れを起こして枯れてしまいます。ですから、葉水で調整するのが一番ベストな方法と言われており、程良い水分と湿度を胡蝶蘭に与えることが可能です。

加湿器を活用する

湿度が50%を下回ってしまっている場合は、加湿器を使って、60~80%の良い湿度をキープすることが大切です。加湿器をお持ちでない方は、水を張った洗面器の近くに胡蝶蘭の鉢を置くという方法でも加湿が可能です。

ビニール袋は保湿にもなる

低温対策のビニール袋で覆うという見出しでも既に触れましたが、大きめのビニール袋を胡蝶蘭に鉢ごとすっぽり被せれば、寒さ対策と同時に乾燥対策にもなります。ビニール袋を被せるだけで寒さと乾燥の2つの問題を解決できるので、一番手間がかからない方法といえるでしょう。

冬にやってはいけない胡蝶蘭の育て方

冬越しが一番苦労する胡蝶蘭ですが、冬の時期に絶対してはいけないポイントもいくつかあります。知らず知らずのうちに、大切な胡蝶蘭を枯らしてしまうことのないよう、知識として持っておきましょう。

植え替えをしない

寒い冬場の植え替えは、胡蝶蘭を元気にするどころか、かえって負担をかけてしまいます。さらに、根を傷め、そこから病気が発生し、腐って枯れてしまう可能性もあるのです。そのため、冬場の植え替えは絶対に行うべきではありません。

暖かい部屋で行ったら大丈夫だろうと思われる方もいるかもしれませんが、胡蝶蘭にとっては負担が大きいので避けるようにしましょう。

葉の異常や変化を確認する

毎日、定期的に胡蝶蘭の様子を観察することで、葉の変化や傷みにすぐに気が付けます。葉を確認すれば、病気の早期発見につながったり、症状の把握やトラブルの原因を突き止めたりすることができるため、胡蝶蘭を日々定期的にチェックするのを日課にしましょう。

冬の育て方に失敗した胡蝶蘭への対処法

いろいろ対策を講じても、冬を越すのに失敗をしてしまうことも多々あります。そんなときにも慌てず対処できるように、ここではさまざまな場合での処置の方法について簡単にご紹介します。下記のようなパターンごとに見ていきましょう。

  • 茎だけになってしまった
  • 歯がしなびてしまった
  • 葉が変色してしまった
  • 歯に黒い斑点ができた

それぞれ詳しく解説していきます。

茎だけになってしまった

胡蝶蘭の株が弱っている場合に良く起こる現象で、冬場の温度や湿度が胡蝶蘭に合っていなかったことや、水を与えすぎたこと、日に当てる量が少なすぎたなどの原因で起こります。

対処法としては、水やりを中止し、風通しの良い場所で胡蝶蘭と土全体をしっかり乾燥させ、4月を迎える頃に霧吹きで土の表面のみに霧吹きで水を吹きかけるようにしてください。この方法を行って、6月頃に新芽が出てきたら、株が復活した証ですし、もし回復してこなければ、既に手遅れになっている可能性が高く、諦めるしか方法がない状態と言えます。

葉がしなびてしまった

冬場、水やりを極力控えていたにも関わらず、実は水が多く、根腐れを起こしていたという場合に起こる症状です。寒い時期は湿度を保つためにビニールなどで覆えば、水やりをしなくても、うまく循環して程良い湿度と水分量が保たれている場合が多いので、敢えて水分を与える必要はありません。

対処法としては、葉水を与え、暖かい部屋で保温と保湿を行いながら、カビが生えてきていないかだけ注意深く観察し、1~2ヶ月ほど安静を保ってください。その後、葉に艶が出てきたら復活ですし、残念ながら異臭がしてきたり、症状が改善しない場合は、根腐れを起こしてしまっている場合があるので、乾燥させることを心掛けつつ、暖かくなる4月~6月頃に植え替えをしてみることをおすすめします。

葉が変色してしまった

「葉焼け」と言われる現象で、冬でも油断して直射日光のもとに長時間放置してしまった場合に起こることがあります。対処法としては、すぐに日陰かカーテン越しの柔らかい光が当たる場所に移動させ、葉が茶色くなったり黒くなったりしている場合は、傷んだ葉をカットし、そこから病気になることを防ぐようにしてください。

葉に黒い斑点ができた

これは、「炭疽病」と呼ばれる病気で、葉に茶色や明るめの灰色の斑が現れ、徐々に大きく黒くなっていき、進行すると葉に穴がポッカリ開いてしまうケースもあります。株が弱っているときに、カビの胞子が付着することで起こる病気です。

対処法としては、葉の斑点になっている部分を切り取り、切り取った部分に殺菌剤を塗り、風通しの良いところに移動させて様子を見るようにしてください。これも、日々観察することで早期発見が出来たら、すぐに治せる病気です。

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定番の美しい白の胡蝶蘭

白い胡蝶蘭は、その姿から「清純」という花言葉が付けられています。結婚式のブーケや新築祝い、当選祝いなど、白い胡蝶蘭の花言葉が相応しい場面で良く用いられます。また、他のお花の引き立て役としても、白い胡蝶蘭は存在感抜群です。

祝いの席に合う上品な紅白の胡蝶蘭

紅白の胡蝶蘭は、特に「縁起の良さ」から、人気の高い組み合わせです。特別なお祝いの日にとても映える紅白の胡蝶蘭は、胡蝶蘭自身が持つ「幸福が飛んでくる」という花言葉をさらに引き立てる組み合わせで、誰が見ても「お祝い」というイメージを感じさせられます。

紅白の胡蝶蘭と言ってもタイプはさまざまなので、各タイプごとに簡単にご紹介します。

 

種類 説明
リップ 白い胡蝶蘭の、花びらの先端部分だけが唇のように赤い色をしているタイプです。色の比率は、「白:赤=9:1」という感じです。
リトルゼブラ ミディサイズの紅白の胡蝶蘭で、ベースが赤色で白いラインが入っている所がシマウマに見えるため、このように呼ばれています。赤色の比率が9割を占めているタイプです。
紅白胡蝶蘭ミックス 赤色と白色の胡蝶蘭を混ぜて、紅白の胡蝶蘭にしているタイプです。赤色と白色を各一本ずつ合わせる場合や、赤を1本と白を2本、もしくは赤を2本と白を1本組み合わせる場合などがあります。

色鮮やかなピンクの胡蝶蘭

「あなたを愛する」という花言葉を持つピンクの胡蝶蘭は、贈る側の相手を思う気持ちが込められています。母の日のプレゼントや取引先へのお祝いの場面で多く用いられるカラーでもあります。また、可愛らしいピンク色から、出産のお祝いなどのギフトとしても贈られることが多いです。

エレガントなブルーの胡蝶蘭

ブルーの胡蝶蘭には「白い胡蝶蘭をブルーに染めたもの」「品種改良で作られたもの」という2タイプがあります。ちなみに、ブルーの胡蝶蘭の花言葉は「愛」「尊敬」で、とても希少なカラーです。特に遺伝子操作で生まれた青い胡蝶蘭は、展覧会などの特殊な場面でしか眼に触れる機会が無く、会場へ足を運ばない限り見ることができない品種です。

では、胡蝶蘭の各ブルータイプについて簡単に見ていきましょう。

 

名前 説明
ブルーエレガンス 白い胡蝶蘭の花びらに注射器を刺し、特殊な染色液を吸わせて青色に染め上げるか、花びらに直接、特殊な塗料を吹きかけて青色に染め上げるかという方法で生まれたブルーの胡蝶蘭です。花びらにある葉脈に沿って、鮮やかな青色がグラデーションのように広がるのが特徴で、花びらに安全な染料を使っており、塗料が落ちてしまうなどの心配はありません。
青い胡蝶蘭 遺伝子組み換えにより生まれた青い胡蝶蘭で、瑠璃色に近い深い青いカラーが魅力的なブルーカラーの胡蝶蘭です。

まとめ

この記事では、冬季の胡蝶蘭の育て方や低温、乾燥に対する対処の方法をご紹介してきました。胡蝶蘭は寒さや乾燥にとても弱く、冬を越すにはそれ相応の対応が必要ですが、ときにはその対応が引き金となって根腐れを起こし、枯れさせてしまう場合もあるため、水分量には十分気を遣う必要があります。

冬場はとても繊細な胡蝶蘭ですが、冬は休眠している時期だということをしっかり理解し、大切な胡蝶蘭が元気に春を迎えられるよう、万全の対策と細心の注意で冬を乗り越えてくださいね。