和風の雰囲気が魅力!観葉植物を和モダンなインテリアに
近年のグリーンインテリアブームで、インテリアをコーディネートするアイテムとして観葉植物の人気があります。観葉植物を飾る部屋としては洋室をイメージしやすいですが、和風な雰囲気を持っている観葉植物を選べば、和室にもマッチしてくれますよ。
今回は、和室や和モダンな雰囲気のインテリアに調和しやすい、和風な観葉植物についておすすめの品種をご紹介していきます。ご自宅に和室をお持ちの方は、和の雰囲気をたっぷりと楽しめるお部屋作りに、ぜひ観葉植物を取り入れてみてくださいね。
和のインテリアに合う観葉植物の選び方
洋室は、基本的にテーブルや椅子、ソファが置かれ、家具に座って過ごす部屋として設計されています。一方、畳で作られる和室は、畳に直に座って過ごす部屋として設計されています。そんな和室には、いったいどんな観葉植物が似合うのでしょうか。
まずは、和のインテリアに合う観葉植物の選び方のコツから解説しましょう。
畳とのバランスを意識して選ぶ
和室は、洋室よりも視点が低くなっている特徴があるため、視界に入る畳を上手に活かしたインテリアがおすすめです。畳の上に置く観葉植物も、畳と適度なバランスを取るようにして飾ってみましょう。
選び方のコツとしては、観葉植物を置いたときに畳が半分隠れるほどだとバランスが良い印象を受けます。広めの和室では、大きめのサイズの観葉植物を配置すると、部屋全体の空間を上手に演出できますよ。
近年増加傾向にある正方形の畳では、畳のサイズに合わせた小さめサイズの観葉植物を選ぶとバランスよく飾れます。
床の間に観葉植物を飾る
床の間がある本格的な和室をお持ちでしたら、ぜひ床の間を活用して観葉植物を飾ってみてください。床の間は本来、掛け軸や旬の植物を飾り、日本の四季を楽しむ場所です。掛け軸を飾る場合は、植物と掛け軸が重ならないように掛け軸の高さに合わせた観葉植物を配置します。2〜4号程度の大きさの鉢植えだと、掛け軸を邪魔せずに飾ることができるでしょう。掛け軸がない場合には、高さのある観葉植物を配置しましょう。粋な飾り方のコツは、上側か左右に余白を少し残しておくことです。
大きめの観葉植物を隅に置く
和室の隅に観葉植物を置けるスペースがあれば、大きめサイズの観葉植物を配置してみましょう。中心に大型の観葉植物を置くと、部屋の広さによっては圧迫感が生じますが、隅に飾ればその心配も無用です。
小〜中サイズの鉢植えを組み合わせて、複数配置してみるのも良いですが、組み合わせや起き方によってはごちゃついて見えてしまい、洗練された雰囲気が出せないことも。自信がない方は、隅にひとつ大型の観葉植物を置くだけで、適度な空間バランスを演出できますよ。
初心者でも育てやすい観葉植物の選び方
お部屋に置く観葉植物を選ぶときは、見た目はもちろんですが、次の3つのポイントも大切です。
置き場所に見合った大きさを選ぶ
部屋の広さや置き場所に対して、大きすぎるサイズの観葉植物を選んでしまうと、部屋が窮屈に見えたり圧迫感が生まれて、過ごしづらさを感じてしまいます。
目安としては、6〜7畳程度の小さめの和室には2〜5号サイズまでだと、部屋に対して大きすぎません。8畳以上の広々とした和室でしたら、6〜8号サイズの大型の鉢植えでも楽しめます。
性質が丈夫でお世話が楽なもの
インテリアとして飾る観葉植物も、生きている植物ですので毎日のお世話は必須です。初めて観葉植物を家に迎える方は、初心者でも育てやすい丈夫な性質を持つ観葉植物を選びましょう。
初めて観葉植物を育てるときにありがちな失敗が、水やりを忘れて枯らしてしまうこと。まだ水やりが習慣として身につかないうちは、日々の忙しさにかまけてつい忘れてしまいがちです。水やり面が不安な方は、乾燥に強い性質を持った観葉植物を選びましょう。植え替えや剪定作業に不安がある場合には、成長速度がゆったりしている品種を選べば、剪定の手間が少なく済みます。
耐陰性がある品種を選ぶ
植物が元気に成長していくには日光が欠かせません。しかし、品種によってはある程度の日陰でも育ってくれる観葉植物もあります。基本的に室内で観葉植物を管理する予定で、日中家を空ける時間が長いライフスタイルの方は、日陰でも育ちやすい、耐陰性のある観葉植物を選びましょう。
和室にしっくり馴染む!おすすめの観葉植物
畳や木の柱など、ナチュラルな素材が目立つ和室は、比較的どんな観葉植物も調和しやすいのですが、オリエンタルな雰囲気を持つ観葉植物を選ぶことで、より植物と部屋がマッチします。
最後に、和風の雰囲気を持ったおすすめの観葉植物たちをご紹介しましょう。初心者の方でも育てやすい、丈夫な観葉植物をピックアップしたので、ぜひインテリアグリーン選びの参考にしてみてくださいね。
シュロチク
科・属 | ヤシ科・ラピス属 |
和名 | 棕櫚竹(しゅろちく) |
英名 | Reed rhapis, Slender lady palm |
学名 | Rhapis humilis |
原産地 | 中国 |
花言葉 | 「思慮深い」「向上心」 |
シュロチクは漢字表記で竹の字が含まれるとおり、竹にとても似ている観葉植物です。竹のように放射状に伸びた細長い葉が特徴的で、鮮やかな緑色が美しいことから「緑の宝石」の別名も持っています。
常緑樹なので通年美しい葉色を眺められるのも、観葉植物として人気が高い理由のひとつです。大きくなると2メートルほどの樹高になります。
竹に似ていることからオリエンタルな雰囲気を持ち、アジア料理のお店やリゾートホテルのフロントなどに飾られている姿を多く目にします。耐寒性と耐陰性にあわせて丈夫な性質を持っているので、室内で育てやすい初心者向けの観葉植物です。
カンノンチク
科・属 | ヤシ科・カンノンチク属 |
和名 | 観音竹(かんのんちく)、琉球棕櫚竹(りゅうきゅうしゅろちく) |
英名 | Bamboo palm, Lady palm |
学名 | Rhapis excelsa |
原産地 | 中国、東南アジア |
花言葉 | 「日々の平安」「スマートな淑女」 |
沖縄の観音山に自生していたことから「観音竹(かんのんちく)」と呼ばれるようになりました。先ほどご紹介したシュロチクと同じヤシ科で、大変よく似ている観葉植物です。シュロチクと同様に涼しげで落ち着いた佇まいを持っており、和風の部屋に馴染みやすいフォルムをしています。ヤシ科の観葉植物は生長速度がのんびりしているものが多いので、樹形が崩れにくく、剪定の手間が少なく済むというメリットがあります。
シュロチクと比較すると葉の幅が太く、葉は手のひらの形のような掌状複葉で、やや上に反っています。
ガジュマル
科・属 | クワ科・イチジク属 |
和名 | ガジュマル、多幸の木、幸せを呼ぶ木 |
英名 | Chinese Banyan, Malayan Banyan |
学名 | Ficus microcarpa |
原産地 | 沖縄、東南アジア、台湾、オーストラリアなど |
花言葉 | 「健康」 |
沖縄県を代表する植物としても有名なガジュマルは、洋室と和室のどちらのインテリアグリーンとしても優秀な観葉植物です。沖縄では、子どもの聖霊・キジムナーが宿る神聖な木として、人々から愛されています。
観賞用では扱いやすい大きさにまでしか生長しませんが、自生環境のガジュマルは数十メートル以上の樹高に育つこともあります。
ガジュマルに人気がある理由のひとつが、ユニークでかわいらしい樹形です。太い幹の途中から生えている気根(きこん)という部分が、足が生えた姿のように見えるので、チャーミングだと人気があります。個体によって幹の形が異なり、ひとつとして同じ形のガジュマルがないので、自分好みの樹形を選ぶことで特別感が増すのも魅力です。
幹がうねって伸びていくので、盆栽を連想させる姿であるのも和室に馴染みやすい理由です。幅広いサイズ展開があるので、飾りたい場所に見合ったサイズの鉢植えを見つけやすいというメリットもあります。
アレカヤシ
科・属 | ヤシ科・ヒメタケヤシ属 |
和名 | 山鳥椰子(やまどりやし)、黄金竹椰子(こがねたけやし) |
英名 | Areca palm |
学名 | Dypsis lutescens |
原産地 | マダガスカル |
花言葉 | 「勝利」「元気」 |
明るい緑色の葉がのびのびと育っていくアレカヤシは、南国の雰囲気も持ち合わせた観葉植物です。伸びた葉はふんわりと垂れ下がり、ゆったりとした空間を演出してくれます。
耐陰性にも優れているので、室内での栽培にも適しています。自生地は熱帯雨林気候の地域なので、適度な湿度になるよう管理しましょう。霧吹きなどでこまめに葉水をかけてあげると、アレカヤシの葉を常に美しい状態で観賞できますよ。病気や害虫の予防にも繋がるので、定期的に行ってくださいね。
トックリラン
科・属 | キジカクシ科・トックリラン属 |
和名 | 徳利蘭(とっくりらん)、象の足(ぞうのあし) |
英名 | Ponytail palm |
学名 | Beaucarnea recurvata |
原産地 | メキシコ |
花言葉 | 「多くの才能」 |
トックリランは、どっしりとした幹の株元が太く膨らんでいる姿を徳利(とっくり)に例えられて名付けられました。この膨らんだ部分には水分を蓄えているので、乾燥には強い観葉植物です。太い幹に細長い葉がくるんとカールしているトックリランは、トロピカルな雰囲気も感じさせます。葉がふさふさと生えている様子を馬の尻尾に例え、英名では「Ponytail palm」と呼ばれています。
トックリランは耐寒性に優れており、なんとマイナス8度まで耐えられる植物です。寒冷地以外の地域では、屋外でも管理できる強さを持っています。耐陰性も備えていますが、日光が不足するとトックリランの魅力である膨らみが弱くなってしまうので、週に2〜3回程度は適度な日光浴をさせてください。
リュウビンタイ
科・属 | リュウビンタイ科・リュウビンタイ属 |
和名 | 鱗羊歯(うろこしだ)、龍鱗(りゅううろこ) |
英名 | Elephant fern、Mules foot fern |
学名 | Angiopteris lygodiifolia |
原産地 | 日本 |
花言葉 | 「誠実」「魅惑」「愛嬌」 |
和名では「鱗羊歯(うろこしだ)」「龍鱗(りゅううろこ)」と呼ばれるリュウビンタイは、ゼンマイのような形の新芽が渦状に伸びていくという特徴を持っています。幹がごつごつとした質感であることから、龍の鱗に例えられました。シダ植物の仲間で、ほっそりとした繊細な葉を羽のように広げています。
生長速度はのんびりで、南国やジャングルを連想させる姿をしていますが、シダ植物らしい繊細な雰囲気から、和のテイストにもぴったりの趣がある観葉植物です。
オリヅルラン
科・属 | キジカクシ科・オリヅルラン属 |
和名 | 折鶴蘭(おりづるらん) |
英名 | Spider plant |
学名 | Chlorophytum |
原産地 | 温帯~熱帯地域 |
花言葉 | 「集う祝福」「子孫繁栄」 |
ほっそりした細長い葉を放射状に伸ばすオリヅルランは、明るいグリーンの葉が魅力的な観葉植物です。特に人気があるのは、グリーンとホワイトのコントラストが美しい斑入りの品種です。
オリヅルランは、ランナーと呼ばれる匍匐茎に子株を付けていく特徴があります。このランナーの先に付く子株が小さな折り鶴のように見えるので、「折鶴蘭(おりづるらん)」の和名が付けられました。英語圏ではこの子株を糸でぶら下がる蜘蛛に例えており、「Spider plant」の英名で呼ばれています。
エバーフレッシュ
科・属 | マメ科・コヨバ属 |
和名 | 赤莢合歓木(あかさやねむのき) |
英名 | Pithecellobium confertum ever fresh |
学名 | Cojoba arborea var. angustifolia |
原産地 | 熱帯アメリカ |
花言葉 | 「胸のときめき」「歓喜」 |
エバーフレッシュは「就眠運動」を行う観葉植物です。羽状複葉(うじょうふくよう)と呼ばれる鳥の羽のような形状の葉を持っており、この葉が夜にゆっくりと閉じていきます。エバーフレッシュの自生地は乾燥した環境なので、蓄えた水分を夜間に蒸発させないようにこの運動を行っています。朝になると、日中に水分を蓄えるために葉を開いていきますよ。
朝に起きて夜に就寝する人間のリズムと似ているので、一緒に暮らしているという実感が湧く、朝と夜で違った姿を見せてくれる観葉植物です。
耐陰性があるので、室内での栽培にも適しています。水分が足りなくなると葉がしわしわになってしまうので、葉の様子をバロメーターにして観察しつつ、葉水を取り入れたお世話をしましょう。
ザミア
科・属 | ザミア科・ザミア属 |
和名 | メキシコ蘇鉄(そてつ)、広葉(ひろは)ザミア |
英名 | Florida arrowroot |
学名 | Zamiaceae |
原産地 | メキシコ |
花言葉 | 「雄々しさ」 |
ほっそりとしたシャープな茎と丸みを帯びた葉が魅力的なザミアは、ソテツの仲間の観葉植物です。ソテツは尖った葉が特徴ですが、ザミアの葉は丸いフォルムでつやつやとしているので愛らしさを感じられます。葉の裏には細かく毛が生えていて、触れてみるとやわらかな質感があります。
ザミアとして広く流通している品種は「ザミア・プミラ」という種類です。常緑種なので通年美しい葉を眺められるのも魅力のひとつです。盆栽として仕立てられることもあるので、和室との相性はばっちりな観葉植物ですよ。
トクサ
科・属 | トクサ科・トクサ属 |
和名 | 砥草・木賊(とくさ) |
英名 | Scouring rush, dutch rush |
学名 | Equisetum hyemale |
原産地 | 日本 |
花言葉 | 「率直」「非凡」 |
道端に生えている、膝丈ほどの小さい竹のような植物を見かけて「これは竹?それともツクシ?」と疑問に思ったことはないでしょうか。あなたが見かけた小さい竹のような植物は、おそらく観葉植物のトクサです。シャープですらりとした樹形から和室との相性が良いので、盆栽や寄せ植え仕立てとしてもアレンジされている観葉植物です。
日本を原産地とするトクサは、細い竹が何本も集まっているような独特な見た目をしています。ツクシと同じ仲間に属するので、ツクシを緑色にしたような見た目にも見えます。茎を触ってみるとザラザラとしており、竹のように節があります。茎のざらついた性質から、古来の日本では木工品を磨くヤスリとして用いられていたので、「砥草(とくさ)」の和名が付けられました。茎の内側は空洞になっているので、まさしく竹に似ていますよね。
まとめ
今回は、和風な雰囲気を持っている和室にぴったりな観葉植物をご紹介してきました。
和室に観葉植物を飾る際のコツは、空間の「間」を上手に活かして配置することです。自信がない場合には、部屋の隅にスペースを作って、部屋の大きさに見合うサイズの観葉植物をシンプルに飾ってみましょう。床の間がある和室では、掛け軸と組み合わせて楽しむのも趣があって素敵です。季節の花を飾る床の間には、季節感のある観葉植物を置くことで、さらに和室の味わいが深まります。
近年のマンションなどでは、正方形の畳を敷いた和モダンテイストの和室も増えています。畳の良さを活かしつつ、素敵な和室のインテリアを楽しんでみてくださいね。