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寄せ植えにも優秀!白い葉っぱを持つ観葉植物たち

一般的に植物としてイメージされる緑色の葉を持つものと違い、白っぽい葉や銀色がかった葉を持っている植物があります。これらは総称して、「シルバーリーフプランツ」と呼ばれており、花を愛でるよりも葉の観賞価値が高い植物です。

ショッピングモールなどの店先にある花壇の寄せ植えなどでも、よく見かけますよね。

シルバーリーフを持つ植物は、他の植物との相性が大変良いことから、寄せ植えのアクセントとして高い人気があります。

今回は、シルバーリーフプランツの中からおすすめの品種をピックアップしてみました。

 

シルバーリーフとは

植物が持つ葉の色はほとんどが緑色ですが、中には赤っぽい葉や黄色がかった葉など、緑色以外にカテゴライズされる色合いのカラーリーフがあります。

その中でも銀白色系統の色味に分類されるものが「シルバーリーフプランツ」と呼ばれ、シルバーリーフの略称で流通しています。

なぜ白っぽく見えるのかといえば、葉の表面が細かい毛などで覆われていて白く見える場合が多いからです。ですからシルバーリーフは、葉に触れてみるとふわふわしていたりやわらかかったりと、触り心地がとても良い葉が多いのも魅力のひとつ。

シルバーリーフは、ふわふわとしたやわらかい印象の植物から、すっきりと清楚な印象を受けるもの、メタリックシルバーのようなクールな印象、シルクのような質感の高級感があるものなど、全体のフォルムや葉の形などによって受ける印象がさまざまであるのも魅力です。

シルバーリーフは寄せ植えの相性が抜群

美しい葉を持っているシルバーリーフは、それだけで育てていくのも良いですが、他の植物たちと組み合わせて、寄せ植えでデザインするのもおすすめです。

一般的な緑の葉を持つ植物とも相性が良いですし、他の色合いを持つカラープランツとの相性も良く、花が咲く植物と一緒に育てても、花を邪魔することがありません。

アンティークさを感じられるシルバーリーフを使い、リースを玄関に飾っているお家を見ると、外国のお家のような上品さがありますね。

 

シルバーリーフを持つ品種

それではさっそく、美しいシルバーリーフを持つ植物たちをご紹介していきましょう。

葉が楽しめるだけではなく、きれいな花が咲く種類も多いので、ぜひガーデニングや鉢植えの参考になさってみてくださいね。

 

アサギリソウ 

科・属 キク科・ヨモギ属
和名 朝霧草(あさぎりそう)
英名 Silvermound artemisia
学名 Artemisia schmidtiana
原産地 ロシア

朝霧が立ち込めているようなうっすらとした姿から名付けられたアサギリソウは、細長い葉を球状にこんもりと茂らせる、独特なフォルムをしており、盆栽の下草としてもよく用いられています。

アサギリソウには黄緑色の花が咲きます。花の形はヨモギのような総状花序で、連なるようにしてやや下向きに咲くのが特徴です。

原産地はロシアのため、暑さや湿気は苦手。日本では、涼しい気候である東北や北陸地方に自生しています。

 

アメジストセージ

科・属 シソ科・サルビア属
別名 メキシカンセージ、メキシカンブッシュセージ
英名 Amethyst sage, Mexican bush sage
学名 Salvia leucantha
原産地 中央アメリカ

一般的に「アメジストセージ」の名称で流通していますが、「メキシカンセージ」「メキシカンブッシュセージ」と呼ばれることもあります。

セージは薬用として使われているものが多くありますが、アメジストセージは観賞用の花になります。シルバーカラーで美しいアメジストセージの葉は、アンティークな雰囲気も感じられます。

花に見える部分は萼(がく)で、その萼から突き出すようにして咲いているのが本当の花になります。指で触れてみると、ベルベットやビロードのようななめらかな質感で、触り心地を好む方も多いようです。

寒さには弱いお花なので、日本の冬が苦手です。庭や花壇、鉢植えなどで育てる場合には、冬越しに注意しましょう。

 

ウエストリンギア

科・属 シソ科・ウエストリンギア属
別名 オーストラリアン・ローズマリー
英名 Coastal rosemary, Australian rosemary
学名 Westringia
原産地 オーストラリア

 

ウエストリンギアは、花や葉の形がローズマリーに似ていることから、「オーストラリアン・ローズマリー」の別名がありますが、ローズマリーのような芳香はなく、葉と花の観賞を楽しみます。ローズマリーよりも枝の質感がやわらかで、全体的に繊細な雰囲気を持っています。

春から秋の間に、薄紫色の小花を咲かせますが、開花した姿はよりふんわりとして、やさしげな印象になりますよ。

 

エレモフィラ・ニベア 

科・属 ゴマノハグサ科
別名 ホワイトツリー
英名 Emu bush, Silky eremophila
学名 Eremophila nivea
原産地 オーストラリア

ほっそりとしたシルバーカラーの葉茎が美しいエレモフィラ・ニベアは、「ホワイトツリー」という別名でも呼ばれます。

エレモフィラ・ニベアは見た目通りの繊細さを持っていて、雨や風に当たるとすぐに茎が折れてしまうので、管理には注意が必要です。

初夏になると青紫色の花を咲かせますが、シルバーとパープルの組み合わせが涼しげで、夏の暑さをひとときでも忘れられそうな姿です。

エレモフィラは種類が大変多い植物ですが、中でもエレモフィラ・ニベアが最も美しい姿だと言われています。

 

カレープラント

科・属 キク科・ムギワラギク属
別名 エバーラスティング、イモーテル
英名 curry plant, everlasting, immortelle
学名 Helichrysum italicum
原産地 地中海沿岸

カレー粉のようなスパイシーな香りが漂う「カレープラント」は、風味付けとして料理でよく用いられるハーブです。

乾燥気味の環境を好むカレープラントは、ドライにしても色が褪せにくく形もきれいなまま残りやすいため、「everlasting(永遠)」「immortelle(不滅)」という別名もあります。

夏になると、枝分かれした茎先から黄色い小花を咲かせるので、ドライフラワー用の花材としても人気があります。

 

コチア・ダイヤモンドダスト

科・属 アカザ科・マイレアナ属
別名 コットンブッシュ
英名 pearl blue bush, blue bush, cotton bush
学名 maireana sedifolia
原産地 オーストラリア、地中海沿岸、西南アジア

コチア・ダイヤモンドダストは、多肉質の葉がぷっくりと膨らんだかわいらしい姿の葉です。美しいシルバーの色味を持ち、形状は針葉樹のようなので、うっすらと雪が積もったクリスマスツリーにも見えます。

その見た目からクリスマスリース用の花材としてよく使われていますが、原産地はオーストラリアで、暑さや乾燥に強い植物です。英名では「blue bush(ブルーブッシュ)」や「cotton bush(コットンブッシュ)」とも呼ばれています。

 

サントリナ 

科・属 キク科・ワタスギギク属(サントリナ属)
和名 綿杉菊(わたすぎぎく)
英名 Santlina, Cotton lavender, Lavender cotton
学名 Santlina chamaecyparissus
原産地 地中海沿岸

細かい産毛のような綿毛が葉を覆い、シルバーホワイトカラーが美しいサントリナは、ラベンダーとヨモギを混ぜたような独特な香りを持っています。この芳香には防虫効果があり、香料やポプリとしても楽しまれているハーブです。

「Cotton lavender(コットンラベンダー)」の別名でも呼ばれていますが、ラベンダーではなくデイジーの仲間に分類されます。香りがラベンダーにやや似ているだけで、花の色はクリーム色や黄色のものが多く、見た目はあまり似ていません。

 

シルバーレース

科・属 キク科・タナケツム属
別名 セネシオ・シネラリア
英名 Silver lace, Tanacetum ptarmiciflorum, senecio cineraria ‘Silver lace’, silver lace bush, Silver feather
学名 Tanacetum ptarmiciflorum
原産地 カナリア諸島

シルバーレースは自生数が激減している希少な植物で、レッドリストの絶滅危惧種に指定されています。

細やかな羽状複葉が銀白色に染まった美しい姿で、レースで編まれたような可憐なフォルムが特徴的です。

同じシルバーリーフに分類される「シロタエギク」によく似ているのですが、シルバーレースのほうがシロタエギクよりも葉がほっそりとしていて、より繊細な印象を受けます。

また、シルバーレースはタナケツム属でシロタエギクはセネシオ属と、別の仲間になります。

 

シロタエギク

科・属 キク科・セネシオ属
和名 白妙菊(しろたえぎく)
英名 dusty miller
学名 Senecio cineraria
原産地 地中海沿岸

シルバーリーフの中でも定番品種ともいえるのが、シロタエギクです。同じシルバーリーフプランツの仲間である「シルバーレース」に形状がよく似ています。

葉にはたくさんの切れ込みが入っていて、ほとんど白に近い葉の色はとても美しく、繊細で上品な印象があります。

初夏になると黄色い花を咲かせるので、白と黄色の美しいコントラストを楽しめますよ。

そんな繊細な姿ながらもシロタエギクは丈夫で育てやすい品種であるため、花壇や寄せ植えのアクセントとして大変人気の高いシルバーリーフです。

英名の「dusty miller(ダスティーミラー)とは「埃っぽい鏡」という意味を持ちます。確かに、埃を被って白くなった鏡のようにも見えますね。

 

セネシオ・エンジェルウィングス

科・属 キク科・セネシオ属
別名 天使の羽
英名 Senecio Angel Wings, Angel Wings
学名 Senecio candicans ‘Angel Wings‘
原産地 南米チリ

セネシオ・エンジェルウィングスは、近年流通しはじめた比較的新しい品種です。先ほどご紹介したシロタエギクの仲間ですが、シロタエギクの葉よりも厚みがあって大きく、切れ込みは入っていません。

葉は美しいホワイトカラーで、触るとふわふわ、もこもことした触り心地の良い質感であることから、「天使の羽」を意味する「エンジェルウィングス」と名付けられました。

可憐な見た目ながらも耐寒性があるので、地植えでも育てられる丈夫さを兼ね備えている頼もしいカラーリープランツです。

 

ディコンドラ 

科・属 ヒルガオ科・ディコンドラ属
別名 ダイコンドラ
英名 Dichondra
学名 Dichondra
原産地 北アメリカ、アジア

丸みを帯びたハート型の葉がチャーミングなディコンドラは、緑色の葉を持つ「ミクランサ」と、銀白色の葉を持つ「アルゲンテア」という種類に分けられます。

ミクランサ種には「アオイゴケ」の和名でも親しまれる緑のつややかな葉が美しい品種があり、シルバーリーフとして楽しまれているのはアルゲンテア種です。

ディコンドラは匍匐性を持っていて繁殖力が強いため、お庭のグランドカバーとしても多く使われている植物です。繫殖力が強く、環境が合えばどんどん増える育てやすい植物です。

 

ハツユキカズラ 

科・属 キョウチクトウ科・テイカカズラ属
和名 初雪葛(はつゆきかずら)
英名 Trachelospermum asiaticum ‘Hatuyukikazura’
学名 Trachelospermum asiaticum
原産地 東アジア、日本

ハツユキカズラの葉は、ところどころがまばらに白っぽく見えるため、ちらちらと降り出した初雪が積もっているような風情のある姿です。新芽は可愛らしいピンク色をしていて、生長するにつれて白色にも変化します。気温が低くなれば紅葉も楽しめるので、通年で葉の色の変化を味わえるカラーリーフです。

ハツユキカズラは白く小さな小花を咲かせますが、花色は徐々にクリーム色へと変化していきます。

 

モクビャッコウ

科・属 キク科・モクビャッコウ属
和名 木百紅・木百香(もくびゃっこう)
英名 Chinese wromwood
学名 Crossostephium chinense
原産地 東アジア

低木のモクビャッコウは鹿児島県の一部や硫黄島など日本にも自生している品種ですが、自生種は乱獲によって減少の一途を辿り、今では絶滅危惧種に指定されている貴重な植物です。

葉の形状はヘラやしゃもじのように先端へ進むにつれて広がっていて、3つ以上の深い切れ込みが入っています。爽やかな香りを持ちますが、キクの香りにも似ている独特な香りで、害虫に強いのが特徴です。

 

ラムズイヤー

科・属 シソ科・イヌゴマ属
和名 綿草石蚕・綿千代呂木(わたちょろぎ)
英名 Lamb’s-ear, Wooly betony
学名 Stachys byzantina
原産地 トルコ、イラン

「Lamb’s ears(子羊の耳)」の英名を持つラムズイヤーは、名前のとおり、子羊の耳のようにぴょこんと跳ねた形をしていて、ふわふわとした銀灰色や乳白色の葉は思わず触れてみたくなってしまう愛らしい見た目です。葉にはややしわがあって、くしゅくしゅとした質感もかわいらしいです。

香りが良いハーブとしても有名で、湿布薬などの薬用としても用いられてきました。初夏になると、マゼンタに近いピンク色や紫色の花を穂状花序に咲かせます。

 

リクニス・コロナリア 

科・属 ナデシコ科・シレネ属
和名 酔仙翁(すいせんのう)、フランネルソウ
英名 Rose campion, Mullein pink
学名 Silene coronaria(Lychnis coronaria)
原産地 南ヨーロッパ

リクニス・コロナリアは、厚みを持った葉がふわふわとしたやわらかな白い毛に覆われていることから、柔らかく軽い毛織物を指すフランネル素材に例え、「フランネルソウ」とも呼ばれます。

物静かな葉の色に対して、花の色は濃いピンク色をしていて、鮮やかな花色と褪せた色合いの葉色との対比が美しい植物です。花は次々に新しいものが開花していくので、リクニス・コロナリアの開花期にはにぎやかな様子を楽しめますよ。

「リクニス・コロナリア」という名称は旧学名が由来になった呼び方で、流通名の多くが旧学名となっていますすが、現在ではシレネ属に分類されているので、正式な学名は「Silene coronaria(シレネ・コロナリア)」になります。

 

まとめ

今回は、寄せ植えや花壇のアクセントとして活躍してくれる、シルバーカラーの葉を持つ観葉植物たちをご紹介してきました。

シルバーリーフはハーブとして使われるものが多く、繊細そうな見た目に反して意外と育てやすい丈夫さも持っているのが嬉しいですね。

観賞価値があるのは葉だけではなく、中には美しい花を咲かせて楽しませてくれる品種もあるので、ぜひご自分で育てて美しい姿を堪能してみてください。