もらった花束をドライフラワーにアレンジ!きれいな作り方や飾り方
いただきものの花束は思い出が詰まっていますから、できるだけ長く楽しみたいものですよね。そんな時には花束をドライフラワーにアレンジしてみましょう。今回は、ドライフラワーの作り方や、長持ちさせる方法についてご紹介します。
いただきものの花束は、嬉しさや思い出が詰まっていますから、できるだけ長く楽しみたいものですよね。そうはいっても切り花の寿命は短いものです。
大切な花束でドライフラワーを作れば、もっと長く楽しむことができますよ。
生花とはまた違ったアンティークな雰囲気を持つドライフラワーは、無造作に置くだけでもナチュラルさを演出してくれるでしょう。
今回は、自宅で挑戦できるドライフラワーの作り方について、ご紹介していきます。
インテリアアイテムとしての楽しみ方もご紹介していきますので、ぜひ参考になさってみてくださいね。
ドライフラワーを自作するには
ドライフラワーを作るためには、お花によって適した方法で作る必要があります。
どんな花でもきれいなドライフラワーを作れるわけではなく、お花の持つ水分量や花びらの厚みなどによって、向き不向きがあるのです。
きれいなドライフラワーに仕上がるお花
ドライフラワーにしたとき、きれいに仕上がりやすいのは、もともと水分量が少なく、乾燥気味で色褪せにくいお花です。
春の代表花である黄色いポンポンがかわいらしいミモザなどは、ドライフラワーにしやすいお花で、他にも触れるとかさかさとした質感のスターチスやセンニチコウ、カスミソウなどもきれいなドライフラワーに仕上がります。
生花のときから乾燥気味のお花は、ドライフラワーにしても変色しにくく、生花の色合いが残りやすいのです。
お花のギフトでは王道でもあるバラは、中でもきれいなドライフラワーになるお花なので、初めて作る方にも挑戦しやすいお花でしょう。
ドライフラワーに向いていないお花
一方で、水分量が多い花や、花びらが薄くて繊細な花は、なかなかきれいなドライフラワーにするのが難しくなります。
鉢植えギフトの定番品でもある胡蝶蘭は、肉厚の花びらにも水分を蓄えているお花なので、きれいなドライフラワーを作るのは難しく、乾燥させるとお花の色が悪くなるためドライフラワーには向いていません。
他にも、キクやユリ、カラーやチューリップなどのお花も水分量を多く含んでいますので乾燥させるまでに時間が掛かり、その間に花の色が黒ずんでいくため、ドライフラワーにはやや不向きです。
ただ作れないというわけではなく、このように水分量の多いお花や薄い花びらのお花も、それぞれに適した方法で作れば、きれいな仕上がりになりますよ。
また、オオイヌノフグリ、勿忘草など、小さなお花は乾燥させるとさらに小さくなり、お花が目立たなくなってしまうので注意が必要です。
小さなお花をドライフラワーにする場合は、シリカゲル法でドライフラワーにすることで綺麗に仕上がります。
ドライフラワーは新鮮なうちに作るのがベスト
切り花としてじっくりと堪能した後で、さらにドライフラワーにして楽しみたいものですが、美しいドライフラワーを作るには鮮度が重要です。
できることなら、つぼみが開いて開花してからすぐに乾燥させ始めるのが、最もフレッシュな状態で作れるためおすすめです。
ドライフラワー用にお花を購入すると決めている場合には、もうすぐ開花しそうな切り花を購入して、水揚げや水切りなどで開花を促し、お花にたっぷりと水を吸わせて新鮮な状態にしてから、色が悪くならないうちに乾燥させていくのがコツになります。
ドライフラワーにすると、どうしても生花本来の色合いからは褪せていってしまいますが、その変色よりもなるべく早く乾燥させ切ることが肝心です。
ドライフラワー作りに適している場所
自宅などでドライフラワーを作る際には、直射日光が当たらず、風通しが良くて湿度も低い場所を選びましょう。
吊るして乾燥させる場合には、キッチンやトイレ、お風呂などの水回りを避けて吊るしておきます。
すみやかに乾燥させるのがドライフラワー作りのコツなので、こうした湿度が高い場所などで管理してしまうと、乾燥が上手に進んでいかなかったり、カビが発生したりしてしまうのです。
送風機などで風を送ったり、エアコンの風が当たる場所に吊るしておいたりすると、より早く乾燥してくれますよ。
ドライフラワーを作る4つの方法
続いては、ドライフラワーの作り方をご紹介していきたいと思います。
ドライフラワー作りには4つの方法がありますので、お花の性質や用途によって使い分けると良いでしょう。
いちばん有名な方法が、切り花を逆さに吊るして乾燥させる「ハンギング法」です。ハンギング法は最も簡単で、馴染み深い方法とも言えます。
もうひとつ、少量の水を花瓶に入れておき、徐々に水分を飛ばしていく「ドライインウォーター法」というものもあります。こちらも特に難しいことはなく、誰でも簡単に挑戦できる方法でしょう。
やや上級者向けの方法としては、「シリカゲル法」「グリセリン法」が挙げられます。
これは、先述したドライフラワーにしにくいタイプのお花を乾燥させるのに適している方法です。事前に必要な材料を準備しなければなりませんが、繊細な花びらを崩さずに、美しく乾燥させることができますよ。
それではさっそく、ドライフラワーを作る4つの方法について、ひとつずつご説明していきます。
ハンギング法
まずはいちばんお手軽にチャレンジしやすい「ハンギング法」です。
特別な道具などを準備する必要もなく、吊るしておくためにきれいな形で仕上がりやすいというメリットがあります。
ただし空気中の湿度によって仕上がりに差が生じますので、必ず直射日光が当たらない、風通しの良い場所に吊るすようにしましょう。
とても簡単なハンギング法ですが、デメリットとしては色が悪くなりやすいという点があります。
【ハンギング法の手順】
- 乾燥させる前に、まずは葉や花びらを整えていきましょう。
密集している葉は剪定して取り除き、風通しが良くなるようにしてください。また、傷んでいる葉や変色している葉、千切れている花びらなども取り除いておきましょう。
- 作りたい長さに茎をカットします。
長さに決まりはありませんので、自分のお好みの長さでカットすれば問題ありません。また、枝ものなど複数に枝分かれしている場合には、枝ごとに1本ずつ切り分けておくと、きれいに乾燥してくれます。
- 茎の下部に、吊るすための麻ひもなどを巻き付けましょう。
乾燥すると茎が痩せていき、巻き付けたひもが緩んで落下してしまう場合もありますので、二重に巻いてきつく結んでおきましょう。もともと細い茎の切り花には、輪ゴムで茎を括ってからひもを結びつけるのもおすすめです。
- 何本かまとめて吊るすのも良いですが、束ねないで1本ごとの間隔を空けて吊るしておくことで、乾燥が早く進んできれいに仕上がります。
いただいた花束などは既にきれいなアレンジメントに仕上がっているので、そのまま飾ってしまいたくなりますが、花が密集しているときれいに乾燥していきませんし、仕上がったあとに花を崩さず1本ずつほどくのがとても大変です。必ず少量ずつで乾かすようにしてください。
- 直射日光が当たらず、風通しの良い涼しい場所に吊るして、切り花を乾燥させていきましょう。このとき直射日光を避けるのは、紫外線に当たることで花が変色してしまうのを避けるためです。
壁に掛けて乾燥させるのも良いですが、壁に面している部分は葉などが潰れてしまいますので、洗濯用のピンチハンガーなどを使って乾燥させるのもいいでしょう。
- 約1〜2週間ほどかけて、しっかり乾燥させていきます。季節や天候状況によっても乾燥の進捗は変わってきますので、観察しつつ乾燥を終えましょう。
お花や葉に触れてみて、カサカサと音がするほど乾燥しきっていたり、葉などが縮んで濃い色合いになっていたりすれば、ドライフラワーの完成です。
乾燥具合が足りていない場合には、送風機などで風を送ったり、浴室乾燥を使用して乾燥を進めましょう。
ハンギング法では、とにかく素早く乾燥させていくのが、きれいな花色をなるべく残しつつドライフラワーを作るコツになります。
ドライインウォーター法
ドライインウォーター法は、少量の水に生けながら徐々に水分を蒸発させて乾燥させる方法です。
花びらがふんわりとしているアジサイやカスミソウなどの種類や、茎が太めでしっかりとしている切り花におすすめの方法で、花瓶などに生けたままで乾燥させていくため、美しい花を鑑賞しながらドライフラワーを作ることができます。
ただし、大きな花を咲かせるものは花首が垂れやすく、ハンギング法のようにまっすぐとした仕上がりにはなりにくいのがデメリットです。
【ドライインウォーター法の手順】
- 直射日光の当たらない、風通しが良い涼しい場所に、少量の水を入れた花瓶を置き、ドライフラワーにしたい切り花を生けておきます。水嵩は数センチほどで大丈夫です。
- 水替えは行わず、花瓶の水が減ってきても水を足す必要はありません。そのままにして水分を蒸発させていきましょう。
- 約1〜2週間ほどで水分が抜けきり、ドライフラワーが完成します。
シリカゲル法
続いては、やや上級者向けの乾燥テクニックをご紹介していきます。
まずは、乾燥材のシリカゲルを使って乾燥させていく「シリカゲル法」です。こちらはハンギング法やドライインウォーター法に不向きなお花をドライフラワーにするときに、美しく仕上げる方法になります。
花のきれいな色を残しやすい反面で、シリカゲル材の準備が必要であることや、シリカゲルの重みによって花が押しつぶされた形になってしまうというデメリットもあります。
また、茎をぎりぎりまでカットするので、吊るして飾るスワッグやガーランド用のドライフラワーとしては不向きです。
さらに、シリカゲル法で作ったドライフラワーは空気に触れてしまうと長持ちしません。観賞するには密閉容器に保存しなければなりませんので、レジンに閉じ込めたり、オイルに浸けるハーバリウム向けの加工用に適したドライフラワーと言えるでしょう。
【シリカゲル法の手順】
- まず、ドライフラワー用のシリカゲルを用意しましょう。このシリカゲル材は、数千円ほどで販売されています。購入のコストはかかりますが、フライパンなどで熱して水分を飛ばすことにより、繰り返し使用できますよ。
- 花首の下を1〜2センチ残して、茎をカットしておきましょう。
- 密閉できる蓋付きの容器を用意します。ご家庭にあるタッパーなどでも構いません。容器にドライフラワー用のシリカゲルを敷き詰めたら、そっと花を置き、スプーンなどを使って上からやさしくシリカゲルを振りかけていきます。
- 花びらの隙間や花全体まで完全にシリカゲルで埋め終えたら、蓋を閉めて密閉して、約1週間ほど乾燥させましょう。
グリセリン法
最後にご紹介する方法が「グリセリン法」です。ハンギングなどと比べるとあまり聞き慣れない方法ですよね。
このグリセリン法は、グリセリン溶液を花材に吸わせるか、溶液に花材を浸してドライにしていくものですが、実ものや枝ものの乾燥に適しています。
花材にグリセリン溶液を吸い上げさせる場合には、水を吸い上げやすい元気な花材を使うことが大切です。あまりフレッシュではない花材を使うときには、グリセリン溶液を吸い上げやすくするために茎に切り込みを入れると、成功率が上がりますよ。
【グリセリン法の手順:グリセリンに浸す場合】
- まずはお湯を沸かして、熱湯3:グリセリン1の割合になるようにして、グリセリン溶液を作りましょう。
- 作ったグリセリン溶液を冷ましたら、蓋付きの容器などに入れて、溶液に花材を浸しましょう。蓋やラップなどでホコリや汚れが入らないようにします。
- 約1週間ほどで乾燥しますので、花材を取り出して、付着しているグリセリン溶液を拭き取れば完成です。
【グリセリン法の手順:グリセリンを吸収させる場合】
- 先ほどと同じ要領でグリセリン溶液を作ります。
- 冷ましたグリセリン溶液を花瓶などに入れて、乾燥させたい花材を挿しましょう。
- そのまま冷暗所で管理して、約1週間〜10日ほど置いておくと、グリセリン溶液が花や葉に染み出してくるのが分かります。これが完成の目安です。
自作したドライフラワーを長持ちさせるには
花束や切り花から自分で作ったドライフラワーには愛着もひとしおですね。できるだけ長持ちさせたいところですが、ドライフラワー作りに適した環境と同様で、直射日光の当たらない、風通しが良く涼しい場所で管理すると長持ちしてくれますよ。
乾燥させた花材はとても繊細なので、ものにぶつかったり落下したりしないよう気を付けましょう。
ドライフラワーを楽しめる期間
花材によっても違いは生じますが、吊るしたり置いて飾る場合には、約半年から1年ほどが観賞期間です。生花ではないからといえ、あまり長く飾っているとカビが発生することもあります。
シリカゲル法で作ったドライフラワーは、密閉容器などに入れて空気に触れないようにしていれば、数年以上ととても長く楽しめるのが魅力です。
さまざまな飾り方でドライフラワーを楽しもう
ドライフラワーの魅力のひとつは、生花とは違った飾り方を楽しめる点です。
切り花のように花瓶に生けるのも良いですが、逆さに吊るすスワッグや、ひもで壁に掛けるガーランド、リース作りにも使うことができます。
無造作にカゴに入れておくだけでも、ナチュラルなインテリアが完成しますね。
こだわりの花瓶やフラワーベースに生けるのも良いですが、せっかくなので器を変えて、ブリキ缶や空き缶などに挿すのもおしゃれです。
特に、アンティークな風合いのドライフラワーとブリキ素材の相性は抜群ですので、ぜひチャレンジしてみてくださいね。
まとめ
今回は、いただいた花束などをドライフラワーに加工する方法について、ドライフラワーに向いている花の種類や、お花ごとに適した乾燥方法をご紹介してきました。
ドライフラワーの作り方としては、「ハンギング法」「ドライインウォーター法」「シリカゲル法」「グリセリン法」の4種類があります。
それぞれお花の形状や水分量によって向き不向きがありますので、乾燥させたい花材に適した方法を選択しましょう。
きれいなドライフラワーを作るには、新鮮で元気なお花をなるべく早く乾燥させていくことが重要なポイントです。
乾燥させる場所や、乾燥の進み具合を早める工夫などもプラスして、ぜひきれいなドライフラワー作りを楽しんでくださいね。