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虫がつきにくい観葉植物のおすすめ品種は?害虫対策もご紹介

植物を育ててみたいけれど、虫が発生することを心配して、観葉植物の育成にチャレンジできない……という方は意外と多いのではないでしょうか。

観葉植物を育てるうえでは、虫は切っても切れない存在ではあります。

しかし、もともと虫のつきにくい観葉植物を選んで、しっかりと害虫対策をすれば、虫と遭遇するリスクはかなり下がりますよ。

 

今回は、虫がつきにくい観葉植物のおすすめ品種から、日頃の害虫対策までを詳しくご紹介していきます。もし虫が発生した場合の駆除手順についても解説していくので、参考になさってみてくださいね。

 

虫がつきにくい!おすすめの観葉植物

「緑のある生活に憧れるけど、虫がつくのはどうしても嫌……」そんな思いを抱えている、虫が大の苦手!という方へおすすめしたい、虫がつきにくい観葉植物たちをご紹介していきます。

人気の観葉植物ばかりなので、インテリアとしても充分に満足できるおしゃれな見た目のものばかりですよ。

虫がつきにくい観葉植物というのは、基本的に丈夫な性質を持っているため、育て方も簡単です。安心してチャレンジしてみてくださいね。

 

サンスベリア

科・属 キジカクシ科・サンスベリア属
和名 虎の尾(とらのお)
英名 Sansevieria
学名 Sansevieria trifasciata cv. Laurentii
原産地 熱帯アフリカ

多肉質の葉を持っている「サンスベリア」は、乾燥地帯で育つため、葉に水分を蓄えている観葉植物です。そんな過酷な環境下でも強靭に生きていくため、水やりをちょっと忘れたくらいではびくともしません。

さらにサンスベリアは、NASAによって発表された、空気清浄効果の高い「エコプランツ」のひとつとして高い評価を受けています。

幅が広い多肉質の葉は、空気中の有害物質を除去し、マイナスイオンも多く排出されるので、お部屋に置くことで空気清浄機の役割も果たしてくれますよ。

虎の尻尾のような縞模様や見た目から、「虎の尾(とらのお)」という名前でも流通しています。

モンステラ

科・属 サトイモ科・モンステラ属
和名 蓬萊蕉(ほうらいしょう)
英名 Monstera
学名 Monstera
原産地 熱帯アメリカ

大きな葉に深い切れ込みが入っている、南国の雰囲気を漂わせる「モンステラ」も、虫には強い観葉植物です。

耐陰性もあるので、室内の日陰になりがちな場所でも育てることができますよ。適度に日光浴をさせると、モンステラの魅力でもあるつやつやとした葉が元気になります。

葉が大きいため霧吹きなどで葉を湿らせやすく、濡らした柔らかい布やティッシュなどで葉を拭き取りやすいのも、害虫対策として効果的なメリットです。

風にゆさゆさと揺れるモンステラをお部屋に飾ると、とてもゆっくりとした時間が流れるようでリラックス効果もありますよ。

ポトス

科・属 サトイモ科・エピプレムヌム属
和名 黄金葛(おうごんかずら)
英名 Pothos
学名 Epipremnum
原産地 ソロモン諸島

つる性の観葉植物の代表格でもある「ポトス」は、つややかな緑色の葉に黄色い斑模様が入っています。観葉植物にあまり詳しくなくても、ポトスは分かる!という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

半日陰で育つ耐陰性がありますが、日光が不足しすぎるとチャームポイントである斑模様が薄まって消えてしまうので、ほどほどに日光浴させてあげてくださいね。

湿気を好むので、害虫対策も兼ねて葉水をかけて水分補給をさせましょう。

小さい鉢植えのポトスだと、500円ほどとかなり安価で入手できる、身近な観葉植物です。

ユッカ

科・属 リュウゼツラン科・イトラン属
和名 青年の木
英名 yucca
学名 Yucca gigantea

Syn. Yucca elephantipes var. gigantea

原産地 中央アメリカ

強靭な生命力とどっしりとした樹形から「青年の木」の別名のある「ユッカ」も、おすすめしたい観葉植物です。日光を好みますが、半日陰でも充分に育ってくれますよ。

一般的に「青年の木」の名称で流通しているユッカは、「ユッカ・ギガンティア」です。

かつて「ユッカ・エレファンティペス」と呼ばれていたため、エレファンティペスの名前で多く流通しています。幹が象の足のようにたくましく太く育つため、この名前が付けられました。

 

アイビー

科・属 ウコギ科・キヅタ属
和名 アイビー
英名 Ivy
学名 Hedera
原産地 北アフリカ、ヨーロッパ、アジア

アイビーは葉の模様のバリエーションが豊富で、星形の葉やハート形の葉、秋になると葉が紅く色付く品種などもあります。

どんな植物とも相性が良いため、寄せ植えでも人気のある品種です。ポトス同様に、とても安価に鉢植えを入手できます。

ワイヤーカゴなどにアイビーの鉢植えを入れて飾ると、カフェのようなおしゃれな空間作りができますよ。

 

ガジュマル

科・属 クワ科・イチジク属
和名 ガジュマル
英名 Chinese Banyan, Malayan Banyan
学名 Ficus microcarpa
原産地 沖縄、東南アジア、台湾、オーストラリアなど

強い生命力を持っているガジュマルは、沖縄では火の精霊・キジムナーが宿る、神聖な木として親しまれています。「幸福の木」という別名もあり、風水的にも良い効果をもたらす観葉植物だとされていますよ。

実は観葉植物の中でも絶大な人気を誇るゴムの木の仲間です。

幹の途中から気根(きこん)という根を出して、地面に付くと木全体を支える「支柱根」になります。その樹形が、まるで小人が歩き出しそうなユニークな姿で、個体差によってフォルムが変わるため、多くの愛好家がいます。

西洋では「Chinese Banyan(チャイニーズバニヤン)」と呼ばれていますが、和名では「ガジュマル」と呼ばれます。このちょっと不思議な雰囲気のある独特な名前には、気根を他の木などに絡みつかせる性質から「絡まる」が語源になっているという説と、防風林として植えられていたため「風を守る」という言葉が徐々に変化していったのではないかという説があります。

 

ペパーミント

科・属 シソ科・ハッカ属
和名 コショウハッカ、セイヨウハッカ
英名 Peppermint
学名 Mentha piperita
原産地 ヨーロッパ

ペパーミントから香る「メントール」の香りは、ガムなどの食品や、アロマ成分としても使われている香りなので、馴染み深いと思います。

人間にはリフレッシュ効果があるとして知られていますが、虫たちにとっては嫌いな香り成分です。特にコバエはペパーミントの香りを強く嫌うため、ペパーミントの周りには決して寄り付くことがありません。

ペパーミントは繁殖力がとても強いので、庭植えのものはあっという間に繁殖して増えすぎるほどです。

 

日頃から観葉植物の害虫を予防しよう

害虫がつきにくい観葉植物を育てているからと安心してはいけません。

日頃から虫がつかないよう意識して管理しなければ、やはり害虫は寄ってきます。残念ながら確実に虫に近づけない!という方法はないので、日頃から予防しておくことが大切です。

次は、毎日のお手入れで実践すべき害虫の予防対策についてご紹介していきます。

 

有機肥料・有機質の土は使わない

虫が発生するいちばんの原因に、土が考えられます。

有機肥料や有機質の土などは、特にコバエが発生しやすく、卵を産みつけられやすいです。

栄養が豊富であることは植物にとってとても良い環境ですが、虫に取っても好都合になってしまいます。

水やりを行なう鉢植えなどは、適度な湿度と温度という好条件が整っているので、産卵環境としてもぴったりなのです。

また、肥料を必要以上に与えるのも、虫にとって過ごしやすい環境を提供してしまいます。

肥料を与えるときには、油粕やたい肥などの有機肥料は使わずに、化成肥料を使いましょう。また土も、腐葉土などの有機質を避けて、観葉植物専用の無機質の土を使います。

 

ハイドロカルチャーで育てる

そもそも土を使わない、という選択肢もあります。

衛生的な「ハイドロカルチャー」を使えば、病気や害虫の心配はぐっと減りますよ。

ただし、水の与えすぎによってカビが発生する可能性は高いので、注意して管理しましょう。鉢底まで水がなくなったら、ハイドロボールを数日ほど乾燥させることも必要です。

 

こまめに葉水を行なう

虫がつきやすい環境を防ぐには、葉に霧吹きなどで水をかける「葉水」が効果的です。

葉に付着している埃を落としてくれますし、葉の乾燥を防ぐため虫が好む環境を作りにくくなります。

観葉植物も水をたくさん吸収できることで、元気に育ち抵抗力もつきます。葉水の際には、葉の表にも裏にも水をかけていきましょう。

気温が上がる夏季には、植物の温度を下げてくれる効果もあり、悪いことはありません。

日頃の水やりとあわせて、積極的に行っていきましょう。

 

受け皿の水をこまめに捨てる

観葉植物の水やりでは、鉢底から水が流れ出すほどにたっぷりと与えるのが基本になりますが、水やりの後に受け皿に溜まった水を放っておくと、害虫の発生リスクが上がります。

コバエがたかって虫の水飲み場になることや、卵を産みつけることもありますし、雑菌が繁殖することで植物にも悪影響です。

水やりが済んだら、受け皿の水は必ず捨てておきましょう。

 

外に出さない

晴天の日には観葉植物を外に出して、気持ちよく日に当ててあげたくなりますが、虫を室内に持ち込んでしまうというデメリットがあります。

植物には申し訳ない気もしますが、虫の発生リスクを減らしたい場合には、外に出さないことを徹底してください。

観葉植物を日光浴させたいときなどは、窓越しに当てるなどの対策をしましょう。

 特にハダニは、自分の出した細い糸を使って、風に乗って移動していますので、観葉植物につきやすいです。明るい日差しを苦手とするナメクジも、いつの間にか鉢底に潜んでいるかもしれません。

虫がついていることに気付かず家に入れたら……と思うと、虫嫌いの人はそれだけでゾッとしてしまいますよね。

ただし、室内での管理を徹底するのであれば、必ず風通しの良い置き場所で管理しましょう。鉢が蒸れたり、枝や葉が混み合って風通しが悪かったりすると、虫ではなくカビなどの病気が発生する可能性もあります。

観葉植物につきやすい害虫たち

まず初めに、観葉植物につきやすい害虫の説明をします。観葉植物についた害虫はそれぞれ駆除方法が違うため、退治する前に虫の種類を調べてみましょう。害虫がすぐに調べられるように、名前と写真を載せています。虫が嫌いという方は、どうぞお気をつけください。

観葉植物を育てるためには、どのような虫がいるのか、どんな虫が観葉植物につきやすいのかを把握しておくことが大切です。

虫によって駆除の方法が違うため、虫を正しく見分けることが必要になるからです。

ここでは、観葉植物につきやすい主な虫を紹介していきます。

 

ハダニ

クモの仲間のハダニは、体から細い糸を出します。

体長が0.5ミリと大変小さく発見しづらいですが、クモの巣のようなうっすらとした糸状のものが見えたら、それはハダニの仕業でしょう。

植物の葉裏などに好んで寄生して、葉や茎から植物の養分を吸汁していきます。吸汁された部分は白っぽくなるので分かりやすいです。

 

カイガラムシ

カイガラムシは体長2~10ミリぐらいの虫で、幼虫のうちは平べった楕円形をしていますが、成虫になると足が退化し、葉や茎に寄生したまま固定して動かなくなる種類も多いです。枝や葉をよく観察してみると、貝殻のように固そうな殻がくっついている動かない虫がいますが、それがカイガラムシです。

ハダニと同様に植物を吸汁するので、放置しておくと生育に影響します。

また、カイガラムシのべとべととした排せつ物により、「すす病」の二次被害が起きる可能性も高まります。

 

アブラムシ

体長は2~4ミリほどのアブラムシは、菜の花などにたくさんくっついている虫として最も身近な存在の害虫かもしれません。

アブラムシも、植物に寄生して吸汁する害虫ですが、メスだけで子どもを産める「単為生殖」という生態のため、とにかく繁殖力が強く、あっという間に増えていきます。

ベトベトした排せつ物からはカビが発生しやすいので、「すす病」の原因です。

手強いアブラムシですが、強い光が嫌いな性質を持つため、その性質を利用して、アルミ箔を鉢の下に敷く対策方法が有名です。

 

コナジラミ

黄色いコナジラミには細長い羽が生えており、28日周期で卵から成虫へと変化していきまます。成虫になっても2ミリほどなので、見逃しやすい虫かもしれません。

コナジラミも吸汁するため、吸われた部分の葉は白くなっていきます。

他の害虫同様に、排せつ物によってすす病などの二次被害が考えられます。

 

ナメクジ

ただし夜行性で、日中は鉢底などに隠れているため、発見が遅れがちな害虫でもあります。

夜になると新芽や花弁を食べ出しますが、ナメクジの通ったあとには、ぬらぬらとした粘液が残るため、見つけやすいでしょう。

ナメクジが食事した後の葉には、分かりやすく穴も空いています。

 

害虫を発見したときの駆除方法

さまざまな害虫たちから大切な観葉植物を守るには、日頃から害虫対策をするのがいちばんです。ただし、それでも虫が発生してしまうこともあります。

もし観葉植物に害虫がついてしまったときは、すみやかな駆除が必要になりますが、どうやって駆除すればよいのでしょうか。

ここからは、害虫の具体的な駆除方法についてご紹介していきます。

 

水をかけて流す

いちばんシンプルで簡単な方法が、水で洗い流す方法です。これは、ハダニやアブラムシといった虫に大変効果があります。

ハダニなどは水にとても弱いため、鉢を屋外やお風呂場などに置き、ホースやシャワーで勢いよく水をかけて洗い流していきましょう。

葉裏にもよく寄生しているので、葉の裏にもしっかり水をかけてください。

もしおびただしい数にまで増えてしまっていたら、セロハンテープなどにくっつけるときれいに駆除できます。

 

拭き取る

濡らした布を使って、植物についた虫を拭き取っていく方法です。これは、ナメクジ、カイガラムシといった虫に大変効果があります。

葉裏にそっと手を添えつつ、葉を傷めないように虫を取り除きましょう。柔らかい歯ブラシを使って、擦り落とすように駆除するのも葉を傷めないのでおすすめです。

特に注意したいのがカイガラムシのメスです。死骸を放置しておくと、そこから幼虫が発生してしまうため、残さずに取り除くことが大切です。取り除きにくい場合には、ピンセットなどで摘んでも良いでしょう。

 

薬剤を使用する

上記の方法でも虫を駆除しきれない場合には、最終手段として薬剤を使用します。これは虫全般に大変効果があります。

薬剤を使用するときは、説明書をきちんと読み、用法用量を守って使用してください。

植物に多すぎる薬剤を使用すると、株がダメージを受けて枯れてしまいます。

即効性があるため、確実に害虫を駆除できる一方で、小さなお子さまやペットがいるご家庭ではなかなか使いづらい方法でもあります。

植物についている虫によって適した薬剤がありますので、しっかりと確認して害虫に合った薬剤で駆除しましょう。

 

まとめ

今回は、虫が付きにくい丈夫な観葉植物のおすすめの種類や、害虫対策の基本、つきやすい害虫と駆除方法などをご紹介してきました。

観葉植物を育てたいのに、虫が苦手だからと購入を見送り続けている方は、実際かなり多いと思います。

100%確実に虫が発生しない!という保証はありませんが、虫がつきにくい品種を選び、日頃の対策をきちんとすることで、遭遇する率はかなり減らせます。

観葉植物を育てていると毎日のちょっとした変化や生長が楽しく、日々が楽しく彩られます。勇気を出して一歩踏み出せば、植物に囲まれたグリーンのある暮らしが待っていますよ。