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観葉植物につく害虫10種類|寄せ付けないための対策も解説

葉植物を育てるうえで悩みのひとつに「害虫の発生」が挙げられます。大切な植物に被害を与えるだけでなく、その見た目に悩まされる方も多いのではないでしょうか。

ひとたび寄り付くと大量に発生したり、他の虫まで呼び寄せたりといいことはありません。しかし、駆除の方法を間違ってしまうと、観葉植物を枯らしたり弱らせたりしてしまう可能性もあるでしょう。

そこで今回は、観葉植物に寄り付く害虫の種類、駆除の方法や予防対策をご紹介します。観葉植物の育て方や害虫被害に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

 

観葉植物につきやすい害虫とは

観葉植物でよく見かける虫はおもに10種類です。観葉植物につく虫は、購入の時点で土の中に潜んでいたものや、育てる環境などが原因で発生してしまうものがあるので見ていきましょう。

 

観葉植物に寄り付く虫の中には、観葉植物に直接害のあるものと、そうでないものがあります。ほかの虫をおびき寄せる虫もいるので、日ごろから注意深く観察してください。

それでは、それぞれの特徴と駆除の方法を解説していきます。

 

アブラムシ

アブラムシは観葉植物の若芽にとりつき、樹液を吸って枯らしてしまう厄介な害虫です。体長は2〜4ミリ程度で大量に発生するため、植物を育てたことのある方はその姿に見覚えがあるでしょう。

アブラムシの排せつ物が原因で、黒いすす状の「すす病」を誘発することもあります。条件次第で大量発生することもあり、排せつ物にアリが群がる事態に陥ることもあるでしょう。

 

アブラムシを見つけたら、濡れた布や新聞紙でふき取ってください。また、牛乳やコーヒーを薄めたものをスプレーしてそのまま乾かすと、油膜が乾いてアブラムシが窒息死するので除去が簡単です。また、アブラムシは黄色に誘引される性質があるため、黄色の粘着テープでトラップを仕掛けるのも効果的でしょう。

 

ハダニ

ハダニは葉の裏側を好んで繁殖します。体長は1ミリ程度ととても小さく、見つけるのが困難な害虫です。一匹の体長は小さいですが、1か所に群がって生息する性質があります。観葉植物を上から見るだけでは分かりにくいため、裏側までしっかり観察しましょう。

ハダニが取りつくと、観葉植物の葉の裏側が白味を帯びてきます。ハダニを放置してしまうと、葉の裏にびっしりとクモの糸が張ったような状態になります。やがて枯れてしまうので、大量についている場合は葉ごと切り取ってしまいましょう。

また、ハダニはクモのように糸を吐き出し、風に乗って移動します。ベランダなどではハダニが移動しやすいため、発生しやすくなるのです。さらに、交尾なしで卵を産むので繁殖力の高い虫といえます。

 

カイガラムシ

カイガラムシは、白い貝がらのような殻を持つことからカイガラムシと呼ばれています。

体長は数ミリ程度で、一度観葉植物に取りつくと簡単には動きません。暖かい時期に繁殖しやすく、風通しが悪い暗くてジメジメした場所を好みます。

カイガラムシも観葉植物の樹液を吸って弱らせてしまうため、アブラムシと同様にすす病を引き起こします。排せつ物にアブラムシやアリが大量に群がることもあり、カイガラムシを見つけたらはやめに駆除しましょう。

幼虫のころは殺虫剤で駆除することもできますが、成虫になると殻が硬くなるため殺虫剤での駆除が困難になります。成虫の状態で発見した場合は、歯ブラシなどで葉を傷つけない程度に強くこすり落としてください。

 

コナカイガラムシ

コナカイガラムシは、前述したカイガラムシの仲間です。ホコリやパンくずのように見えるため、一見虫がついているようには見えません。見逃してしまうと、観葉植物を弱らせてしまうので注意してください。

カイガラムシと同様に、成虫になると殺虫剤が効きにくくなります。幼虫のうちに駆除できるよう、日ごろから注意深く観察が必要です。

また、カイガラムシの仲間は排せつ物がベトベトしています。駆除したあとも、排せつ物にアリが群がってくることがあるので、塗れた布や新聞紙などで排せつ物までふき取るようにしましょう。

 

ナメクジ・カタツムリ

雨の日によく現れるナメクジやカタツムリも、観葉植物につくと厄介です。ナメクジやカタツムリは夜行性で、夜のあいだに観葉植物の葉や茎、新芽を食べてしまいます。

見つけると塩をかけて駆除したくなりますが、植物に塩は厳禁です。ピンセットや割りばしでつまんで取り除きましょう。

触れないという人は、観葉植物の鉢の上にビールを置いてみてください。ビールのにおいに誘われたナメクジが容器に入り込んで溺れてしまうので駆除が簡単です。

 

オンシツコナジラミ

オンシツコナジラミは、名前の通り温室や室内で育てている観葉植物によく発生します。葉の裏に張り付いて樹液を吸い取り、やがて枯らしてしまう害虫です。

また、名前にコナと付くように、オンシツコナジラミが増えると粉のようにふわふわと舞い飛びます。そうすると隣の観葉植物にまで被害が及んだり、鉢の周りが汚れてしまったりとあちこちに被害が及びます。

オンシツコナジラミは、専用の薬剤を使ってはやめに駆除しましょう。発生している植物だけではなく、室内の植物すべてに薬剤をかけておくと安心です。

 

【害なし】コバエ

コバエが観葉植物に直接害を及ぼすことは少ないですが、発生すると何かと面倒な虫です。湿気の多い時期に発生し、湿気の多い土などに卵を産みつけます。飛び回る音や見ため的にも駆除したい虫ですよね。

コバエは、土の中か受け皿の水が溜まっている場所に卵を産みつけます。受け皿に溜まった水はこまめに掃除して、卵を見つけたらはやめに取り除きましょう。

 

【害なし】アリ

アリも観葉植物に直接的な被害は与えませんが、ほかの害虫の排せつ物に大量に群がってきます。さらに、アブラムシは体液をアリに与え、自分たちを守ってもらうという共存関係にあります。アブラムシを見つけたらアリが寄り付く前に駆除しましょう。

また、アリは観葉植物だけでなく、家の中の食べくずなどにも群がります。観葉植物の土の中に巣を作られると厄介なので、アリを見つけたら早めに対処してください。ほかの害虫をしっかりと駆除することでアリの侵入を防げます。

 

【害なし】トビムシ

トビムシは、普段は湿気の多い土の中に潜んでいます。水やりの際に土の中から一斉に出てくることがあり、土の上をぴょんぴょんと跳びまわる姿に不快感を覚える方が多いはずです。

トビムシは、駆除するよりも予防を心がけてください。有機質の肥料を好む性質があるため、そうした肥料をあげすぎないか、肥料をあげる際は化成肥料を選ぶとよいでしょう。また、土の中で生息するため、定期的な土の入れ替えも効果的です。

 

大切な観葉植物に困った害虫を寄せ付けないための対策

害虫の中には繁殖スピードがはやく、駆除が遅れてしまうと大量発生する虫もいます。二次被害を引き起こす害虫もいるため、しっかりと対策を講じて害虫が寄りにくい環境を作ることが大切です。

 

これまでに紹介した害虫を寄せ付けないために、以下のようなポイントに気を付けてみましょう。

 

  • 水やりの方法を見直す
  • 湿度の高い場所は避ける
  • 枯葉をこまめに取り除く
  • 土を定期的に交換する
  • 室内で育てる

 

では、それぞれみていきましょう。

 

水やりの方法を見直す

季節や植物に応じて、水やりの量や方法を見直しましょう。

夏は暑さで土が乾きやすいため水やりの量を増やしがちですが、土の湿度が高くなりすぎると害虫がつきやすくなります。ただし、ハダニのような乾燥を好む害虫もいます。水やりは適度な量を心がけてください。

 

また、受け皿によどんだ水が溜まっていると、害虫が発生しやすくなります。ハエやトビムシが卵を産みつけて大量発生したり、ゴキブリが水を飲みにきたりするので、水やり後には受け皿の水を捨てて、こまめに掃除をするようにしましょう。

 

湿度の高い場所は避ける

害虫の多くは湿度の高い環境を好みます。適度な水やりと水はけがよい場所で育てましょう。湿気で観葉植物が弱ってしまうこともあるので、ジメジメとした場所も避けてください。弱ると害虫の被害を受けやすくなるので注意しましょう。

観葉植物の葉が密集している場合も通気性が悪くなるため、虫が発生しやすくなります。密植を避けて、混み合っている部分は整枝しましょう。

 

枯葉をこまめに取り除く

観葉植物の鉢の中や周辺に落ちている枯葉は、こまめに取り除きましょう。ゴミや枯葉は害虫の栄養分になることがあります。ホコリのように見える害虫もいるので、葉にホコリがついていたらふき取りましょう。

 

土を定期的に交換する

観葉植物を購入してきたタイミング、鉢を植え替えるタイミングなどで、定期的に土を新しいものに交換しましょう。土の中に潜んでいる害虫を一掃できます。また、土は劣化すると泥状になり、水はけが悪くなります。健康的な植物を育てるためにも、定期的な土替えは大切です。

 

室内で育てる

観葉植物は、外で育てる方がよく育ちますが、その分害虫も寄せ付けやすくなります。ただし、条件がよければ室内でも十分に育てられます。たっぷりと日光が差し込み風通しのよい窓辺などを選べば問題ありません。

しかし、誤って日当たりが悪く湿った環境で育ててしまうと、害虫を寄せ付ける原因になるため注意しましょう。

 

害虫が寄りにくい観葉植物はどんなもの?

観葉植物は大好きだけど、虫だけはどうしても苦手という方もいるでしょう。害虫が発生したり、発生のたびに駆除したりする手間を考えると、購入を躊躇することもありますよね。

 

また、マンションや一人暮らしなど、最初から室内で育てる予定の方は尚さら害虫の発生に気を使うでしょう。

 

ここからは、室内でも育てやすい観葉植物、害虫が寄りにくい観葉植物を紹介します。虫が苦手な方、できる限り害虫に悩まず植物を育てたい方は、ぜひ参考にしてください。

 

ハイドロカルチャーで育てられる植物

ハイドロカルチャーとは、ギリシャ語で水を意味する「ハイドロ」と、栽培を意味する「カルチャー」からなる言葉で、水耕栽培のことをいいます。土ではなく、粘土を高温で焼いたものやカラーサンドなどの人工土を使用するため、無菌で衛生的に植物を育てられます。

 

ハイドロカルチャーで育てられる代表的な植物は、以下のようなものがあります。

 

  • モンステラ
  • ガジュマル
  • ポトス
  • デコラゴム
  • テーブルヤシ

 

土を使わないハイドロカルチャーは、観葉植物に害虫が寄り付く可能性がグッと下がります。また、水やりなどの管理も簡単で、室内でも手軽に植物を育てられるメリットがあります。

カラーサンドを使えば見た目もおしゃれになり、自分なりのアレンジを加えることもできるので、観葉植物を育てる以外の楽しみ方もできます。室内で観葉植物を育てたい方は、害虫が寄りにくいハイドロカルチャーがぴったりです。

 

いい香りがするハーブの仲間

人からするといい香りのハーブは、多くの虫が嫌うにおいを発するといわれています。

シトロネラールやシトラール、メントールなどは、特に虫が嫌う香りです。

家庭菜園や観葉植物と一緒に植えるとよい影響をもたらす「コンパニオンプランツ」としても人気となっています。

 

代表的なハーブは以下のようなものです。

 

  • ローズマリー
  • ミント
  • バジル
  • タイム
  • カモミール
  • コリアンダー
  • ラベンダー
  • レモングラス

 

ハーブは栽培するだけでなく、サシェやスプレーにすることで虫よけに役立てられます。サシェは乾いたハーブを布やお茶パックに入れるだけで簡単に作れますよ。

スプレーとして使う場合は、沸かしたお湯に適量のハーブを入れて弱火で煮出し、冷ましてから容器に入れ替えて使いましょう。

 

ただし、虫を寄せ付けないにおいについて科学的エビデンスはないため、殺虫剤のような劇的な効果は期待できないかもしれません。香りも楽しむ虫よけとして育ててみましょう。

 

まとめ

観葉植物に寄り付く害虫は、思っているよりもたくさんの種類がありました。

日ごろの手入れを怠ったり、育てる環境が悪いとすぐに虫がついてしまいます。せっかく育てた植物が枯れてしまうと悲しいですよね。

日々のお手入れは、観葉植物が健やかに育つ一番の近道です。こまめに管理をしながら観葉植物の手入れを楽しみましょう。