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ミステリアスで高貴な色・紫の花12選!

紫色のお花は、落ち着いた佇まいでしっとりとした雰囲気が漂います。

同じ花でも、花の色が違うだけで印象がかなり変わりますよね。

中でも紫色は、涼しげな印象もありながら、どこか寂しげだったり儚げだったり、妖艶な雰囲気も持ち合わせています。

 

紫色の花と一口に言っても、淡い紫色や濃い発色の紫、青寄りの紫色など、ニュアンスはさまざまです。

今回は、ガーデニングやアレンジメントで人気のある、紫色の花をご紹介していきます。

 

紫色の持つ色の効果

赤と青の対照的な色が混じり合った紫色は、神秘的な雰囲気や上品さ、特別感や高級感を連想させる色です。日本をはじめ世界においても、紫色は貴族や位の高い人が身に着ける色として、古くから高貴な色だとされてきました。

落ち着いた色合いなので、年配の方や落ち着いた色を好む方にも愛されています。

また、ミステリアスで妖艶な女性をイメージさせることもある艶やかな色です。

 

ミステリアスな上品さを持つ紫色の花たち

紫色のお花には、濃い紫や青に近い紫など、さまざまな色合いのものがあります。

色の濃さによっても花の印象が異なりますので、濃淡も含めて楽しめる色合いです。

それではさっそく、エレガントな雰囲気を持つ紫色のお花をご紹介していきましょう。

 

アヤメ 

科・属 アヤメ科・アヤメ属
和名 菖蒲・文目(あやめ)
英名 Siberian iris
学名 Iris sanguinea
原産地 日本、中国、ヨーロッパ
花言葉 「よい便り」「朗報」「メッセージ」「希望」

 

藤の花に並んで、雅な雰囲気が漂い日本の紫色の花の代表格とも言えるのが、アヤメです。

「何れ(いずれ)菖蒲か杜若」という、どちらも同じようで区別がつけ難い様子に例えたことわざもあるほど、アヤメとカキツバタは大変よく似ています。

花びらに注目してみると、アヤメは花の付け根部分に網目模様があり、カキツバタは花びらの白いラインが入っているので見分けやすいです。

また、アヤメは陸で育つ地植えの植物で、カキツバタは池などに育つ水生植物という決定的な違いもあります。

 

昔はあちこちに自生していたアヤメですが、日本原産のものは現在では絶滅危惧種に指定されています。

花言葉の「良い便り」や「メッセージ」などの知らせに関する言葉は、ギリシャ神話に由来しており、学名「Iris」の語源にもなった「イリス」が、神々の間での伝令役として活躍していたことに基づいています。

 

スミレ 

科・属 スミレ科・スミレ属
和名 菫(すみれ)、相撲取草(すもうとりくさ)、マンジュリカ
英名 Violet
学名 Viola mandshurica
原産地 世界中の湿地帯に分布
花言葉 「小さな幸せ」「謙虚」「誠実」

 

可愛らしい名前のスミレは、「さくら」や「あおい」などに並び、女性の名前としても人気があります。

とても小さな薄紫色のお花からは、ほのかに良い香りが漂うので、道端で見かけたら顔を近づけて香りを楽しんでみてくださいね。

ビオラやパンジーとよく似ているスミレですが、スミレは野草として広く自生する多年草で、ビオラやパンジーはスミレを親にして改良された園芸品種で一年草です。

 

西洋では、理想の女性像として3種類の花が引き合いに出されますが、バラの「慈愛・美」とユリの「威厳・純潔」に、奥ゆかしさのあるスミレが加わっています。

色の名称でもある「菫色」とは、青みが濃い紫色のことで、スミレの花色から付けられた名称です。英名でも「violet(バイオレット)」として呼ばれています。

 

名前の由来には諸説あるのですが、花の形が大工道具の「墨壺」に似ていることから「墨入れ」と呼ばれていたのが変化していった説や、食用として摘まれていた野草だったため。「摘み入れ」がだんだん変化していったという説もあります。

 

フジ

科・属 マメ科・フジ属
和名 藤(ふじ)
英名 Wisteria
学名 Wisteria floribunda
原産地 アジア、北米、ヨーロッパ
花言葉 「優しさ」「決して離れない」「恋に酔う」「忠実」「歓迎」

 

ソメイヨシノが終わり葉桜が楽しめるようになってきた頃、ゴールデンウィーク辺りに見頃を迎えるのがフジです。

全国にフジの観光名所があり、観賞用に作られた藤棚は各地で人気のスポットです。花からはほのかな香りが漂うので、藤棚の下に立つと花の淡い香りに包まれながら、美しい姿を観賞できます。

 

和色の「藤色」の語源にもなっている藤は、淡い紫色の花をしな垂れて咲かせる、日本らしい美しさを感じるお花です。

花の姿が、丁寧に頭を下げ、しとやかな姿でお客様をおもてなしする女性らしさを感じさせるため、「歓迎」の花言葉があります。

「決して離れない」の花言葉は、古くから「藤=女性」「松=男性」に例えていたことに由来します。

日本では古くから、フジと松の木を近くに植える習慣があり、マメ科のフジが松の木に巻き付いて生長していくので、その姿が男性を信じて寄り添っている女性らしさを感じさせるところから、この花言葉がつけられました。

 

ルピナス

 

科・属 マメ科・ハウチワマメ属
和名 登藤(のぼりふじ)、逆さ藤(さかさふじ)、立ち藤(たちふじ)、葉団扇豆(はうちわまめ)
英名 Lupine
学名 Lupinus
原産地 北アメリカ西部
花言葉 「想像力」「いつも幸せ」「あなたは私の安らぎ」「貪欲」

 

フジに似た花を上向きに咲かせるルピナスには、「昇藤」や「逆さ藤」、「立ち藤」などの別名も付いています。葉がうちわの形に見えることから、「葉団扇豆(はうちわまめ)」の呼び名もあり、マメ科のルピナスはフジの花に似た美しい花を咲き終えた後に、枝豆に似たさやを作ります。

 

ルピナスには豊富な品種があり、60cm以上にも及ぶ花穂が見応えのある「ラッセル・ルピナス」や、ピンク色にも近い淡い紫色の可愛らしい花を咲かせる「ピクシー・デライト」、やや濃い黄色の花色を持つ「キバナルピナス」などが人気です。

切り花のルピナスも多く流通するようになったので、春先に生花店などで見かける機会も多いかもしれませんね。

長い花穂を持つルピナスが群生している様子は圧巻で、観光名所になっているスポットもあります。

 

ムスカリ 

科・属 キジカクシ科・ムスカリ属
和名 葡萄風信子(ぶどうひやしんす)
英名 Grape hyacinth
学名 Muscari
原産地 地中海沿岸、アジア南西部
花言葉 「明るい未来」「通じ合う心」

 

ブドウの房を上向きにひっくり返したような姿がチャーミングなムスカリは、桜が咲く前、梅の花と同じ頃に開花します。

花からはとても良い香りが漂いますが、中でも「ゴールデンフレグランス」という品種の黄色の花を咲かせるムスカリは、特に甘い香りが強いため、香りを意識したフラワーギフトにおすすめです。

 

繁殖力の強いムスカリは、自然と分球してどんどん株を増やしていく球根植物なので、長く植えておくと群生するムスカリ畑を見ることができますよ。

鉢植えで育てる場合には、鉢内に球根がいっぱいになってしまいますので、定期的に植え替えるよう注意が必要です。

 

ヒヤシンス

科・属 ユリ科・ヒアシンス属
和名 風信子・飛信子(ひやしんす)
英名 Common hyacinth, garden hyacinth
学名 Hyacinthaceae
原産地 北アフリカ、地中海沿岸
花言葉 「悲しみを越えた愛」「スポーツ」「遊戯」

 

チューリップに並んで春を代表する球根植物であるヒヤシンスは、水栽培でも楽しめるお花です。

ヒヤシンスは江戸時代末期に日本へやってきたお花で、たわわに咲かせる豪華な花穂の姿が好まれて、園芸種として流通する人気の品種になりました。

花の名前は、ギリシャ神話に登場する「ヒュアキントス」という美しい少年から名付けられており、ちょっと不思議な感じがする花言葉も、ヒュアキントスにまつわる神々の三角関係のエピソードに基づいています。

ヒヤシンスの花は良い芳香を持ち、お部屋に切り花を飾っておくだけでも、部屋中にさわやかで甘い香りが漂うため、切り花としても人気があります。

スカビオサ

科・属 マツムシソウ科・マツムシソウ属
和名 松虫草(まつむしそう)、西洋松虫草(せいようまつむしそう)、輪宝菊(りんぼうぎく)
英名 Scabiosa
学名 Scabiosa japonica
原産地 アジア、アフリカ、ヨーロッパ
花言葉 「魅力」「風情」「悲哀の心」「不幸な恋」「私はすべてを失った」「未亡人」

スカビオサは、小花がぎっしりと集まって咲く、繊細ながらもボリュームのある花姿です。

乾燥させても美しく色が残りやすいので、ドライフラワーとしても人気があります。

 

和名の「松虫草(まつむしそう)」の由来にはいくつか説がありますが、中でも有力なものは、松虫の鳴く頃に花が咲くからという説と、花が咲き終わった後に変化する針山のような形が、僧侶の持つ「松虫鉦(まつむしがね)」とう道具に似ているという説があります。

 

ポジティブな花言葉を持ちつつも、悲しい意味合いの花言葉も多い理由には、西洋において紫色の花は悲しみのシンボルで、スカビオサは未亡人を慰めるお花として贈られ、悲しみに寄り添うお花だったことに由来しています。

 

クレマチス

科・属 キンポウゲ科・クレマチス属(センニンソウ属)
和名 鉄線(てっせん)
英名 Clematis
学名 Clematis
原産地 世界各国の湿地帯に分布
花言葉 「旅人の喜び」「精神の美」「策略」

 

「つる性植物の女王」としても名高いクレマチスは、庭のフェンスなどをエレガントに飾る植物として、ガーデニングでは大変人気があります。シックな姿からバラとの相性も良く、イングリッシュガーデンのような雰囲気づくりには欠かせない存在です。

 

学名であり、そのまま呼び名にもなっている「Clematis」は、ギリシャ語で「つる」の意味を持つ「klema」という言葉がラテン語に変わって、「蔓性植物」を意味する「Clematis」になったと言われています。

 

クレマチスにはとにかく品種がたくさんあり、品種によって開花時期やお手入れの方法などが異なります。大きく花開く品種もあれば、ベル型に俯かせて花を咲かせるものもあり、同じクレマチスでも全く違う表情を楽しめるのも人気の理由です。

切り花でも楽しめるお花なので、お庭などで育てつつ、時折剪定のついでに花を切り取って楽しむのもおすすめですよ。

 

ラベンダー

科・属 シソ科・ラベンデュラ属(ラヴァンドラ属)
和名 薫衣草(くんいそう)
英名 lavender
学名 Lavandula
原産地 地中海沿岸、熱帯アフリカ北部など
花言葉 「あなたを待っています」「期待」「沈黙」「清潔」

「ハーブの女王」とも呼ばれるラベンダーは、その香りの良さから、アロマやサシェなどでも人気のあるお花です。ラベンダー色の語源にもなっている、やや青みがかった紫色の花が魅力です。

すらりと伸びた花茎に、穂状に小花をたくさん付ける姿はとても愛らしいですよね。

ラベンダーには、大きく分けて2種類があり、「イングリッシュラベンダー」と「フレンチラベンダー」に分けられます。香りが良く、香料としても使われる品種はイングリッシュラベンダーです。

涼しく乾燥した土地を好むため、北海道などの気候が適しており、見応えのあるラベンダー畑を見ることができます。

乾燥気味の場所が好きなラベンダーは、きれいなドライフラワーを作ることができるので、生花として楽しんだ後にはドライフラワーにしてみましょう。

 

ライラック 

科・属 モクセイ科・ハシドイ属
和名 紫丁香花(むらさきはしどい)
英名 Lilac
学名 Syringa vulgaris
原産地 ヨーロッパ東南部
花言葉 「思い出」「友情」

モクセイ科のライラックは、甘い華やかな香りを持つ、切り花でも人気が高いお花です。

4枚花弁を持つ小花は、枝の先にたくさん集まって咲きます。品種によっては、アジサイの咲き姿に似ているものもあります。

基本的には4枚の花びらを持つライラックですが、ごく稀に花びらの先端が割れて5枚に見えるものがあります。この珍しい状態の花は「ハッピーライラック」と呼ばれており、「見つけたことを誰にも話さずに花を飲むと、愛する人と永遠に幸せなれる」という、日本でいうところの四つ葉のクローバーのような言い伝えがあります。

 

ハーデンベルギア

科・属 マメ科・ハーデンベルギア属
和名 小町藤(こまちふじ)、一つ葉豆(ひとつばまめ)、紫蔓豆(むらさきつるまめ)
英名 Vine lilac
学名 Hardenbergia
原産地 オーストラリア、タスマニア
花言葉 「運命的な出会い」「広い心」「思いやり」「壮麗」

ハーデンベルギアは、胡蝶蘭の花を小さくしたような、とても華やかな小花をたくさん咲かせるお花です。紫色の花がメインですが、白い花を咲かせる「ハーデンベルギア・スノーワンダー」や、濃い紫色の「ハーデンベルギア・コンプトニアナ」など、品種により花色が異なります。

深みのあるグリーンの葉をバックに、艶やかな花が咲く様子は美しく、ガーデニングでも人気の高いお花です。

 

アンチューサ 

科・属 ムラサキ科・アンチューサ属
和名 牛の舌草(うしのしたぐさ)、アフリカ勿忘草(わすれなぐさ)
英名 Alkanet, small bugloss, annual bugloss
学名 Anchusa
原産地 南アフリカ、地中海沿岸
花言葉 「あなたが信じられない 」「真実」

 

アンチューサは、日本では春から梅雨に入る前までの長い期間、開花を楽しめるのが魅力の花です。

紫の花色も美しいアンチューサですが、みずみずしく鮮やかな青色も魅力的で、青色の品種には「アンチューサ・アズレア」や「アンチューサ・カペンシス」があります。

 

「牛の舌草(うしのしたぐさ)」という独特な和名は、英名にもなっている「Bugloss」が、ギリシャ語で「牛の舌」という意味を持つことに由来しているようです。

アンチューサの葉には毛が生えており、触るとざらざらとした感触がします。葉の形状も牛の舌の形に似ていることから、牛の舌草と名付けられました。

花の姿がワスレナグサにも似ているので、「アフリカ勿忘草(わすれなぐさ)」の和名も持っています。

 

まとめ

今回は、上品でエレガントな雰囲気を持ちつつも、どこかミステリアスで妖艶な印象もある、紫色のお花に注目して、12種類をピックアップしました。

 

紫色は、尊敬の念を表す意味合いも含まれるため、目上の人やお世話になった方、恩師などへの贈り物としても適した色です。

フラワーギフトのアレンジに取り入れれば、全体を引き締めるアクセントカラーにもなる使いやすい色でもあります。

ここでご紹介した以外にも、紫色のお花は他にもありますので、紫が好きな方はぜひ探してみてくださいね。