恩師や目上の方、ご年配の方にお花をお贈りするときは、慎重になってしまうという方はいらっしゃいませんか。「上品すぎる花束は、かえってよそよそしく感じられてしまうかもれない」「少しカジュアルさも感じるこのフラワーアレンジメントは、礼に欠けるかもしれない」など、頭を悩ませてしまうかもしれません。目上の方やご年配の方にお花をお贈りするなら、感謝やお祝いの気持ちとともに、敬意が感じられるお花を選んでみてはいかがでしょうか。

では、どういったお花なら敬意が感じられるのでしょうか。おすすめなのが、紫色のお花です。なぜなら、紫色には「神秘的」「芸術的」のほか、「高貴」という色言葉が付けられているためです。色言葉とは、色それぞれの印象に合わせて付けられた言葉です。紫色を見ると神秘性や芸術性のほか、高貴さを感じるとされ、意味づけられたのでしょう。相手を敬うという気持ちを表現するには、うってつけの色ではないかと思います。

日本において紫色は古来より高貴な色であったことをご存知の方は多いのではないでしょうか。しかし、日本以外でも紫色は高貴な色であるとされてきました。例えば、紀元前のヨーロッパでは、紫色の染料が非常に貴重であったため、紫色の衣服を着用できるのは皇帝か皇帝の親族だけでした。当時、紫色の染料は地中海沿岸に生息するカタツムリの分泌液から作られており、1gの染料を作るのに、なんと2000匹ものカタツムリが必要だったと言われています。

中国でも4～6世紀ごろの中国南北朝時代では、道教思想の影響の高まりとともに紫が高貴な色として扱われるようになりました。道教では紫色が最も尊ばれていたためです。それ以前は、中国で生まれた思想の陰陽五行説で考えられていた「黄色いものが万物の中心である」という説が支持されていたことから、黄色が最も高貴な色でした。

このように、世界中で紫色は高貴な色とされ、そのイメージは現在でも引き継がれています。よって、ご年配や目上の方などには紫色のお花をお贈りして、敬意を表してみてはいかがでしょうか。紫色のお花は華やかさに欠けると感じる場合は、赤紫色のお花や紫色と相性の良い赤やピンクのお花をあしらったものをお選びいただくのもおすすめです。美しいグラデーションが生まれ、ロマンチックな雰囲気も感じられます。敬意や感謝、お祝いの気持ちが感じられるフラワーギフトは、きっと喜んで受け取っていただけるのではないでしょうか。