フラワーアレンジメントと並んで、フラワーギフトの定番となっている花束。お花の贈り物と聞くと、多くの方がこの花束を思い浮かべるのではないでしょうか。花束とは、その名の通りお花を束ねたものです。昔は、日本に伝わる生け花の影響で、「お花は自分の手で好きな形に活けるもの」と考えらえていたため、単にお花を束ねただけのものが少なくありませんでした。しかし、現在の花束のほとんどは、お花が美しく見えるようにプロのフローリストが試行錯誤しながら作っています。それゆえ、非常に多くのデザインの花束が販売されています。用いるお花の種類や色、配置などによって花束の雰囲気が変わりますので、どの花束を購入しようか迷ってしまう方もいらっしゃるかもしれませんね。そこで、花束をお選びいただくときのヒントとなるよう、2つのタイプの花束について紹介いたします。

花束は用いる花材だけでなく、まとめ方によっても、雰囲気が大きく変わるのをご存知でしょうか。花束のタイプは大きく分けて2種類あり、一つは「ワンサイドタイプ」または「ロングタイプ」と呼ばれる花束で、昔から日本で主流となっているタイプです。花材の茎を長めに出し、花束の前側にお花を配置して「背」を作ります。そのため、正面から花束を見たときにお花が美しく見え、長さがあるため華やかで見栄えがすることが特長です。フォーマルな印象を与え、結婚式や発表会、講演会、式典などの花束贈呈や写真撮影のときによく選ばれています。

もう一つのタイプは「ラウンドタイプ」と呼ばれるもので、全世界でよく使われているスタイルです。特に、ヨーロッパで花束というと、このラウンドタイプを指すことがほとんど。「Round(丸い)」という名の通り、お花が丸みを帯びるようにシルエットを描くように作られることが特徴です。お花の顔が上に向くようにまとめるため、どこから見てもお花が美しく見え、可愛らしい雰囲気を持っています。ボリュームがありながらも、持ちやすいようにコンパクトにまとめていますので、外出先で花束をお渡しするときなどにおすすめです。また、結婚式で花嫁さんが持つブーケも、このラウンドタイプがよく採用されています。

贈り物の花束をお選びになるときには、花束のタイプまで気にされるという方は、そう多くはないかもしれません。しかし、タイプを知っておけば、花束をお贈りするシチュエーションに適したタイプのものを選べ、よりスマートにお贈りできそうです。花束をお手配するときには、タイプにまでこだわってみてはいかがでしょうか。