ユーカリは花束やアレンジメント、またスタンド花でも良く用いられ、シンボルツリーとしても人気の植物です。ユーカリはフトモモ科ユーカリ属の樹木の総称で常緑高木となるものが多く、シルバーリーフと爽やかな香りが魅力の植物です。種類は900以上あると推定されており、葉の形や大きさも様々です。私達が普段呼んでいる「ユーカリ」とは学名の「ユーカリプタス」を短縮したものであり、「良い蓋」を意味するギリシア語をラテン語化したものです。その由来は蕾のがくと花弁が合着して蓋状になること、また乾燥地でもよく育ち大地を緑で被うことからだとされています。

ユーカリはほとんどの種類がオーストラリア原産であるため、先住民アボリジニが昔から傷を癒すために葉を利用していたそうです。現代でも葉から取れるユーカリの精油は殺菌作用や抗炎症作用、鎮痛・鎮静作用があるとされており、その爽やかで清涼感のある香りからアロマとしても人気の精油です。一方で毒性がある植物でもあり、コアラ以外の動物はユーカリの葉をうまく消化することができません。昔、生存競争に勝つことが難しかったコアラの祖先は餌を求めて木に登り、毒性のあるユーカリを常食とすることを選び、食料を確保することで生き延びることが出来たのです。動物園などで見かけるコアラがあまり動かずいつも寝ているのは、このユーカリの毒素を分解し消化するのにたくさんのエネルギーを使うためであり、たくさん種類のあるユーカリの中でもコアラが食べるのはそのうちの30種類ほどだそうです。

私達によく親しまれているユーカリの種類は「ポポラス」「グニー」「銀世界」などがあります。ポポラスは丸みを帯びた大きめの葉をつけ、ポリアンセモスとも呼ばれています。大きめで長めの枝ぶりから、スタンド花でも活用され、シンボルツリーとしても人気がある品種です。グニーは小ぶりの葉をたくさんつけていることから小さめのブーケやアレンジメントなどでも重宝されています。銀世界はユーカリの中でも香りが強く、しっかりした肉厚の葉をつけるため、ドライフラワーにもぴったりです。

またユーカリには「新生」と「再生」などの花言葉が付けられています。これは原産であるオーストラリアでよく見られる山火事でも、燃えてもすぐに再生していくユーカリの再生力などにちなんでつけられています。ユーカリは贈りものにもぴったりといえますね。