取引のある企業の支店開設や新社屋竣工、周年などのお祝いや、レストラン・クラブなど飲食店の新規または改装オープン、周年祝い、選挙の当選祝い、タレントさんや役者さんの出演祝い、楽屋花などさまざまなシチュエーションで贈られる胡蝶蘭。ビジネスなどフォーマルなシーンや少しかしこまったシーン、そして華やかなシーンのフラワーギフトとして、もっともポピュラーなアイテムの1つと言えます。そして胡蝶蘭は、供花、献花などお悔やみや法事などの場面でも選ばれることが多く、まさに冠婚葬祭あらゆるシチュエーションでお使いいただけるお花です。

では、胡蝶蘭の魅力とは何でしょうか。たとえば高級感がありことも理由の1つでしょう。お祝いにもお悔やみにも、その凜とした魅力ステイタス感は顕在というわけです。胡蝶蘭は、古くから栽培が難しいとされてきました。品種改良が進み、栽培技術も向上したいまでは年間を通じて入手をしやすいお花になっていますが、特別感のあるイメージは変わらず、ハイステイタスなお花として認知されています。

胡蝶蘭の原種は、東南アジアと言われています。かつて、ヨーロッパの貴族や王族など上流階級の人々は、珍しいお花を探す専門の人（オーキッドハンター）を雇い、さまざまな地域に派遣していました。あるとき、ハンターが東南アジアから持ち帰った蘭は、蛾が羽を広げたような花びらのカタチをしていました。たちまち上流階級の人々に受け入れられたお花は、品種改良が重ねられ現代でも知られる胡蝶蘭として進化していきました。我が国には明治時代に入ってきたとされていますが、当時は日本でも上流層だけが楽しむことのできるお花だったようです。

お悔やみ系の弔花に関しては、基本的には白系のお花を贈るのが無難ですが、故人の好きだった色のお花が飾られることもありますし、ピンク系やパープル系のお花が飾られることもあります。そんなときに、いくつもの色がある胡蝶蘭は便利ですし、贈られた人にとって手間がかからず比較的長く美しい状態を保つことも、胡蝶蘭が選ばれる理由と考えられます。

お祝いもお悔やみも、たとえばビジネス上のお付き合いや、お世話になった恩師の方へ贈るお花などは、できるだけ立派なお花をお贈りしたいとお考えになる方も多いのではないでしょうか。5本立てでボリュームのある胡蝶蘭は荘厳な雰囲気もありますので、そのような場面においてもしっかりと祝辞や追悼の意を表現することができるのではないでしょうか。