慶事や記念日のお祝いなどには、お花をお贈りするという方は多いのではないでしょうか。花束やフラワーアレンジメントなどは、さまざまなお祝いのシーンにおいて、多くの方に贈り物として選ばれています。お花の贈り物の魅力は、何と言っても美しさにあるのではないでしょうか。どのようなお花であっても、人の目を惹き、心をとらえる力を持っています。また、たった一輪のお花を飾っただけでも、その空間の雰囲気をガラリと変えてしまうでしょう。さらに、お花には、人の心を癒す力があるのをご存知でしょうか。その力は思いのほか強力で、五感を使って季節のお花と接することで、脳を刺激して活性化する「フラワーセラピー」と呼ばれる心理療法があるほどです。

お花を眺めていたときに、心が安らいだり、幸せな気分になったりしたことはありませんか。これは、気のせいではなくお花が人体に作用しているためです。お花を見ると、人は「幸せホルモン」と呼ばれる物質が分泌され、心身のバランスが整います。この効果は、迷信などではなく、実際の研究によって判明しました。

例えば、2020年に農研機構は、筑波大学と共同でお花の観賞による癒しの効果に関する実験結果を報告しました。被験者に対して不快な画像を見せてストレスを与えた後、お花の画像を見せたところ、不快な画像を見たことによって生まれた恐怖や嫌悪感が減少したという結果に。また、ストレスによって上昇したホルモンの値が、お花の画像によって21％低下したことも確認されています。この実験からわかるのは、お花によってストレスによる不快な記憶やネガティブな気持ちを抑えられるということです

また、お花に触れるという行為は免疫力を高めることが証明されています。老年精神医学雑誌は、北海道にある高齢者施設で植物の世話を3ヵ月続けた入居者のグループは、植物の世話をしなかった入居者のグループに比べて免疫力をあらわす数値が高かったという結果報告を掲載しました。さらに、植物の世話を続けた入居者は、笑顔が増え、人間関係が良好になったという結果も得られています。

このように、お花を眺めたり触れたりすることで、心も体も健康的になれます。お花のギフトは美しいだけでなく、人を健康に導いてくれる効果もあることがわかると、ますますお花を贈り物にしたいと思うかもしれません。もちろん、ご自身が楽しむためにお花を購入するのもおすすめです。お花の贈り物は、感動を与えるだけでなく、身体にも作用してくれる素敵な贈り物ではないでしょうか。