花束をいただいたら、ほとんどの方は、うれしいという感情が沸き上がるのではないでしょうか。お花は、空間を美しく彩ってくれたり、目を楽しませてくれたりすること以外には、何の役にも立ちませんが、ほかのどのような贈り物よりも感動を与えてくれるものではないかと思います。しかし、多くのお花は、数日から10日ほどで枯れてしまうものです。せっかくいただいたお花がしおれて枯れてしまうのは、少し寂しいですよね。そこで、お花の寿命を少しでも長く延ばすために、次から紹介する方法を試してみることをおすすめいたします。

花束をいただいたら、最初に「水揚げ」とします。水揚げとは、茎の切り口を新しく作って、お水を吸いやすくすることです。雑菌や汚れなどが茎に付着すると、茎にある水が通る導管をふさいでしまい、吸水力が弱まってしまいます。水揚げをすることで、お花が水を吸いやすくなり、元気を保ってくれるでしょう。やり方は容易で、水を張ったバケツなどにお花を入れ、水中でハサミで茎を切るだけです。このとき使用するハサミは、消毒するなどして茎に雑菌が付かないようにしていただくと、効果的です。

お花を活けるときには、お花とお花の間にある程度のすき間を空けておくと長持ちしやすくなります。一つの花瓶にお花をぎっしりと挿してしまうと、茎が蒸れてしまい雑菌が繁殖しやすくなってしまいます。すき間ができるよう、余裕を持たせてお花を活けていただくことがポイントです。一つの花瓶に入りきらないときは、一つの花束を複数に小分けして活けても良いですね。

また、花瓶の水は定期的に変えていただくことも大切です。花瓶の水中に雑菌が繁殖してしまうと、茎が傷み、前述した導管をふさいでしまいます。特に、夏は水温が上がり、雑菌が繁殖しやすいので、できれば毎日お水を交換していただくと、お花の寿命を延ばせます。

毎日の水交換が難しい場合は、花瓶の中に切り花用の延命剤を入れるのもおすすめです。延命剤には、お花の栄養となる成分に加えて、雑菌の繁殖を抑える成分が含まれているので、花瓶のお水をきれいに保てます。延命剤が手に入らないときは、家庭用の漂白剤で代用できます。花瓶に漂白剤を少し入れるだけで、雑菌の繁殖を防げるでしょう。

このように、少し手を加えるだけで、お花の寿命を延ばせます。お祝いなどで、大切な方にいただいたお花をできるだけ長く楽しみたいという方は、これらの方法を試してみてはいかがでしょうか。