ランと聞いたら皆様は何を思い浮かべますか。なんとラン科の植物は世界で約15000種類ほど存在するそうです。ラン科の植物は地生蘭と着生蘭で分類することができます。地生蘭は他も植物と同様、土のに根を張って土の中の水分や養分を吸って育つ植物です。シンビジウムやパフィオペディラムがこの仲間です。着生蘭は呼ばれる木や岩などにくっつきながら、土に根をはらず空気中の水分を吸って育つ蘭の仲間です。胡蝶蘭、カトレア、オンシジューム、デンドロビウム、バンダなどがこの仲間です。胡蝶蘭鉢には土を使わずバークや水苔を用いているのも、この自然の環境に近づけてあげるためです。土ではなくバークや水苔を使うことによって、胡蝶蘭の根に空気を触れさせ、適度な水分を保つことができます。

この着生蘭は切花や鉢物で比較的私達にも親しみのあるランのほとんどなのではないでしょうか。胡蝶蘭も今では上品なお花のイメージがありますが、原種は茶色くワイルドな花色が多かったようです。ごくわずかだった白色の胡蝶蘭を元に品種改良がされ、現在の白い花色が定番となりました。

最近ではこの着生蘭を、鉢ではなく流木やコルク樹皮に着生させて本来の姿で楽しむのが流行っています。ランといえばビジネスシーンでもよく使われるお祝いのお花としてのイメージが強いかもしれませんが、個性的で野性味溢れる本来の姿もまた違った魅力があります。ラン科以外にも土に根をはらず空気中の水分を吸って生きるコウモリランやエアプランツなどの着生植物も近年大変人気があります。

着生蘭の中でも人の手での着生に向いている種類とあまり向かない種類があるようなので、ご自身でも着生させてみたい方は調べてみてくださいね。ちなみに胡蝶蘭やカトレアは私達の手でも着生させることができるランのようですので、興味のある方はチャレンジしてみてください。ランを着生させる時期は湿度のある6月頃が適しています。うまくいけば個性的なインテリアが出来上がりますし、ちょっと変わったプレゼントとしても喜ばれるかもしれません。

また胡蝶蘭は空気を綺麗にしてくれる植物であり「エコプラント」と呼ばれています。蘭を飾って楽しむのと同時にお部屋の空気を綺麗にしてくれるのですから一石二鳥ですよね。ぜひお気に入りのランを見つけて楽しんでみてください。